
強度勝負の昇格組対決
第4節にして昇格組同士の対決。もっとも、この2チームはすでに勝利を挙げており、残留という当面の目標については順調な船出となっている。
デュエル重視の強度の高いスタートとなった立ち上がり。テンポを握ったのは清水。バックスが高いラインを維持しつつ前から当たってくる岡山に対して、清水はどこなら勝負できるかのポイント探し。前線は下がるアクションを入れながら浮くことができるかを試していたし、ホルダーに対してボール周辺のオフザボールを活性化させることで常にショートパスのコースを作っていた。
ショートパス+オフザボールの動きをワイドのCBの後方支援で成立させる清水。しかしながら、岡山のバックラインを崩すためのボックス内、及びそこに迫る武器はもう1つといった感じだろうか。
岡山はとにかく前線のタフな粘りに望みを託すスタート。まずは前で起点を作ることができるかどうかがポイントになる立ち上がりで、その点で清水よりも敵陣での工夫をする余裕がなかった。
しかし、15分が過ぎると清水が割り切ったローラインの5-4-1を見せることが増えたことにより、少しずつ岡山が押し込むように。大外でWBが顔を出すなど、らしいサイド攻撃が見られるようになる。中央でも一美のタメが効けばコンビネーションからのシュートも。
どちらのチームも主導権と押し込めるかどうか?は割とリンクしていたように思う。ただ、守備側がきっちりリトリートしていたこともあり、そこからブロックを崩し切る決め手みたいなのはまだ届かない感じ。大きなチャンスは42分にそれぞれ1回ずつチャンスとなった裏への単騎抜け出しくらいだろう。どちらもGKに阻まれていたが。
迎えた後半、両軍はロングボールによる積極策を敢行。前にとりあえずボールを当てて、そこに多くの人がセカンド回収で前向きの矢印を出すという似たプランのぶつかり合いからチャンスを作りにいく。
強度勝負が全面に出る中で清水はPKを獲得。住吉のボックス内突撃に田上がファウルを犯して決定的なチャンスを与えてしまう。しかし、北川のPKはストップ。さらには直後の決定機も逸してしまう。
そんな状況を救ったのは住吉。セットプレーからの二次攻撃でボックス内でフリーとなり、得点が入らない嫌な流れを解消する。
だが、岡山もセットプレーからやり返し。CKでのニアフリックを木村が押し込んで再びスコアをタイに戻す。
その後も両軍はキックアンドラッシュをベースに一進一退の攻防が続く。だが、試合はこれ以上は動かず。タイスコアのままで勝ち点1を分け合うことになった。
ひとこと
夏以降もこのスタイルで走れるかどうかは両軍ともに気になるところである。
試合結果
2025.3.2
J1リーグ
第4節
ファジアーノ岡山 1-1 清水エスパルス
JFE晴れの国スタジアム
【得点者】
岡山:75′ 木村太哉
清水:68′ 住吉ジェラニレショーン
主審:福島孝一郎