Fixture
プレミアリーグ 第23節
2025.1.25
ウォルバーハンプトン(17位/4勝4分14敗/勝ち点16/得点32 失点51)
×
アーセナル(2位/12勝8分2敗/勝ち点44/得点43 失点21)
@モリニュー・スタジアム
戦績
過去の対戦成績
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過去10回の対戦でウルブスの2勝、アーセナルの8勝。
ウルブスホームでの成績
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過去10回の対戦でウルブスの2勝、アーセナルの8勝。
Head-to-head from BBC sport
- 20-21のシーズンダブル以降、ウルブスはアーセナル戦7連敗中。
- 1978年以降の15回のホームのアーセナル戦でウルブスは2勝のみ。
- 直近10試合のプレミアにおけるウルブスとのアウェイゲームでアーセナルは8勝。5回以上対戦したチームの中で最も勝率が高い。
- 公式戦における34試合のウルブス戦でアーセナルは得点を継続中。ウルブス相手の特定のチームの連続得点記録としては最長。
スカッド情報
- トティ・ゴメスはボクシングデー以来初めてのスカッド入りの可能性。
- マリオ・レミナは冬の移籍期間終了まで復帰しない見込み。
- ハムストリングの張りでウィリアム・サリバは3試合連続の欠場の見込み。
- ミッドウィークを欠場したマイルズ・ルイス=スケリーは評価予定。リカルド・カラフィオーリはスカッド復帰の見込み。
Match facts from BBC sport
- プレミア3連敗中。1得点9失点。
- その年のリーグ戦の初めに4連敗をしたら史上3回目。1906年と1982年。どちらも相手はアーセナル。
- セットプレーから19失点で他のチームよりも少なくとも7つ多い。
- 51失点はリーグ最多。
- 11のコーナーからの失点もリーグ最多。
- トップ2相手の直近20試合のリーグ戦で18敗。
- マテウス・クーニャは昨季開幕から33得点に関与(22G,11A)。全ての選手の中で9番目に多い。
- プレミアでは12試合無敗でリバプールの17試合に次いで2番目に長いラン。
- しかし、リードから落とした勝ち点は12。年間で最も多いのは19-20の21で昨季は全てで9ポイントだけだった。
- アウェイのプレミアは9試合連続でクリーンシートなし。
- コーナーからの10得点は他のチームよりも3得点以上多い。
- DFの得点が7でリーグ最多。ウルブスはDF相手に13失点を喫しており、こちらもリーグ最多。
- レアンドロ・トロサールはウルブス相手に8得点に関与しておりキャリアハイ(2G,6A)
- 22-23の開幕以降、ウィリアム・サリバ出場時の被xGは0.8だが、不在時は1,7。
- サリバがいない試合におけるクリーンシートは13試合で2つだけ。
- ガブリエル・マルティネッリは20試合で6得点。15試合多い昨季と同じ数の得点を決めている。
予習
第20節 ノッティンガム・フォレスト戦
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第21節 ニューカッスル戦
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第22節 チェルシー戦
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今季ここまでの道のり
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予想スタメン
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展望
抜けられない”ベテラン”
ディナモ・ザグレブに勝利したアーセナル。Optaによればトップ8に入る確率は100%。条件が揃えば突破が阻まれる可能性はあるものの、その数多い条件が揃う可能性は百に一つもないということだろう。ひとまずはミッションコンプリートと考えて良さそうだ。
強度を抑えながらCLをクリアしたアーセナルに対して、中2日で迎えるリーグ戦。モリニューでのウルブス戦に挑む。
今季の残留争いは昨季と同じ空気感となっている。苦しむ昇格組は浮上の機会を掴めず、すでにサウサンプトンは降格を回避するのが難しい情勢。そんな新参者たちを尻目に、降格組の”ベテラン勢”であるクリスタル・パレスやエバートンは着実に勝ち点を積み上げているというのがここまでである。
この情勢の例外になっているのがウルブス。”ベテラン”の一員でありながらもなかなか浮上のきっかけを掴めず。監督交代を実施した後も上昇気流には乗ることができておらず、勝ち点16はイプスウィッチと並ぶ数値となっている。
今季のウルブスの戦績の特徴は無敗の時期と連敗の時期を交互に繰り返していることだ。第4節からの5連敗の後、4試合無敗が続く。その直後から4連敗となり、再び3試合無敗。そして、今が3連敗の最中。一度負ければ必ず連敗というのがウルブスの流れである。
不安定な戦いの一因となっているのは失点の多さだろう。51失点は最下位のサウサンプトンを上回るリーグワースト。フルタイマーの鉄人・キルマンがウェストハムに旅立ったバックラインは明らかに駒不足。モスケラは開幕戦の大暴れが今季唯一のインパクトのまま、長期離脱で戦列に復帰することができていない。
そこにトティ・ゴメスの負傷が重なり、3バックの人員はショート。ドハーティやアイト=ヌーリといった本来はWBというべきキャラクターの選手までバックスに駆り出されている。
そうしたバックラインの人員不足に加えて、中盤の守備は監督交代以降明らかに機能性が低下。どこに追い込むか?という意識が欠けている状況で、それぞれが勝手に追い込みをかけるのでなかなか簡単に中盤に穴が空いてしまうケースが発生している。
その結果、本職CBで揃えることができていないDF陣が晒されてしまい、失点を喫するというケースが多発。これが直近の敗戦の大きな要因と思われる。
ボールをうまく奪えない影響は攻撃にも及ぶ。低い位置から攻撃に出ていく必要があることで、攻撃陣の負荷は増大。ラーセンとクーニャのコンビはそれでもタメと抜け出しを駆使しながら喰らいつくことで得点を生み出していたが、ここに来てシャープさは停滞気味。特にラーセンは直近9試合のリーグ戦でわずか得点は1つだけとなっている。
このように守備の綻びからチームの噛み合わせが悪くなってしまった感のあるウルブス。クーニャに対するペレイラ新監督のコメントはチームの苦戦を際立たせている。アーセナルへの移籍の有無は別として、これはシンプルに解決しなければいけない問題。ピッチの上でもチームとしてもまずは1つの目的にフォーカスすることを優先しなければ、あるいは得意の終盤戦で調子が上がらない可能性も。そうなれば最悪のシナリオも見えてくることとなる。
ガイド役は青いロンドン
おそらくはアーセナルの保持が多い展開となるだろう。ベン・ホワイトの復帰がどこまで迫っているかはわからない+ルイス=スケリーの容態も不明という不確定要素もあるが、基本的には保持から相手を崩すことをベースとするアストンビラ戦の布陣のおかわりで問題ないかなと思う。
ウルブスを崩すにはまずは中盤を外すことだ。スライドが甘く、相手を追いかける時は単体というケースが多いウルブズ相手ならばアーセナルの保持のクオリティをベースにすれば特に問題はないと思う。CBでシャドーを釣り出す形から、サイドフローで穴を開けてもいいし、中盤のサリーから中盤中央に穴を開けてもいい。
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ひとまずはMFを釣り出して穴を開ける。そこから始める。あとはウルブスの完成度次第。彼らがここ数試合と同じクオリティで来るのであれば、ここまでのフェーズは特に問題はないだろう。
アタッキングサードにおいてはファーサイドへのクロスが狙い目。WGからの1on1で放たれるファーへのクロスに対してウルブスは明らかに後手に回っている。この攻撃パターンは今のアーセナルの得意分野。チェルシー戦でククレジャが決めたゴールはアーセナルでも十分に再現が可能と考えることができる。
無論、チェルシー戦の残り2つのセットプレーでのゴールも十分に再現可能。ファークロス及びセットプレーの2つで3得点を取ったチェルシーはアーセナルのガイドにもなり得る。
先に試合を動かしてウルブスが得点が必要な状況になれば、アーセナルにとってはさらに都合の良い状況のいいことになる。攻撃的なWBが前に出てくればその背後を取ることで攻撃は一気に進めることができるはずだ。
警戒をしたいのはやはりアタッカーのシャープさ。渦中のクーニャは中央〜左のハーフスペースを主戦場としてポストプレーからチャンスメイクが可能。大きな展開のスキルもあり、自らもフィニッシャーとなることができる。タメを効かせる展開であるならば自らが最後のフィニッシャー、最短ルートでの進撃となればラーセンがフィニッシャーとなることで攻撃を完結することができる。
ここ最近のアーセナルが国内でクリーンシートを達成することができていないことから考えても、やはり一撃は怖い。右のCBとしてクーニャと対峙することになるであろうティンバーには引き続き重要な役割が託されることになる。
中2日でのアウェイという厳しい日程ではあるが、もうリーグ優勝に向けた勝ち点的な猶予はない。CLで強度的には一息を入れられたこと、後ろの日程は実質消化試合のCLであることを踏まえてもここにある程度リソースをかけることは可能だ。
まずは先制点をもぎ取ること。そして、溶かさないこと。リーグを優勝するにはその年にリーグに轟くアイデンティティを確立することが重要。アーセナルが優勝するのであればアイデンティティは「ミスなくて手堅くカチカチに」だろう。そういう意味でアストンビラ戦の引き分けはアイデンティティの喪失。優勝するために必要なアイデンティティを守るためにも、勝利パターンの確立は重要事項だ。