止まらない負傷交代の連鎖
12月に入って負傷者が続出。勝ち点を積み上げるペースが落ちているトッテナム。ここに来て対戦するのが監督解任以降、少しずつ調子が上がっているウルブスというのも嫌なところだろう。
ウルブスはメリハリのあるプレスでトッテナムを苦しめるスタート。リトリートでの5バック構築とGKのみを放置するマンツー気味のプレスの両刀はハマった感がある。シャドーが外を切りつつコースを狭めて、中央でボールを刈り取るというスタイルからウルブスはファストブレイクを狙っていく。
前が出ていくならば後ろも出ていくということできっちりと覚悟をそろえることができていたウルブス。高い位置からでの跳ね返しに成功すると、カウンターからファウルをゲット。このFKを横にずらす形からヒチャンが先制ゴールを決める。
ハイプレスに出ていきながらボールを奪い返すということを狙っていきたいトッテナムだが、プレスがハマらず苦戦。特にサイドの縦の関係性のチェーンが切れやすくこの間に入ってくる選手を捕まえるのに苦労する。
だが、セットプレーで同点に追いつくと少しずつ巻き返しに成功。前線の降りるアクションを見せることでプレスを外しつつ、ボールを敵陣まで運べることが増える。特にベンタンクールは相手との離れ方と味方が作ったスペースの使い方を時間経過とともに掴んでいったように見えた。
敵陣に入ると右サイドからのコンビネーションが光る。細かいパスワークからの抜け出しで押し込んでからの一手を見せることができていた。
右サイドのポケット侵入から得たPKはソンが止められてしまうが、右サイドの攻略は前半終了間際に実る展開。クルゼフスキとジョンソンのコンビネーションから勝ち越しゴールを決める。この右サイドにボールを運んだのは相手のプレスとの距離感を見つけたベンタンクールだった。
迎えた後半もハイラインをめぐる攻防が目につく展開に。マンツーを外しに行くトッテナムに臆することなく、高い位置からボールを奪いにいく。
そんな中でウドジェが負傷交代と嫌な流れを感じるトッテナム。徐々にウルブスがボール奪取からテンポを掴んでいくように。トッテナムはハイラインブレイクからチャンスを作りたいが、なかなかウルブスのプレスの背後を取ることができない。
終盤は4バックにシフトしたウルブス。押し込むところから前線のメンバーを増員してなんとか追いつきにいく。このスタンスが実ったのは87分。左サイドから珍しく右足を使ったアイト=ヌーリからラーセンへのアシストが通り、角度のないところから仕留める。
終盤はどちらのチームもチャンスがあるオープンな展開に。右サイドの抜け出しにサールが合わせる形でチャンスを作るトッテナムだったが、サールの抜け出しのタイミングが微妙に合わないのが痛恨だった。
試合はドロー決着。トッテナムはリードを守り切れず、前節に続いて勝ち点を落とすこととなった。
ひとこと
負傷交代がここまで増えると、なんとかどうにもならない部分もある気がする。
試合結果
2024.12.29
プレミアリーグ 第19節
トッテナム 2-2 ウォルバーハンプトン
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:12’ ベンタンクール, 45+3‘ ジョンソン
WOL:7‘ ヒチャン, 87’ ラーセン
主審:クリス・カヴァナー