
奇襲でも流れは変わらず
モイーズ監督の初陣を落としたエバートン。ホームでの初戦は連敗中で苦戦が続くトッテナムとの一戦だ。
まず目についたのはトッテナムのフォーメーション。目新しい3バックでのスタートである。保持時はベリヴァルがやや左サイドの低い位置に立つなど、ややアシンメトリー。3バック採用の目的は明確なユニット構築というよりはエバートンに対して、かみ合わせを外すことが主たるもののように見えた。
確かにかみ合わせが効果的に働いた場面もあった。23分のポロ→クルゼフスキのようにWBのチェックが遅れたことでトッテナムの保持がエバートンを脅かすことはなくはなかった。
だが、それ以上に守りにくさが際立っていた感がある。特にトッテナムの右サイド側はかなりカジュアルにサイドを破られていた印象で、ロングボール一発というプランを割り切って採用することが出来るエバートンの攻撃の方向性に対してはかなり相性が悪そうだった。
先制点もトッテナムの不安定さが際立ったところから。エバートンのハイプレスに屈してしまったサールは交わされるところでもミス。キャルバート=ルーウィンの華麗な身のこなしからゴールを生み出す。
そして、追加点はトッテナムのウィークポイントとなっていた右サイドから。グレイとドラグシンをまとめて破壊したエンジアイが2点目をもたらし、エバートンのリードを広げる。
さらにはセットプレー流れのファーのターコウスキから3点目。グレイのオウンゴールで前半追加タイムにさらなる失点を重ねる。
かみ合わせを生かす場面はなくはなかったが、押し込まれると脆さが目立つトッテナム。後半は早々に4バックにシフトする。3点のリードを奪ったエバートンだが、まだまだハイプレスをやめることはなし。がっつりと組み合う後半となる。
序盤はややトッテナムが優位に試合を運んでいた感もあったが、リンドストロムがプレスを成功させたあたりから少しずつエバートンが流れを取り戻す。ここからトッテナムは再び怪しさを見せる。
それでも攻撃力で押し切ることで何とか得点を生み出したトッテナム。近頃飛び出しが不安定なピックフォードのところから追撃弾を奪うと、前半の終盤にはファーのリシャルリソンがゴールを生み出す。ここもピックフォードの処理が遅くなってしまったことを指摘せざるを得ない場面だ。
だが、トッテナムの反撃はここまで。前半の大量失点をリカバリーしきれず、逃げ切ったエバートンがモイーズの再任初勝利を決めた。
ひとこと
3バックの賭けには完敗だったポステコグルー。まだまだ流れは変わらない。
試合結果
2025.1.19
プレミアリーグ 第22節
エバートン 3-2 トッテナム
グディソン・パーク
【得点者】
EVE:13‘ キャルバート=ルーウィン, 30’ エンドイェ, 45+7‘ グレイ(OG)
TOT:77‘ クルゼフスキ, 90+2‘ リシャルリソン
主審:ダレン・イングランド