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神様が宿ったターコウスキ
リバプールにとって2月は立ち位置を固められるか?という観点で勝負の1ヵ月。1月に続き、すべてのミッドウィークが試合で埋まっている。CLではRound16へのストレートインを果たしたはずなのに、プレーオフの週はPLで埋まり、2月もすべてのミッドウィークで試合がある。
この試合はリバプールにとって3週連続ミッドウィークのPL開催の1週目。12月に荒天で延期になった今季最初のマージーサイドダービーだ。
3連勝中のエバートンはやる気満々。縦に速く強度の高い展開を狙っていく。ただし、バックスまでは無理にプレスに行かないなどコンパクトさは十分に意識。あくまで中盤を潰すことを念頭に置くのがエバートンのスタンスだ。
保持で外回りを余儀なくされたリバプールは右サイドに狙いをフォーカス。大駒であるサラーはもちろんのこと、ショボスライやブラッドリーの裏抜けを掛け合わせて相手を押し下げていく。エバートンは跳ね返してのカウンター狙いだ。
先制点はやや意外な形から。セットプレーから虚を突いたリスタートで、抜け出しを見せたベトが先制ゴールをゲット。駆け引きがあまり得意ではない印象のベトだが、前節はレスター相手に裏抜け連打で決定機を大量に作っていたし、この場面でもきっちりリバプールのDFラインに駆け引きをしていたので、昨季より良くなっている部分かなと思う。
一方のリバプールの同点ゴールは順当な形から。右サイドのサラーからインスイングに入ってきたクロスにマック=アリスターが合わせて同点。難易度の高いバックヘッドのような形でのシュートになったが、なんとか枠に入れ込んだ。エバートンはドゥクレのロストやエンジアイの飛び込み失敗など細かいミスが重なったことが悔やまれる。
前半のこれ以降の時間帯はジリジリとした展開に。リバプールは中央を封鎖するエバートンに対して、こじ開ける指針を見つけることが出来ず、対するエバートンもリバプールの守備網を破るカウンターを打つことはできず。試合は1-1でハーフタイムを迎える。
後半、先に試合の波に乗ったのはエバートン。早々にドゥクレが決定機を迎えるなど、主導権を握ると、強引に内側につっかけてくるリバプールのパスワークを引っかけてカウンターに移行するメカニズムを確立。特に警告を受けていたブラッドリーは冷や汗をかくようなシーンもあった。
セットプレーでネットを揺らしたブランスウェイトにより、エバートンは優位の時間をリードにつなげたかと思われたがこれはオフサイド。流れを変えるべく早め早めに戦力を投入していたリバプールはこの時間帯から反撃に。左サイドのハーフスペースに侵入したカーティス・ジョーンズがゴールを脅かすと、こぼれ球をサラーが叩き込む。苦戦の状況から一手で流れを変えるのはいかにも今季のリバプールだ。
あとはゆったりとボールを持つリバプール。時間を溶かしに行く。エバートンもボールを持ったら前に進んでいくが、終盤な分エネルギーは出せず、シュートセレクションは強引。
このまま終わりかと思われた97分にゴールを決めたのはターコウスキ。劇的で豪快なシュートを仕留めてエバートンは土壇場で同点に。リバプールを食い止めて無敗を4に広げた。
ひとこと
シュートを打つしかない状況で思いっきり足を振るDFに宿る神様がいるんじゃないかなと思っているんだけど、この試合のターコウスキにはいかにもその神様が宿っていたという感じであった。
試合結果
2025.2.12
プレミアリーグ 第15節
エバートン 2-2 リバプール
グディソン・パーク
【得点者】
EVE:11‘ ベト, 90+7’ ターコウスキ
LIV:16’ マック=アリスター, 73‘ サラー
主審:マイケル・オリバー