終盤のエネルギーでブライトンが勝ち点1をもぎ取る
やや停滞気味の順位から欧州カップ戦争いに少しでも近づきたい両チームの一戦である。ジョアン・ペドロの出血という不穏なスタートで始まったこの試合。互いに保持からの解決策を探るスタートとなった。
アストンビラは左サイドのライン間のスペースを狙う。この場所を得意とするロジャーズから切り拓いてもらおうという考え方だろう。
アストンビラがいつもと違ったのは3バックへの可変を保持においてしなかったこと。これは非保持のブライトンのプレスが5バック気味だったことも関係がありそう。
アストンビラが変形すると噛み合ってしまうのでファジーな形の4-4-2のままにした方がライン間のスペースは生まれるというイメージがあったかもしれない。そのおかげでロジャーズに対してブライトンのDFは前に出ていくかの迷いが見えた。ちなみにブライトンの5バックへの変形はアストンビラ対策もあるだろうが、単純にSBのエストゥピニャンが病気でいない影響もありそうだ。
しかし、先制点を奪ったのはブライトン。構えて受けるビラの4-4-2ブロックに対して、自由にボールを持つことができたダンクから左の奥にフィードを落とすと、そのままダイアゴナルに内側に入り込んでゴール。後手に回るビラのバックラインに対してあっさりと先制ゴールを奪う。
ライン間のロジャーズに対しては徐々にファン・ヘッケが出ていくことで対応は整理しつつあったが、インサイドに強引にパスをつっかけることでカウンターを受けるなど、得点が一方的にブライトンのペースを呼び込んだというわけではなかった。
ともに相手をミドルゾーンで外しさえすれば加速することができる両軍。マンツーのリアクション遅れが目立つブライトンに対して、アストンビラが徐々に押し返すと36分にはPKで追いつくことに成功する。
後半もその流れに乗って押し込むのはアストンビラ。セットプレーの流れからの二次攻撃をロジャーズが仕留めて逆転に成功する。
ビハインドを背負ったブライトンは5バックでの迎撃を棚上げして前からのプレスを解禁。高い位置からビラにスピーディなリアクションを迫る。これにビラが慌てたことで主導権はブライトンに。前線を入れ替えて三笘、ラター、ミンテを入れたことで完全に押し込み流れの攻略を狙っていく。
オープンな展開を生み出したことも甲斐もあり、ブライトンはランプティが81分に同点ゴールをゲット。ビルドアップからフィニッシュまで他局面に関与する見事な一連のプレーだった。
アストンビラにも再び勝ち越しのチャンスはあったが、これ以上ゴールは生まれず。試合は勝ち点1を分ける結果となった。
ひとこと
終盤に出せたエネルギーはややブライトンの方が上。デュランの出場停止が悔やまれるところだろう。
試合結果
2024.12.30
プレミアリーグ 第19節
アストンビラ 2-2 ブライトン
ビラ・パーク
【得点者】
AVL:36’(PK) ワトキンス, 47′ ロジャーズ
BHA:12‘ アディングラ, 81′ ランプティ
主審:クレイグ・ポーソン