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左右の揺さぶりに屈し2点のリードを溶かす
ブロック守備で手堅い勝負で強豪食いを狙うという姿勢は今は昔。シティが相手だろうと前からプレスをかけていくというこの日のスタンスは昨今のブレントフォードのスタンスをよく表している。
高い位置からのプレスに出て行くブレントフォードに対して、シティはライン間のデ・ブライネからひっくり返す形で対抗する。5分もすればブレントフォードのプレスは鎮静化。5バックにスムーズにシフトしたところを見ると、相手にボールを持たせる方のプランも抜かりなく準備していたように見える。
シティが押し込む局面が増えるが、ブレントフォードもカウンターから反撃。右サイドのムベウモを起点としたカウンターによってチャンスメイク。オルテガのファインセーブに救われる場面もあった。
シティは積極的にボールを取り返す姿勢を見せたわけではないので、ブレントフォードは自陣からのキャリーでオープンなシュートのチャンスを作ることも。そういう意味ではこれまでのシティ戦のような偏った局面の試合にはならなかった。
シティはブロック崩しにも苦戦。人数をかけたサイド攻撃の精度も低く、ブロックの外からのデ・ブライネもキックが合わない。ブレントフォードがボールを持つ局面も出てきた関係で25分程からトランジッション局面が増えた試合だったが、この状況はシティにとってもありがたい様子。デ・ブライネとハーランドに好調のサヴィーニョが絡む形はより可能性が高くなっていた。
ブレントフォードは徐々に押し込まれることを許容するように。シティがハイプレスに来ないのに蹴る姿は何が何でもつなぐ姿勢が強い今季のブレントフォードからすると珍しいものだった。
スコアレスで迎えた後半、先にチャンスを迎えたのはブレントフォード。セットプレーからのチャンスでゴールを脅かす。対するシティはファストブレイクで対抗。降りる中盤を捕まえられないブレントフォードを尻目に縦に速い攻撃からのチャンスメイクが目立つ。
ブレントフォードもファストブレイクの展開に乗っかる形でシティの左サイドを崩しながら進撃するが、これはシティの左サイドが水際で踏ん張ることで対応。そのDFの踏ん張りに応えたデ・ブライネが素晴らしいクロスからようやくシティに先制点をもたらす。
さらにシティは追加点。ロングボールから入れ替わったサヴィーニョが起点となり、最後はフォーデンが2点目を仕留める。
追いかけるブレントフォードは終盤に押し込む流れを掴むと、左右に揺さぶる形からウィサがぽっかり空いて追撃弾をゲット。フレッケンの活躍でさらなる追加点を防ぐと、後半ATには左右に振るアクションからノアゴールが劇的な同点ゴールを決める。
2点のリードを溶かしてしまったシティ。前節の快勝の勢いを続けることが出来ず、手痛いドローとなってしまった。
ひとこと
押し込む局面での揺さぶりができるのが今季のブレントフォード。とはいえ、左右に揺さぶるだけでこれだけ脆いシティは切ない。
試合結果
2024.1.14
プレミアリーグ 第21節
ブレントフォード 2-2 マンチェスター・シティ
G-techコミュニティ・スタジアム
【得点者】
BRE:82′ ウィサ, 90+2′ ノアゴール
Man City:66′ 78′ フォーデン
主審:アンソニー・テイラー