数年ぶりのインパクトでシティを粉砕
普段通り、ボールを持つのはシティと思われるスタートだった。だが、中盤でのパスカットから先にチャンスを作ったのはボーンマス。セメンヨのショートカウンターから決定機を迎える。
この時点でこの日のシティはおかしかったということだろう。立ち上がりの一発だけでなく、ボーンマスは押し返すフェーズで安定感があった。中盤のギャップに2列目が入り込んでの縦パスを入れ、ここを攻撃の起点とする。
ポイントなのはこの攻撃が成立したのは速攻だけではないということ。後方のセネシは左足で自在に配球を実現。速攻からの一撃以外の左サイド全体を使った押し上げが成立したのは彼の安定した後方からの組み立てがあってこそだろう。
先制点もこの左サイドの攻め上がりから。ケルケズのオーバーラップでフォーデンを打ち破ると、折り返しをセメンヨが仕留めて先行する。
反撃にうって出たいシティだがこの日は決め手にかける。試合の流れを掴むとともにハイプレスに出ていくボーンマスに対して、ベルナルドが移動から保持を押しつかせるのはいつもの光景。だが、この日はそこから先がない。絞るSBは無秩序で特にウォーカーがインサイドを取る意義が薄かったように思える。
プレスを回避してたどり着いたとしてもボールを届けた左サイドでは大外ではタメの効かないヌネスしかいない。ハーランドへの一発ロングボールも効果は薄め。打開策にならない。
その間もゆったりした保持とカウンターでボーンマスの攻撃を喰らうシティ。前半の終盤はクロスの殺生性やハイプレスなどから少しずつペースを引き戻したシティだったが、スコアを動かすことができないままハーフタイムを迎える。
一気に後半畳み掛けたいシティだが、前半以上にハイプレスの強度は上がらず。それでもヌネスは左サイドを抉るなど少しずつ敵陣に入り込むように。
ボーンマスは前半よりは押し下げられる局面は増加するが、出ていく局面を掴んだ時の正確さは依然としてキープ。59分のカウンターなどはその一例だろう。
このカウンター発動からまたボーンマスはペースを確保。前半のように一方的にシティ相手に攻勢を強める。64分の追加点はまたしても左サイドから。エヴァニウソンのゴールからリードを広げる。
以降もペースはボーンマス。シティの1点目よりもボーンマスの3点目が圧倒的に近い状況だった。82分のグヴァルディオルのゴール、そしてドクの投入した終盤はさすがにシティにペースが流れたが10分で80分間の不出来は精算しきれず。アウェイで痛恨の1敗を喫することとなった。
ひとこと
ベンチにいても使えない選手がいたのかなというシティ。ここ数年で一番インパクトのある内容での敗戦となった。
試合結果
2024.11.2
プレミアリーグ 第10節
ボーンマス 2-1 マンチェスター・シティ
ヴァイタリティ・スタジアム
【得点者】
BOU:9‘ セメンヨ, 64‘ エヴァニウソン
Man City:81’ グバルディオル
主審:マイケル・オリバー