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凡戦ムードにPKで風穴を開ける
例年通り、残留争いとは無縁のシーズンを繰り広げているトーマス・フランクのブレントフォード。序盤戦は出遅れていたパレスも秋が深まるころには立て直し完了、勝ち星を重ねて降格圏とはだいぶ差が出てきている。そういう意味ではいつものシーズン通りに中位をがっちりとキープしている両チームによる穏やかなロンドンダービーという感じだろう。
序盤から両軍は平常運転。ブレントフォードは4-4-2のミドルプレスが基本線。パレスはマテタへのロングボールをベースにしつつ、時折自陣に引き寄せるような守備をすることでライン間を広げに行く。
ブレントフォードはよりショートパス志向が強い展開。左サイドにジャネルトが列落ちし、浮きつつルイス-ポッターを押し上げに行く。
パレスは前進のルートには特に困っていなさそうではあったが、ボックス付近でもう一工夫ほしいというのが正直なところ。インサイドに刺しこむことが出来ない状態ではなかなか敵陣を切り拓くのは難しい。
ブレントフォードはサイドから斜めにインサイドのパスを差し込んでいこうとするが、そこまでクリティカルに刺さる場面はなし。総じてパレス以上にブロック崩しには苦労していた印象だ。
正直なことを言えばどちらも前進のルートは確保できてはいるものの、そこから相手を動かすことが出来ない状態が続いている。守備が安定していたという見方もできなくはないが、どちらも打開策が見つからない状態での凡戦と表現した方が正しいようにも思う。
後半、パレスは左右の幅を積極的に使い、まずは押しこんでいくことにフォーカスするスタート。ブレントフォードはカウンターから少人数で壊していこう!というスタンスだ。
時間の経過と共に少しずつ力を出してきたのはエゼ。ドリブルやプレースキックで少しずつ敵陣を切り拓くことに成功する。
だが、そんな流れと裏腹にゴールを決めたのはブレントフォード。コリンズへの対応が一歩遅れてしまったラクロワがPKを献上する。一度はこのPKは外してしまっていたが、クリアした選手がペナルティアークに早く入りすぎてしまったということで蹴り直し。ムベウモがリベンジに成功する形で先行する。
勢いに乗るブレントフォードは右サイドのダムズゴーからクロスで追加点をゲット。セーフティリードを確保する。
最後は5バックで構えてブロックを組むブレントフォード。パレスは交代で入ったエッセがデビュー戦でワンタッチ目をゴールにするという目覚ましいデビューを飾ったが反撃はここまで。凡戦ムードの膠着に風穴を開けたブレントフォードが勝ち点3を手にした。
ひとこと
PKが文字通りの分水嶺。それ以外ではなかなか試合が動く感じはしなかった。
試合結果
2025.1.26
プレミアリーグ 第23節
クリスタル・パレス 1-2 ブレントフォード
セルハースト・パーク
【得点者】
CRY:85′ エッセ
BRE:66′(PK) ムベウモ, 80′ シャーデ
主審:トニー・ハリントン