オープンさもチャンスにできない停滞感
上位候補と目されながら浮上することができなかった関東の名門同士の一戦。順位的には争う要素は薄めではあるが、1つでも上の順位でシーズンを終えるためにも3ポイントが欲しいゲームだ。
序盤はロングキックの応酬でスタート。アップテンポなリズムは得意な横浜FMであるが、この日はわりと裏を狙っては引っ掛けてしまう感が満載。ミスが出れば浦和にはひっくり返すチャンスが出てくるが、これもなかなか活かすことはできず。佐藤がロペスのプレスをかわして裏に抜けた松尾にパスを出したシーンはあったが、これはオフサイドとなった。
時間の経過とともに試合は横浜FMがボールを落ち着かせることに。バックスにはボールを持つ余裕はできたが、それでもダイレクト志向は特に変化はなし。DFに直接つっかける形で裏に抜けるアクションを使っていく。変化をつけていたのは天野のサイドフロー。シティ、アーセナルなどでお馴染みの2列目でボールを引き出すアクションを使い、ボールを堅実に動かすケースも織り交ぜる。
保持に回った際の浦和はなかなかボールの落ち着かせどころがなくて苦戦。カウンターもスピードに乗って行きたいところだが、ボールと一緒に前進をする意識が低いため、抜け出した選手がやり切らないといけないというジレンマを抱えていた。
中央ではCH、SHなどが縦に奥行きがある陣形を狭く縦に深い形で運用することで浦和はチャンスメイク。リンセンの決定機などはその象徴と言えるだろう。
スコアレスで迎えた後半、横浜FMは引き続きアップテンポで縦に進みながら前進していく。変化があったのは浦和で、高い位置からプレスに出ていく姿勢が強まった。安居の列上げでのプレスなどは前線のプレスについていく形でチャンスメイク。カウンターの壁となっていたエドゥアルドを越えることができれば好機になりそうな予感であった。
しかしながら、なかなかどちらのチームも展開を引き寄せることはできず。70分過ぎから少しずつ間延びしていくが、保持側も前半よりも相手をずらすことができない状態に。保持に回るケースは横浜FMであったが、非保持側に回る浦和も特に時間と共にカウンターで流れを掴むことができない。
結局、試合はそのまま終了。終盤は攻撃側のギアが上がらないままタイムアップを迎え、やや停滞感のあるスコアレスドローとなった。
ひとこと
前半のうちにどちらのチームも試合を動かしたかったところだろう。後半は疲れ先行だった感がある。
試合結果
2024.10.30
J1リーグ
第35節
横浜F・マリノス 0-0 浦和レッズ
日産スタジアム
主審:池内明彦