■果敢なトライも先制点まで
最終節を前に敗退が決まっているボリビア。アルゼンチン相手に爪痕を残すには撤退している場合ではない。というわけで高い位置からアルゼンチンを食い止めに行く。
両チームのフォーメーションを比較すると4-4-2同士(アルゼンチンは厳密には4-4-1+メッシだけど)なのでボリビアが高い位置からプレッシングにいけばある程度噛み合う。
しかしながら、アルゼンチンはこのボリビアの気合の入ったプレスに対してあっさり解決策を見出す。非常に簡単な列落ちであっさりとボリビアのプレスは外されてしまう。狙い目になったのはボリビアの2トップの脇。この脇にアルゼンチンの選手が降りてくることでフリーでボールを受けることができる。ボリビアのプレスもここまで追い回すほど気合が入っているわけではなかった。この位置でメッシがボールを受けてしまえば自分で運んで加速が十分にできてしまう。それだけで解決である。
崩しに関してもあっさりと解決策を見出す。アルゼンチンの崩しは広くサイドを使ってボリビアを横に揺さぶる。これに対しては、ボリビアはSHが低い位置まで降りて対応。2トップは前に残るため、ボリビアは6-2のような中央がスカスカな形で受けることになる。ボリビアが横に広がったせいで中央でフリーの選手を作りやすくなったアルゼンチン。先制点はコレアが深さを作り、メッシからアレハンドロ・ゴメスが裏を取り、アッサリと仕留める。
その後もアルゼンチンはワンサイドで押し切る。中央を起点とした横断は先制点以降もすぱすぱ決まる。メッシがこの位置でフリーになることもしばしば。逆サイドへの展開や自らの仕掛けで自由自在にボリビアを攻め立て放題。順調に得点を重ねていく。
ボリビアは先制点ですっかりと戦意喪失してしまった感。自陣から進むビルドアップに対して、間受けにピッチを縦横無尽に走っていたサーベドラにご褒美のゴールはあったものの、よくまぁ1点決めたなというのが正直な印象。アルゼンチンがボリビアを完勝で下し、決勝トーナメント進出に弾みをつけた。
試合結果
ボリビア 1-4 アルゼンチン
パンタナル・アリーナ
【得点者】
BOL:60′ サーベドラ
ARG:6′ ゴメス, 33′(PK), 42′ メッシ、65′ ラウタロ・マルティネス
主審:アンドレス・ロハス