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「ACLの夜明けなるか?」~2025.5.18 J1 第17節 川崎フロンターレ×セレッソ大阪 プレビュー

目次

Fixture

明治安田 J1リーグ 第17節
2025.5.18
川崎フロンターレ(9位/5勝6分3敗/勝ち点21/得点22/失点14)
×
セレッソ大阪(7位/6勝4分6敗/勝ち点22/得点24/失点22)
@Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

戦績

近年の対戦成績

直近5年間の対戦で川崎の4勝、C大阪の4勝、引き分けが4つ。

川崎ホームでの戦績

過去10戦で川崎の3勝、C大阪の3勝、引き分けが4つ。

Head-to-head

Head-to-head
  • 公式戦直近8試合のC大阪戦で川崎は勝利がない(D4,L4)
  • 川崎は直近4試合のC大阪戦で1得点。
  • 日曜日の公式戦での対戦では川崎がC大阪に直近5試合で勝てていない(D2,L3)
  • しかしながら、等々力でのリーグ戦に限れば日曜の戦績は川崎が4戦3勝無敗。

スカッド情報

川崎フロンターレ
  • イ・クンヒョン、ジェジエウ、宮城天は長期離脱中。
  • 三浦颯太はアル・アハリ戦で負傷交代。
  • 大島僚太は部分合流。
セレッソ大阪
  • 離脱中の田中駿汰、本間至恩はグラウンドでの練習を再開しているが復帰はまだ先の様子。
  • 中島元彦は川崎戦スカッド入りに向けて調整中。
  • ヴィトール・ブエノは内転筋を痛めており離脱中。

予想スタメン

Match facts

川崎フロンターレ
  • 公式戦5試合連続失点中で今季ワースト。
  • ホームにおける公式戦は直近5試合負けなし。
  • ビハインドから得た勝ち点は9で柏と京都に次いで多い。
  • 勝てば長谷部政権下初のホームでのリーグ戦連勝となる。
  • 長谷部監督は2023年にC大阪にシーズンダブルを達成したが、翌年はダブルをされ返された。
  • C大阪相手にあげた直近の6得点のうち、4得点はマルシーニョが記録している。
セレッソ大阪
  • 2024年3月以来のリーグ戦3連勝中。
  • リーグ戦で24得点を挙げており、これより多いのは鹿島(26)だけ。
  • 今季リーグ戦で挙げた6勝は全て関西地方で開催された試合。
  • リーグ戦における後半ATの得点数が5で最多。
  • 直近3試合の川崎戦はいずれも外国籍選手がスコアラーとなっている。
  • ラファエル・ハットンは枠内シュートを打った7つの試合のうち6試合で得点を決めている。

予習

第14節 京都戦

第15節 神戸戦

第16節 横浜FM戦

展望

転機となった3バックへの移行

 横浜FC戦でなんとかリーグ戦の未勝利記録を止めることができた川崎。早く悪い流れを切りたかったということもあるが、次に控えている相手の前にこの記録を止めたかったというのもあるだろう。週末に川崎がホームに迎えるのは近年の天敵と言っていいC大阪だ。

 過去3試合を見るというのが自分のプレビューを作る際のルーティンだが、Transfermarktによるとアーサー・パパスのC大阪はその3試合前がターニングポイントのようだ。4バックから3バックの変更で連敗を止めたばかりではなく、直近の試合では3連勝。システム変更から一気に上昇気流に乗っている。

 C大阪の試合はあまり見る機会がなかったので、4バック→3バックの変更にどういう文脈があるかは分かりにくいところではある。ひとまずは3試合分の3バックの特徴を見ていきたい。

 バックラインからはショートパスで繋いでいく意識は強く、GKを絡めての4バック化などはなくはないが、基本的にフィールドプレイヤーの移動は多くなく、ベースとなるフォーメーションを踏襲することが多い。

 移動しなかった理由として考えられるのは直近の3試合の相手が全て4バックが基本であり、ナチュラルな立ち位置でも問題なくズレを作ることができるからだろう。神戸戦、横浜FM戦ではこうした初期配置のズレを活かす形で、相手のギャップに自然に入り込むことができていた。

 前線の選手たちは楔を収めると細かいコンビネーションで前を向く。縦にそのまま進撃できればそうするし、そうでなければオーバーラップするWBを活用していく。

 前線のメンバーは相手に捕まっている状態でもなんとかできるような無理が効くわけではないし、ロングボールを収められる逃げ場になれるタイプでもない。アタッカー陣はライン間でもきっちりとスペースが必要ではあると思う。

 ハイラインの相手にはむしろ効くのはワイド寄りのシャドーアタッカーのトランジッション。相手のCB-SBの間のギャップを狙っていくルーカスや上門といった選手たちは少ない手数で相手の攻撃をひっくり返せるパターンと化している。特に横浜FM相手には延々とこのトランジッションが刺さっていた感がある。

 守備においてはミッドウィークの横浜FCとテイストが似ているように思える。5-4-1だが、ローブロックではなくコンパクトな守備でミドルゾーンに構えるスタンス。前線から枚数を合わせる形で相手のバックラインに無理にいくプレスはあまり得意ではないが、サイドに囲い込んだ時のラインアップは見事。ラインをきっちり押し上げながら相手の保持を高い位置から跳ね返しにいく。

 シャドーがインサイドに絞る分、WBとの距離はやや遠いように見えるが、ボールサイドでの素早いライン上げによってこのギャップはあまり生まれなくなっている。この辺りはきっちりと3バックでやるべきことが整理できている感がある。

 川崎からすれば天敵が勢いづいた状況でやってくる最悪に近い状況。逆境を跳ね返し、目の前の相手との順位をひっくり返す勝利を手にしたい。

CBのパスを出す先を狙う

 C大阪の苦手パターンは相手のプレスの圧力をもろに受けてしまう展開である。すなわち、エネルギッシュなハイプレスの回避は得意としていない。前線には陣地回復のターゲットらしいターゲットは不在であり、後方の選手たちもめちゃめちゃプレス耐性に長けているわけではない。

 予習した3試合の中であれば、最もしんどい思いをしたのは京都戦の前半。前から躊躇なく出てくることができる馬力を持っている京都の前線と中盤にはかなり手を焼いていた。圧力をかけることができれば最も試合を支配的に進めることができるだろう。

 ただし、日程は川崎に味方をしているわけではない。水曜日に試合があった川崎に圧力でC大阪を圧倒することができるかは不明である。

 仮により狙いを絞らなくてはいけないとなれば、ターゲットになるのはCB。おそらく、C大阪は川崎戦でも初期陣形の噛み合わなさをベースとしたビルドアップを狙ってくるはず。CBからのキャリーも当然その要素の1つだ。

 ただし、C大阪のワイドのCBのプレー選択は非常にリスキーなものが多く、チェックした試合の中だけでも西尾、畠中、舩木が失点につながりかねない(もしくは実際に失点につながった)ミスをしている。運ぶ選手を強引に捕まえるのではなく、運んだ先の出しどころを潰しながら、相手を悩ませるイメージとなるのが理想。近くの相手を塞いで、相手にトリッキーな選択を選ばせるように仕向ければミスの可能性は出てくる。

 ライン間をきっちりと閉めることができれば、C大阪も中央のコンビネーションも使いにくいはず。挟んで対応し、潰せるコンパクトな守備を構築したい。

 警戒したいのはやはりネガトラ。横浜FMがしてやられたSB-CBの間のスペースにルーカスなどが入り込む形はそのまま川崎にも刺さると考えて間違いないだろう。特に丸山のいる左サイドは可動範囲に限界がある。前節のアイダルのパフォーマンスは不安定極まりなかったが、直近の試合で丸山が抜群の安定感を見せているかと言われればそうではない。CB-SB間をとるシャドーをケアしつつ、背後を通されないプレーを心がけなければいけないことになるだろう。この辺りは相当シビアな舵取りになる。

 コンパクトに陣形を構築すれば対角パスで揺さぶってくる狡猾さもあるチーム。フィニッシュ局面では逆サイドのWB(特に右)がボックス内に飛び込んでくるケースは多く、広くピッチを使う意識もある。ファーサイド側のクロス対応はGKも含めてきっちりとケアしていきたい。

 保持においてはコンパクトな陣形を間延びさせるアプローチが重要。横浜FC戦の前半のようなパフォーマンスを再現するならば、まず間違いなく停滞するだろう。C大阪のカウンターは横浜FCよりもシャープ。ダメージはより大きくなるはずだ。

 基本的に前線の裏へのアクションは重要となる。DFラインの背後をダイレクトに撮れたら最も楽だし、まずはここを狙うのが基本となるだろう。意外とここを使えるんだ!というのは大外レーン。5バックであればこのスペースは埋まっているのが普通なのだけども、あっさりと大外から押し下げられるシーンも少なくはない。

 ライン間が間延びすれば今度は前線が背負うスペースができてくる。相手のCBの強度を考えれば、ここは正面衝突しても面白い。コンパクトなスペースのままで正面衝突をしても意味がないので、相手を揺さぶって勝負できる土俵を下ごしらえできるかが重要だ。

 横浜FC戦のような前半を過ごせばこの試合での川崎もあっという間にビハインドになるだろう。ACLでの功績は大きい成果であることは言うまでもないが、あの舞台でリベンジするには国内上位は必須。ならば、過酷な過密日程に立ち向かう必要がある。ACL明けモードからギアチェンジし、夜明けを感じさせるパフォーマンスを見せる90分間にしたい。

 

【参考】
transfermarkt(
https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(
https://soccer-db.net/)
Football LAB(
http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(
https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(
https://www.nikkansports.com/soccer/)

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