Fixture
明治安田 J1リーグ 第2節
2025.2.22
柏レイソル(5位/1勝0分0敗/勝ち点3/得点1/失点0)
×
川崎フロンターレ(1位/1勝0分0敗/勝ち点3/得点4/失点0)
@三協フロンテア柏スタジアム
戦績
近年の対戦成績

直近5年間の対戦で川崎の6勝、引き分けが5つ。
ホームでの戦績

直近10戦で柏の2勝、川崎の4勝、引き分けが4つ。
Head-to-head
- 川崎は直近14試合での柏との対戦で無敗(W8,D6)
- 公式戦最後の柏の勝利は2017年の天皇杯、リーグ戦では2016年にさかのぼる。
- ただし、連勝は2021年3月が最後であり、以降は川崎の勝利の間に引き分けが挟まっている。
- 前回対戦は勝利。
- 日立台での対戦では川崎は直近8試合勝ちなし。
- 柏の最後のリーグ戦での勝利は2015年の7月
- 直近2回の川崎の日立台での勝利はいずれもスコアが2-3。
スカッド情報
- 戸嶋祥郎は左膝内側側副靭帯損傷による長期離脱。
- 瀬川祐輔、伊藤達哉はフルメニューを消化。
- ジェジエウ、大島僚太もトレーニングに合流。
- 佐々木旭は先週末のリーグ戦で負傷交代。
- イ・クンヒョンは左膝離断性骨軟骨炎及び左膝内側半月板損傷で長期離脱中。
- 小林悠は左肩鎖関節脱臼で離脱。
- 神田奏真、大関友翔、土屋櫂大は代表活動により不在。
予想スタメン

Match facts
- 開幕戦の勝利は2022年以来3年ぶり。
- 2節目はホームで同じ神奈川勢の横浜FMに勝利している。
- 直近7年間のホーム開幕戦では無敗。
- しかしながら直近2試合のホーム開幕戦はいずれも引き分け。
- 開幕戦ではクリーンシート。公式戦7試合ぶり。
- 直近5試合の勝利はいずれも1点差。
- リカルド・ロドリゲス監督は川崎の対戦成績は2勝3分2敗。
- 2025年の公式戦は3試合で10得点無失点。
- 2023年12月以来の公式戦3試合連続のクリーンシート。
- アウェイでの開幕戦では直近2年連勝。
- 長谷部監督は柏戦における1試合平均勝ち点が2.08。
- 現在J1にいるチームの中では岡山(2.71)に次いで高い数字。
- 山田新は直近出場した公式戦6試合で6得点。
- 三浦颯太は開幕節でリーグ唯一の複数アシストを記録。
予習
第1節 福岡戦

展望
リカロド・レイソルの攻撃の機能性の指標
国内アウェイの開幕は日立台からのスタート。かつては鬼門のイメージも強いスタジアムではあるが、今ではその座をすっかり大阪方面に譲っている。現状ではリーグ戦で8試合負けなし。昨年は幸運に助けられての勝利となったが、いずれにしても鬼木監督が就任したタイミングで相性は一変したといえるだろう。そういう意味では同じく柏に対して好相性の長谷部監督が就任した今季はどうなるかが見ものである。
川崎と同じく監督交代を敢行した柏はプレシーズンでちばぎんカップで快勝。開幕戦でも勝利を飾るなど順調な船出のシーズンとなった。
スタイル的にもリカルド・ロドリゲス監督らしいスタンスはすでに見られている。開幕戦では3バックを採用。保持ではGKを絡めるもしくはCHがラインを落とすことで4バックになることもしばしばという形。決まったこの形!というよりは基本的にはビルドアップのために後方重心になることは許容されており、枚数をかけてビルドアップすることの一環のように思える。
大外はWBに任されているが、彼らが列を下げることもしばしば。結果的に重心がかなり後ろになることも特に前半には数多く見られた。
ショートパスに関しては特に動きの自由度が高いCH2枚とシャドーの2枚がピッチのあらゆるところに関係性をつくるところから前進がスタートする。後述するようにピッチ全体を広く使う意思はあるが、この中央の関係性はそこそこミクロ。細かいパス交換からボールをつなぎ、前を向く選手を作っていく。
ショートパスへのこだわりはそれなりに強いが前進の局面では大外を使った長いレンジのパスも活用。外で起点を作りながら、ワイドのCBもしくはWBの攻め上がりを活用することが多い。
インサイドに細かい関係性を作り、大外を少ない人数に託すという人数バランス自体は今季の川崎に通じる部分がある。柏と川崎で異なるのはサイドの突破の仕方だろう。柏はサイドへの展開からのラインの揺さぶりはWBの突破力にかかっているところがあるが、川崎はサイドへのパス自体が裏へのスペースになることが多く、この時点である程度のゆさぶりはかけることが出来ている。
ただ、全体的にはもう少し後ろに枚数をかけない方がいいと思う。中盤はなるべく中盤にとどまった方が互いの関係性は作りやすいし、GKに小島がいるのであれば彼にビルドアップの参加を増やしてもらうのも問題はないように思える。
保持率が69%で、福岡がほぼ自陣からのクリーンな前進を志向しなかったこともあり、非保持の局面はあまり見えていないのが正直なところ。それでも危ない場面が全くなかったわけではなく、前半などは長い展開の前線やWBへのボールをカットされてしまった際には間延びした中盤や自由なポジショニング故のゆがみから脅かされるシーンもなくはなかった。
要はロングボールの使い方は重要で苦し紛れに蹴らされている状況であれば柏として一気にピンチになるし、能動的に蹴っているのであればチャンスになる。後ろに重たいとやはりセカンド回収は明らかに不利。CHはCHの位置のままで下がり過ぎない方が!といっているのは、そういう視点を考慮しての意見でもある。
まとめると、柏の攻撃のポイントは大きく2つ。後ろ重心を過度に引き起こしすぎないこと、ロングボールを能動的に蹴ること。以上2つが機能すれば福岡戦の後半のような厚みのある攻撃が展開できるだろう。
「 そうでないところ」の守備とセカンド回収が勝負
川崎としてはまず非保持できっちり新生・柏のシステムに対応する必要がある。総じて福岡戦の柏の内容はよかったと思うが、福岡がプレスの誘いに乗ってこない前半に関して柏はそれなりに苦戦していた。
まずは不用意にプレスに出て行かないこと。今回も柏は3バックがベースということで噛み合わない形の座組になると思うが、セントラルコースト戦の前半のようなプレスになってしまえば簡単に柏に前進の燃料を与えてしまうだけとなる。

柏のビルドアップで少し気になるのはWBが低い位置を取るパターンである。おそらく川崎はSHが出て行くことになると思うが、柏は時折その背後を流れるCHで活用することがある。

後方にズレが流れてしまえば完全に柏の思うツボ。川崎の守備原則から行くと、おそらくCHがスライドしてサイドについていく形になるが、その場合はCHのスライド、トップのプレスバック、逆サイドのSHの絞り等の工夫が必要になる。名古屋戦のような守備の機能性が働いてくれれば問題ない気もするが。
前がズレて、後ろの可動範囲で勝負することになればおそらく川崎の方が旗色は悪くなるはず。後ろの選手の守備範囲で勝負する川崎はもうすでに過去の話。谷口も大南もジェジエウもいない川崎はそうでないところの守備で勝負する必要がある。
というわけで今節もキーポイントは我慢。リーグ戦で先発を飾っている選手たちに関してはセカンド回収からの手数少なめの崩しに関しては少しずつ鋭さが出てきているように見受けられる。
今はとてもいい流れでここまでのシーズンを過ごしている川崎。だが、課題もまだまだ存在するのが現在地。なるべく多くの人数を巻き込みながらひとつひとつの試合で勝ち点と経験値を積み重ねるシーズンにしてほしい。
【参考】
transfermarkt(https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(https://soccer-db.net/)
Football LAB(http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(https://www.nikkansports.com/soccer/)