Fixture
UEFAチャンピオンズリーグ
リーグフェーズ 第3節
2024.10.22
アーセナル(13位/1勝1分0敗/勝ち点4/得点2 失点0)
×
シャフタール(27位/0勝1分1敗/勝ち点1/得点0 失点3)
@アーセナル・スタジアム
戦績
過去の対戦成績
過去4回の対戦でアーセナルの2勝、シャフタールの2勝。
Match facts from BBC sport
- 全4回のCLでの対戦はすべてホームチーム側が勝利。00-01と10-11のグループステージにおいてはホームでアーセナルがそれぞれ3-2と5-1で勝利している。
- シャフタールは直近7試合のイングランドでのCLの試合で未勝利(D1,L6)。すべてがグループステージでのもの。しかし、最後のイングランド遠征だった2019年のシティ戦では1-1で引き分けている。
- アーセナルは2015年9月のオリンピアコス戦以降、CLのグループステージ/リーグフェーズにおけるホームゲームで敗れておらず、9戦で8勝。勝利した8つの試合はいずれもクリーンシートを記録している。
- 今季のアーセナルのCLはここまで2試合ともクリーンシート。3試合以上連続となれば4試合連続となったアーセン・ヴェンゲル時代の2007年9-11月以来のこと。
- シャフタールは今季ここまでのCLで得点を決めていない4つのチームの内の1つ。総シュート数10(リールと並ぶ)と枠内シュート1は共に全チームの中で最下位。
- オープンプレーにおいて、シャフタールは今季のCLに出場しているどのチームよりもボールを前に運ぶ速度が遅い(0.97m/s)。ジローナとPSVと並んでCLでダイレクトアタックを記録していない3つのチームの内の1つ。
- カイ・ハヴァーツは今季のCLで敵陣1/3でもっとも多くのハイプレスをかけた選手(57回)。1試合単位で見ても、PSG戦のハヴァーツの37回がトップ。
- オウンゴールを除き、ダニーロ・シカンは直近7つのCLでのシャフタールのアウェイのゴールに直接関与している(3G,,1A)。
- ガブリエル・ジェズスはシティ時代にシャフタール相手に計4得点を決めている。2018年にはハットトリックも達成しており、シャフタールにCLでジェズス以上にゴールを決めている選手はクリスティアーノ・ロナウドのみ。
- ブカヨ・サカはCLにおいて8本の枠内シュートのうち、5本を決めている。昨季開幕以降、彼はゴール期待値に対して最もオーバーパフォームしている選手(xG:1,73であり+3.27)。
予習
CL 第1節 ボローニャ戦
CL 第2節 アタランタ戦
予想スタメン
展望
シャフタールのハイプレスに見える2つの弱み
週末にボーンマスに敗戦を喫し、今季公式戦で初黒星を記録したアーセナル。幸か不幸か、次の試合はすぐやってくるため悲しみに明け暮れている暇はない。ここからのホームの連戦で何とかリカバリーをしたいところだろう。
今節の相手はシャフタール。近年ではムドリクを巡ったピッチ外での因縁がフォーカスされたチームである。
シャフタールは今季ここまでのCLでは2戦未勝利。まだ初めての得点を挙げることが出来ていないのが現状。イタリア勢のボローニャとアタランタを崩すことが出来なかった。
基本的なシステムは4-2-3-1。あまり大きな変形はなく、非常にオーソドックスな4-2-3-1である。CBは広がりながらGKを挟んでビルドアップを敢行。自陣ではある程度のショートパスでの繋ぎを好む。
ただ、相手をズラしながらの前進は特別得意というわけではなく、前線へのロングキックは普通に活用する。前線はシカンのようにFWに当てるケースもあるし、左サイドの裏に蹴るケースもある。サイドの裏を狙う動きはボローニャ、アタランタ共に後方の同数を受け入れるチームだからこそという形のアプローチに見受けられた。その文脈で言えばアーセナル相手にも同じボールの逃がし方をするかどうかが重要なポイントになるだろう。
最もよく目立っているのは10番のスダコフだろう。低い位置に降りてバランスを取るゲームメーカーで少しのスペースがあれば、スピードアップして敵陣に侵入できる運べるドリブルを持っている。逃がしてしまったら最もめんどくさい存在であることに疑いの余地はないだろう。
非保持はオーソドックスな4-4-2。常にというわけではないが、プレスへの意識が高い時間帯もある。その場合は敵陣では人を捕まえるアクションで、自陣ではブロックを組む後ろ重心(5バック、6バックになることもある)というメリハリのついたものになる。
ただ、前からのプレッシングに関しては枚数をきっちり合わせるというよりは4-4-2の前6枚で潰せる分だけ・・・という感じ。そのため、逆サイドでの枚数が足りなくなったりすることもある。
また、前線の降りるアクションに対するCBのリアクションは比較的遅く、ついていけずにフリーにしてしまうこともしばしば。枚数を合わせない故の左右へのスウィングへの後手の踏み方と、降りるCFへの対応の遅さがハイプレスの足かせになってしまっている印象だ。
相手を置いていく強度は可能か?
アーセナルにとってはボーンマス戦から立ち直ったかどうかが試される一戦になるだろう。もちろん、負けのあとというメンタル的な話もそうだし、ボーンマス戦で出た課題に再び向き合う必要があるという意味でもある。
特にボールを自分たちが持つ局面では試されることになるだろう。サリバの退場以前にボーンマス戦の3センターはあまりにも後ろに重たすぎた。サカ、マルティネッリというロングボールに競ることが出来るWGがいなかったことがさらに事態を悪くしてしまった感がある。
相手のプレスの強度にもよる話ではあるが、個人的にはボーンマスやシャフタールのようなプレス自体の勢いはあるけども枚数はきっちり合わせてくるわけではない相手に対しては、アーセナルはボーンマス戦でかけたよりも少ない人数で組み立てができると思っている。ボーンマス戦ではライスとメリーノが高い位置で少しずつメンバーが増えた矢先にサリバの退場があった。全くメンバーが同じかどうかはわからないが、シャフタール戦ではボーンマス戦の先が見られる可能性もある。
ロングボールに関してはボーンマスほどのプレッシャーは感じないので、降りるアクションを交えれば、仮に両翼がボーンマス戦と同じトロサールとスターリングのコンビだとしてもより効果的にボールの受けどころとして機能する可能性はあるだろう。ハヴァーツへの長いボールも含めて、この辺りの肌感覚は早い段階で知っておきたい。そうした部分も含めて、保持ではボーンマス戦の続きを探ることになる可能性もある。もちろん、サカが復帰すれば彼がスターターなのだろうが。
非保持においてはチャンスメーカーのスダコフとフィニッシャーのシカンを抑えておきたいところではある。そのためには敵陣に人数をかけた攻撃を刺せないことが一番の予防。サイドからカウンターで押し下げられることを防止するためにも、早い段階でプレスは無理だと諦めさせて、自陣にくぎ付けとしたいところ。
シャフタールは一定のテンポ以上では保持でも非保持でも十分な精度を持ってプレーできなくなるので、自分たちがコントロールできる状態を作り出し、相手はそうではないという状況を作るのが理想になるだろう。アーセナルがこれを実現可能なコンディションであれば、勝利の可能性はググっと引きあがる相手だと思う。
ゆったりとボールを持たれる状況になったら、やはり左サイドの裏を取るフィードは警戒したいところ。サリバはこのCLを越えたら出場停止のリーグ戦→プレストンとのリーグカップという余裕のある日程となるので、ここにすべてを置いていくつもりで相手の左サイドのケアに当たってほしいところだ。