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サッカーファンに捧げる日向坂46入門講座

 サッカー界隈で日向坂のメンバーがこんなに話題になる日が来るとは思わなかった。逆もまた真なりで坂道グループにこれほどサッカーについて楽しむことを前面に押し出すアイドルが出てくるとは思わなかった。影山優佳の影響でJリーグについて調べるようになったアイドルファンがたくさんいるのは間違いない。なにしろアイドルファンはすごい。もっとコアな趣味やジャンルについても推しが絡むとなると興味を持つからだ。例えば「苔」とか「ロボットダンス」とか。おそらくこれらよりは手が出しやすいJリーグとサッカーについて調べないはずはない。

影山 優佳 公式ブログ | 日向坂46公式サイトwww.hinatazaka46.com

 というわけで自分なりにJリーグをアイドルファンに広げてくれた彼女に恩返しをするとすれば、自分の持っている日向坂46の知識を「日向坂なんて知らないよ!」というサッカーファンの皆様に届けることである。

 乃木坂オタメインでやっている自分は立派なおひさま(=日向坂ファンの総称)ではないかもしれないが、ここまで日向坂ノータッチでやってきたサッカーファンの皆様にとって、日向坂に少しでも興味を持ってもらえるきっかけになったら幸いである。逆に普段から日向坂に触れているファンにとっては物足りないぜ!っていう内容かもしれない。でも、今回はあまり知らない方々がターゲット。ご容赦いただきたい。

 というわけで日向坂46についての入門講座スタートである。

目次

【Lesson1】
元々は違う名前のアイドルグループだった

 日向坂46は乃木坂46、欅坂46に次いて3番目にデビューを果たした坂道グループである。とはいえ彼女たちはもともとこの名義で活動していたわけではない。元々の名前は「けやき坂46」である。「え?」だよね。僕も初めは「え?」と思いました。「欅坂」も「けやき坂」も読めば同じ「けやきざか」である。ただし、前者は「欅」の部分が漢字であることから「漢字欅」、後者はひらがなであることから「ひらがなけやき」と区別するのが一般的である。

 なぜ、こんなややこしいことになったかというと、長濱ねるという1人のアイドルの存在が原因である。元々、欅坂46の1期生としてオーディションを受けていた彼女。たぐいまれなるポテンシャルの持ち主だった彼女は3次審査まで無事にオーディションを突破する。欅坂の一員になるまでに残すは最終審査のみ。しかし、アイドル活動に懐疑的だった母親によって、最終審査当日に地元の長崎に連れ戻されてしまう。

 最終審査を受けられなかった長濱は当然不合格!なのだが、連れ戻されてなお娘のアイドルへの熱意を感じた彼女の父親が運営と相談。福岡の乃木坂46のコンサートの鑑賞の後、両親はアイドル活動をバックアップする決意を固め、欅坂の運営スタッフに再度のオーディションのため頭を下げた。運営側は長濱が3次審査まで高い能力を見せたこともあり、特例での復活を認めることとなる。

 とはいえ、最終審査を素直に突破した他のメンバーと同じスタートラインに立たせるわけにはいかない!ということで、運営は長濱1人のために新しいアイドルグループを立ち上げることを決意する。それが「けやき坂46」。今日の「日向坂46」のルーツである。こうして、2015年11月にたった一人のけやき坂メンバーとなった長濱ねるはその後「欅坂との兼任(2016年6月)→けやき坂との兼任解除(2017年9月)→欅坂からの卒業(2019年7月)」と徐々にけやき坂からの距離が遠のいたのちに、けやき坂から離れることになる。

 一方でけやき坂は長濱が離脱後も精力的に活動。クールなイメージの欅坂とは異なり、見るものを幸せにする「ハッピーオーラ」というスローガンで独自にファンを獲得していく。そして、2019年2月にシングルデビューとともに「日向坂46」への改名が発表。新たなグループとしての歴史を紡ぎ出した。

【Lesson2】
体育会系バラエティ全力アイドルである

 乃木坂ファンだった自分が日向坂のライブに行ったのはまだ数回。しかし、その数回でも彼女たちの非常にインパクトに残るパフォーマンスは堪能できた。歌のうまさやダンスの美しさなどのアイドルのスキルというものは、あまり自分にはわからないのだが、彼女たちはとにかくパワフルでエネルギッシュ。

 ライブの提案であるコールをとっても、彼女たちのナンバーは非常にカロリー消費が高く、終わった後にめちゃめちゃクタクタになる。曲調に加えてパワフルさを助長するのが、メンバーのエネルギーである。どのメンバーもエネルギッシュなのだが、なかでも段違いなのはキャプテンである佐々木久美のあおり。

久美:「皆さん、もっと声出してくださーい!」
ファン:「うぉー!」
久美:「まだまだ声出ますよね!?もっともっと!」
ファン:「うぉー!!」

 普通は大体煽りはこんなもんで曲に入るのだが、佐々木久美はここからの追い込みがすごい。

久美:「おひさまの力ってそんなもんなんですかー!まだいけますよね!?」
ファン:「うぉー!!!」
久美:「今日、一日しかないんですよ!?いいんですか!?」
ファン:「うぉー!!!!!」

 いかがだろうか。ライブが映像化されていないため、セリフはだいたいこんな感じというのは許してほしい。僕の頭をよぎったのは、高校時代の野球部の夏合宿で無駄にしんどいノックを打ち込み続けた鬼コーチの𠮟咤激励である。ライブで野球部の合宿を思い出させくれたアイドルは、今のところ佐々木久美ただ一人だ。

 ライブだけでなく、バラエティでも彼女たちは全力。リアクションは当然として、大喜利もモノマネもお手の物。ライブのMCもとにかく矢継ぎ早にしゃべる。サッカーで言えば即時奪回からの縦に速くである。

 マジでどこで習ったんだろう。彼女たちと長年コンビを組むオードリーはあまりこんなことを仕込むタイプじゃないと思うのだが。勝手に成長していった感がすごい。オードリーと共演している「日向坂であいましょう」では、プロ野球チームのような宮崎キャンプや、キン肉マン風ノリツッコミの取得など、およそアイドルらしからぬ企画ばかり。

 それと大体月1くらいでは大喜利をやっている。なんでだよ。継続しているだけに力はついてきている感があるのが面白い。筆者の大喜利でのオススメは3期生の上村ひなの。独自のセンスと間から繰り出される大喜利の回答は、アイドルであることをとっぱらっても十分に面白い。

 あなたがこの記事を見て気になったのならば、まずは日曜深夜1時5分からテレビ東京系の「日向坂で会いましょう」をチェックすべきだ。毎週ツイキャスで配信やりながら見ているから、俺と一緒に見てもいいぜ!

【Lesson3】
名物ライブは冬にある

 各坂道には毎年恒例の名物ライブがある。乃木坂では2月のBirthday Live、そして真夏の全国ツアー。欅坂では夏のアリーナツアー、アニバーサリーライブ、そして夏に富士急ハイランドで行われる欅共和国である。

 日向坂で名物ライブになる予感なのは、けやき坂名義の時代から続いてきたクリスマスライブ。通称『ひなくり』である。ちなみにひらがなけやき時代は『がなくり』。

 クリスマスライブ自体はまだ2回しか開催していないのだが、ひなくり2020は2019年の段階ですでに開催が決まっている。その舞台は初となる東京ドーム、しかも2days。彼女たちにとってのクリスマスコンサートの位置づけの重さがよくわかるものとなっている。

 ライブの最後で歌うのがお決まりの「約束の卵」は、あこがれの東京ドームの舞台に絶対にファンを連れていくという意気込みが詰まった歌。2020年12月にその夢を彼女たちは現実のものにする予定である。本来ならば今の時期はアリーナツアーでパフォーマンスを高めている時期だった。しかし、ご存じの通り、新型コロナウイルスの影響でアリーナツアーは中止。昨年末に発表されていた今年のクリスマスライブについても、公式発表こそないものの、ファンは開催可能かどうかをやきもきしながら見守っている情勢である。

【おまけ】
影山優佳について

 このトレンドの火付け役になった影山優佳にも最後に少し。どうサッカーに関わってきたか?の話はゲキサカや日刊スポーツに書いてあるのでそちらで。

日向坂46影山優佳が選ぶJと海外の推し選手は? – サッカー : 日刊スポーツいよいよ明日からJリーグが再開(J3開幕)します。熱烈なサッカー愛の持ち主で人気アイドルグループ日向坂46の影山優佳(19www.nikkansports.com
【THIS IS MY CLUB】祝・活動再開!日向坂46影山優佳が「Jリーグ全56クラブの魅力紹介」に込めた思い | ゲキサカ 日向坂46・影山優佳、約2年ぶりの活動再開——。このニュースが日本中を駆け巡った5月26日以降、多くのサッカーファンの注web.gekisaka.jp

 彼女のキャラクターがよくわかるのは2018年にひらがなけやき時代にオードリーとの番組で見せた「妄想未来ヒストリー」という企画。ざっくり言うと、自分の理想とする未来を好き勝手に語る企画である。番組の中で影山の発表したヒストリーは以下の通り。

【17歳(2018年)】
高校生バンド「YANDERERA」を結成
この年けやき坂46とバンドで紅白に出場する

【18歳(2019年)】
東京大学 文一に合格
けやき坂46のセンター楽曲をもらう

【27歳(2028年)】
ドラマで検察役を演じたことにより法律の道に興味を持ち始める

【30歳(2031年)】
政党からのオファーもあり衆院議員選挙に出馬し当選
その物言いと堂々とした口調や態度から和製サッチャーとよばれるように
予算委員会で出た発言「それは個人の見解では?」が流行語大賞にノミネート

【38歳(2039年)】
様々なクイズ番組で活躍し「宮崎美子さんの再来」というキャッチコピーで親しまれる

【50歳(2051年)】
突然の芸能界引退
これまで蓄えた貯金で余生を謳歌

【75歳冬(2076年)】
暖炉の前でゆりかごに座りブランケットにくるまりながら眠るように死ぬ

 なんとなく人となりは見えてくる。勉強や政治に興味があり、サッカー記事で発揮されている深堀り力をあちらこちらに感じるバイタリティはこの年表だけでビシバシ伝わってくる。

 影山は2018年の夏に学業(大学受験)を理由に活動を休止している。復帰したのは今年の5月。サッカー界隈でブログが注目されたのと復帰はほぼ同時期なのである。およそ2年弱ぶりにアイドル界に復帰を果たしたばかりなのである。コロナ禍で収録が滞っていることもあり、6/26現在ではまだ「日向坂で会いましょう」には復帰後に出演を果たしていない。とはいえ間もなく出演も解禁されるだろう。徐々に活動を再開している最中だ。

 2020年という年は日向坂にとって、年末の東京ドームという大目標に向かっていく1年になるはずだった。現状ではなかなか万全な準備ができているとは言えないだろう。その中で1期生の主力として活躍していた影山の復帰は大きい。初タイトルを狙う新興クラブに舞い戻ってきた主力選手のように、影山にかかる期待は大きい。

おわりに

 思い付きで書いてみたがいかがだっただろうか。例のブログのように間違っている情報があったらぜひ教えてください!

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