Fixture
明治安田 J1リーグ 第3節
2025.2.26
アビスパ福岡(19位/0勝0分2敗/勝ち点0/得点1/失点3)
×
川崎フロンターレ(4位/1勝1分0敗/勝ち点4/得点5/失点1)
@ベスト電器スタジアム
戦績
近年の対戦成績

直近10試合の対戦で福岡の1勝、川崎の8勝、引き分けが1つ。
福岡ホームでの戦績

直近10戦で福岡の3勝、川崎の5勝、引き分けが2つ。
Head-to-head
- 直近7試合の対戦で川崎は6勝1分で無敗。
- ただし、直近6試合においては両チームともにクリーンシートはない。
- 川崎は直近8試合の福岡戦の勝利は全て複数得点差。
- 直近4試合のホームの川崎戦で福岡は全て1得点を記録。
スカッド情報
- 前嶋洋太は前節負傷交代。
- 志知孝明は出場停止から復帰。
- 永石拓海、城後寿、池田樹雷人は長期離脱中。
- 瀬川祐輔はフルメニューを消化。
- ジェジエウ、大島僚太、佐々木旭もトレーニングに合流。
- イ・クンヒョンは左膝離断性骨軟骨炎及び左膝内側半月板損傷で長期離脱中。
- 小林悠は左肩鎖関節脱臼で離脱。
- 神田奏真、大関友翔、土屋櫂大は代表活動により不在。
予想スタメン

Match facts
- 昇格以降、開幕戦のリーグの連敗は初めて。
- 直近2試合のホームにおける勝利はいずれも関東勢に対するもの。
- 直近5試合のリーグ戦で複数得点がなく、12試合まで広げても複数得点は1回だけ。
- 9月以降、リーグ戦で複数得点を記録した選手がいない。
- 名古新太郎は先発した川崎戦2試合で負けなし。
- 金森健志は川崎戦で3得点を挙げており最も多くの得点を挙げている相手。
- ただし、出場した11試合で勝利したのは1回だけ。
- ここまで4試合の公式戦で11得点1失点。
- 昨季から公式戦11試合負けがない。
- 昨季、関東以外でのアウェイゲームでは未勝利だった。
- 柏戦は公式戦7試合ぶりの複数得点なし。
- 三浦颯太はここまで3アシストでリーグトップ。
- 複数アシスト者はリーグで三浦だけ。
- 長谷部監督は福岡のアウェイゲームで過去2戦未勝利。
予習
第1節 柏戦

第2節 G大阪戦

展望
まだ固まっていない新しい色
開幕からここまで4試合で無敗で1失点。新生長谷部フロンターレは順調な船出を飾っている。今季初めてのミッドウィークのリーグ戦となる今節は新指揮官の古巣との一戦。こちらは新監督で連敗スタートとなっている福岡である。
町田における参謀は金監督であるという噂は昨季からなんとなく界隈に広がっていた。確かに昨季の前半における町田はパブリックイメージとは異なり、ボール保持から相手を動かしていくということにも重きを置いていた。現に等々力における一戦では川崎の失点は家長周辺の守備のズレを保持からきっちりとついたものであった。
しかしながら、今年の福岡を見るとまだプランの整備はそこまでは辿り着いていないように思える。基本的には保持からの仕組みづくりには辿り着いておらず、軸となるのはロングボールベース。開幕戦から2戦目でメンバーを入れ替えているところから見ても、特に前線の軸はあまり定まっていない様子。まだここは組み替えながら最適解を探している段階のようである。
第2戦となったG大阪戦は割と前線の顔ぶれによるプランの変化がわかりやすかった。ローブロックのG大阪に対して、ボールを前に運ぶと、岩崎がトップに入った前半においてはサイドでの崩しにかなり手数をかけている印象。しかしながら、なかなか相手を外すことができないことでチャンス創出に苦しんでいた。
というわけで現段階においてはボックス内における高さという優位をカジュアルに確保することができるというウェリントンが前にいる方がフィットしているように見える。後半は手数をかけずに前線に入れるという方向性でG大阪を前半よりは苦しめることができていた。
非保持においては4-4-2がベース。ただ、ライン間の管理は少し甘く、間のスペースを素直に使われてしまうという難点もある。ロングボールに対しては確かに積極的に跳ね返すことができているが、ファウルも多くクリーンに二次攻撃に繋げることができないことも多い。相手には収めさせてはいないが、自分たちの攻撃にも移行できないという意味で守備が機能していると言えるかは微妙なところだろう。
保持での仕込みの物足りなさ、非保持でのソリッドさがややかけている点など現状ではなかなか金監督らしいチーム作りにはなっていない。中3日での今節でそこの完成度がどこまで上がっていくかはポイントになるだろう。
新しい武器の実装時期は?
柏戦での反省点はとても生かしやすい相手だと思う。開幕戦で福岡と戦った柏がまさにそうだったが、ロングボールを蹴らされる展開になると、福岡は跳ね返しからカウンターを打つことができる。現状ではスムーズに攻撃への意向を構築できていない福岡に対して、安易に蹴ってクリーンに跳ね返されることは最も川崎としては避けたい展開である。
一方で、ライン間のスペース管理の怪しさに関しては逆に川崎は利用したいところ。特にSHを前方に動かすことでプレス隊を3枚にして背後を使うなど、2列目を揺さぶっていく形から穴を開けて前進をしていきたい。あるいはダイレクトにスペースが空いているインサイドに差し込むというアクションをするのもあり。特に福岡の守備が空きがちな左右のハーフスペースから裏を取りつつ、相手を押し下げていきたいところだ。
いずれにしても福岡に対峙するという観点で言えばロングボールの比率を下げる方が合理的である。ここまで相手に対する前進という観点においてはロングボールに頼ってきた川崎。その割合を下げることができることで前進のきっかけを見つけることができれば、この試合の勝利はグッと近づく。日程に間隔がない中で新しいことをできるかはあまり現実的ではないが、ロングボールに頼らずにショートパスを軸に穴を開けるという方向性の解決策には遅かれ早かれ手を出す必要はあるように思う。
守備に関してはローブロックでリトリートを組むことさえできればひとまずは防衛策はできそうではある。あくまでG大阪戦までの出来ならばという前提ではあるけども。この辺りは先に述べた通り、トップのキャラクターで福岡のプランの優先度は変わるのでそこは注視しておきたいところ。
サイドにボールをつけたところを機能的に封じることができるか?というのも柏戦の反省点でもある。まずは大外から前進を行い、そこから人数をかけてクロスの導線を探る福岡に対してあっさりとスペースを開けることだけは避けたいところだろう。
メンバーをどこまで入れ替えるか?という点はまだ読めないところではあるが、ACLとリーグ戦を通して多くの人数で足並みを揃えて前に進めることはできている。しかしながら、新しいものに手を出すのがどのタイミングになるのか?というのは難しいところ。
少なくとも、代表ウィークまでは今ある手持ちで勝負しなければいけないのだろうという予感はするが、早めにチームを仕上げた長谷部監督には期待してしまうのもわかる。遅かれ早かれという領域にいつ手を出すかはここから数ヶ月のキーポイントになる。
【参考】
transfermarkt(https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(https://soccer-db.net/)
Football LAB(http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(https://www.nikkansports.com/soccer/)