構図がガラッと変わった後半は両軍に明暗
上位勢が勝てないチェルシーにとってはライバルに差をつけるチャンス。対するトッテナムはシティ戦の快勝の後にブレーキを踏む格好になっており、まさしくこのロンドンダービーが正念場という様相である。
試合はハイテンポでのスタート。トッテナムが3トップを基軸にチェルシーの3バックにプレスをかけることで速いサイクルを生み出す立ち上がりに。
このテンポに対してチェルシーはアクシデントから失点。ククレジャのスリップからボールを奪われ、いきなりソランケが豪快なシュートを決めてみせた。
このゴール以降もバタバタが止まらないチェルシー。3-2を基準とするビルドアップが完全にトッテナムに捕まり、ボールの出しどころがない状態に。サンチェスの苦し紛れのキックが相手にプレゼントされることもしばしばだった。
そうした中でまたしてもククレジャのスリップからトッテナムはクルゼフスキが追加点をゲット。トッテナムはあっという間に2点のリードを奪う。
順風満帆な流れに乗ったかと思われたトッテナムだが、15分にロメロに負傷交代のアクシデント。詳細な状況はわからないが、ドラグシンの準備の速さを見ると、ある程度無理をしての先発だったのかなと思わされる交代となった。
さらにチェルシーは徐々にトッテナムのプレスを見切るように。3-2型に対して、徐々に前線からエンソやパーマーといった6人目を登場させることでトッテナムのプレスを空転させる。
一気に前進を去れるとトッテナムの守備は戻りが間に合わない。クルゼフスキの戻りが間に合わないところに入り込んだサンチョが素晴らしいシュートで1点差に詰める。
チェルシーはカイセドのキャリーなどアウトナンバーからボールを前に運ぶ機会を作れるように。パーマーは降りて6人目になる場合と、降りずに縦パスをレシーブして敵陣でプレーすることを優先するケースを見極めるのに長けており、速攻でトッテナムの脅威になった。
しかし、トッテナム側も時折ミスが見られる上に淡白なカウンター対応を見せるチェルシーの守備を見ると、まったくプレスが無駄というわけではないのが難しいところ。トライを続けつつ、前半はリードを守って折り返す。
迎えた後半、トッテナムは前半と打って変わってリトリートベース。チェルシーが一方的に押し込んでいくという少しテイストの違う試合となった。
ボックス内での守備が増えるトッテナムには早い段階で致命的なミスが。間合いを完全に見誤ったビスマがファウルを犯してあっさりとPKを献上。61分に同点に追いつかれてしまう。
さらに勢いに乗るチェルシーはエンソの豪快な一撃で一気に逆転までもっていく。交代選手の選手層も含めて苦しいトッテナム。それでも1点差ならばと何とか踏ん張っている中で今度はサールがPK献上。ゴールに向かいすらしていないパーマーを深追いしてファウルを犯すという非常に苦しいプレーでチームを追い込む。
終盤は1点を返し意地を見せたトッテナム。しかし、4失点の逆転負けでリーグ戦連敗を喫することとなった。
ひとこと
ブロック組んでもこれではハイプレス至上主義になるのもわかる。ただ両CBの強行出場はちょっとポステコグルーらしくないなと思った。
試合結果
2024.12.8
プレミアリーグ 第15節
トッテナム 3-4 チェルシー
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:5’ ソランケ, 11‘ クルゼフスキ, 90+5’ ソン
CHE:17‘ サンチョ, 61’(PK) 84‘(PK) パーマー, 73’ エンソ
主審:アンソニー・テイラー