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鷲に睨まれ動的0トップは不発に
フラムに勝利したユナイテッド。久々の連勝を狙い、ホームに迎えるのはクリスタル・パレス。このパレスはユナイテッドにとっては地味に天敵。リーグ戦では3試合連続で勝利がなく、最後のゴールは2023年。今はベンチにいないラッシュフォードがネットを揺らして以来、300分間無得点が続いている。
天敵を前にしたユナイテッドはメイヌーのワントップという奇策を選択。序盤は彼を前に据える意味づけはできていたように思う。ミラーということもあり前から捕まえにくるパレスに対して、自由に動き回ることで起点に。横断からサイドで作ったチャンスにインサイドで飛び込むこともできており、動的さを全面出す形で勝負をする。
基本的にユナイテッドはメイヌーの動き回る方向性を含めて噛み合わせをずらすことを基準にしていた。ブルーノが列を下げて4バックになるなど、パレスのプレスを退けるための動かし方を中心に。パレスは無理に噛み合わせることはなく、引いて受けつつ保持に回れば前にボールを当てるというシンプルな形で反撃を狙っていく。
ユナイテッドは時間の経過とともに動的成分が低下。持つ機会自体は増えてはいるが、前線のボックス内でただ立っているだけならば、特にメイヌーをトップに置く意味はないだろう。素早い縦のシャープさが際立つマテタとは対照的に両軍は前線の存在感が入れ替わっていく。
スコアレスで迎えた後半、パレスは少しハイプレスでトランジッション色を強めるスタート。ただ、保持からの押し上げは効かず、ポゼッションから展開を引き寄せられるかは微妙なところ。結局のところは後半はボール奪取からダイレクトに。奪った後の数プレーを大事にゴールに迫っていく。
ペースを徐々に握ったパレス。パスワークがスムーズになると先制点はセットプレーから。跳ね返りを待てたが仕留めてゴールを生み出す。さらにエゼを投入し、パレスの攻撃は加速。オープンな展開でスペースを活かせるエゼにより、さらにペースを引き寄せる。スピードのあるバックスもハイラインという構造に乗ってきた印象だ。
間合いが合わない状況が続くユナイテッドは後半はいいところなし。止まって時間を作れる選手がおらず、チャンスを作る機会も時間とともに減っていく。パレスはウォートンのセットしたカウンターをムニョスが仕留めてけりをつける。
またしても天敵相手に無得点となったユナイテッド。勢いに乗ることは許されなかった。
ひとこと
メイヌー0トップの意味づけができたかは微妙なところ。
試合結果
2025.2.2
プレミアリーグ 第24節
マンチェスター・ユナイテッド 0-2 クリスタル・パレス
オールド・トラフォード
【得点者】
CRY:64′ 89′ マテタ
主審:ジョン・ブルックス