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「なんの変哲もないダービー」~2025.4.9 J1 第5節 川崎フロンターレ×横浜F・マリノス プレビュー

目次

Fixture

明治安田 J1リーグ 第5節
2025.4.9
川崎フロンターレ(6位/4勝3分1敗/勝ち点15/得点14/失点5)
×
横浜F・マリノス(19位/1勝4分3敗/勝ち点7/得点4/失点6)
@Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

戦績

近年の対戦成績

直近5年間の対戦で川崎は5勝、横浜FMの3勝、引き分けが2つ。

川崎ホームでの戦績

過去10戦で川崎の6勝、横浜FMの3勝、引き分けが1つ。

Head-to-head

Head-to-head
  • 直近4試合でホームチームが勝利していないカード。
  • 昨年も4月のミッドウィークに開催されたカード。日産での試合はスコアレスドロー
  • 川崎ホームにおいて横浜FMは2連勝中。
  • しかし、ホームの神奈川ダービーでは川崎は横浜FM相手に9試合連続得点中。

スカッド情報

川崎フロンターレ
  • イ・クンヒョンは左膝離断性骨軟骨炎及び左膝内側半月板損傷で長期離脱中。
  • 小林悠は左肩鎖関節脱臼で離脱。
  • 橘田健人、ジェジエウは町田戦で負傷交代。
横浜F・マリノス
  • 前節欠場したアンデルソン・ロペス、ヤン・マテウスは復帰の見込み。
  • 脳震盪プログラムを適応する喜田拓也は欠場。
  • 木村卓斗、ポープ・ウィリアム、埜口怜乃は長期離脱中。

予想スタメン

Match facts

川崎フロンターレ
  • 勝てば昨年9月以来のホームのリーグ戦連勝。
  • 岡山、広島に並びリーグ最小失点。
  • リーグ戦において後半に12得点を挙げておりリーグ最多。
  • しかしながら、前半にここまで2得点のみでこれより少ないのは横浜FCだけ。
  • ここまでリーグ戦では9人の選手が得点を挙げておりリーグ最多。
  • エリソンの今季のリーグ戦での3つの得点は全てアウェイで上げたもの。
横浜F・マリノス
  • 今季ここまで4得点はリーグ最少。
  • リーグ戦での4つの得点は全てホームで挙げており、アウェイでは今季3試合で得点を挙げておらず全敗。
  • リーグ戦では285分間無得点が継続している。
  • 失点は6でこれより少ないのは広島、岡山、川崎だけ。
  • 神奈川ダービーは直近6試合無敗(W2,D4)。
  • アンデルソン・ロペスは出場したリーグ戦6試合連続でノーゴール。
    • 6試合連続ノーゴールは2022年9月以来でこの時は7試合目の湘南戦で得点を決めた。

予習

第7節 岡山戦

第8節 名古屋戦

準備中

第9節 東京V戦

準備中

展望

やりたいことはやらせたくないこと

 他のJ1クラブがルヴァンカップに勤しんでいる中で、サウジアラビア行きを決めている両チームはリーグ戦の連戦に挑む。神奈川ダービーは昨年に続き今年も4月にミッドウィーク開催で行われることとなった。

 とはいえ、チームの調子は対照的だ。上位につけている川崎はこの試合に勝てば週末の開催を首位で迎えることとなる。その一方で横浜FMは現状では19位。仮に2点差で敗れることがあれば最下位に転落することになる。

 内容的にも横浜FMは確かに苦しい試合が多い。ここまでリーグ戦では4得点とワースト。この得点数に違わず、チャンスメイクはかなり厳しいことになっている。

 ここ3試合はいずれも4バックで戦っている横浜FM。GKも絡めたビルドアップを後方から行っていく意識は高い。CH、2列目、前線はいずれも降りるアクションが中心。そのため、ボール保持はどんどんと背後に重心が重たくなっていく。

 背後に人数をかけている割には誰に前を向かせるための仕組みも特にないのが気になるところ。特に2列目より前のアタッカーは基本的にボールを受けた時に自分が前を向こうとする意識が強く、難易度が高いチャレンジに繰り返し挑みすぎなように思う。

 そのため、攻撃はかなりぶつ切り。縦にパスをつける→受けた選手が前を向こうとする→難しいから自陣方向にコントロールしながらなんとかキープする→味方に預ける→縦にパスをつける→繰り返しという流れがとても多い。繰り返せる分にはまだよくて、実際には縦パスを受けた選手がそのままロストをするケースも多いくらいだ。

 バックラインのプレス耐性も高くはなく、蹴る選択肢を選ぶ頻度は高い。特にキニョーネスはこの傾向が強い。

 今のところ、横浜FMの攻撃はライン間で縦パスを受けた選手が前を向けて加速できたケースが多い。ただ、一般論として「中央のライン間で相手に前を向かせない」ということは守備側が真っ先に咎める要素である。それを縦パス一本で、受けた選手が前を向くのは非常に難しい。だから、今の横浜FMはチャンスメイクに苦労しているのだと思う。

 そりゃ、そこで前を向くのは一番いい。でもそれは相手もわかっている。なので簡単にはやらせない。多くのチームはそのためにいろんな策を講じる。例えば、ポストプレーとかSBが絞りますよとか。でも横浜FMにはそれがない。前を向くのは受け手が自力でやる仕事。後方から縦パスを拾ってなんとかして前を向いて加速するというところが一任されている。だから、なかなかチャンスを作るのに苦労しているというのが横浜FMの現在地のように思う。

 押し込んだら押し込んだで高さがない中でシンプルなクロスに終始することが多く、この点では明らかにチームの特性とミスマッチを引き起こしている。とりあえずポケットを取るアクションもなくはないけども、とりあえずポケットを取るだけなので、東京Vのような5バックでガッチリ引く相手に対してはなかなか打開策を見出すことができない。最後のリーグ戦の得点を決めたG大阪戦の2得点はいずれもファストブレイクが基調となっている。

 守備においてもなかなか手応えがないのが辛いところ。もっとも、直近で戦っている3チームはいずれも3バックなので高い位置から捕まえる際に噛み合わないという事情はある。

 だが、前から捕まえにいく意識がある分、少しズレてしまうとかなり間延びしてしまう。特に4バックとそれより前の意識が乖離することが多く、DFとMFが分断してしまうケースが見られる。そして、少しズレることが多いので前からの守備でも捕まえきれず、守備からチャンスを作ることもできない。

 このように攻守の噛み合わせが悪いのは横浜FMの辛いところ。ここからどのようにチーム状態を上げていくのか、そしてサウジアラビアにどのように臨むのかが気になるところである。

ハイライン迎撃はコンディションと相談

 川崎はまずは横浜FMの攻撃の形を潰すことから考える必要がある。まずは長いボールを受ける前線の選手を加速させないこと。ライン間に降りるアクションをする前線や2列目に前を向かせないことが重要となる。

 この長いレンジの縦パスを咎めれてカウンターに出ていくことができればなお良い。そういう意味ではDFの出足の良し悪しが問われることになるだろう。DFはどの選手が先発をするかはコンディション次第だと思うが、丸山と車屋のコンビであれば、一歩出足が遅れると後方に穴を開けるケースもある。ボールを奪いにいくことは重要なのだけども、それよりも入れ替わられて加速されることは避けなければいけない。ここのせめぎ合いはポイントになる。

 ボールを奪う形をよくするには前からのプレスも重要だ。横浜FMのバックラインはプレス耐性が高くはない。困ったら蹴る傾向が強いのだけども、明らかに苦し紛れになってから中央に低めの弾道のボールを蹴り、このボールがカットされてカウンターになるケースがそれなりにある。前線の守備で蹴りそうなタイミングを誘発できれば、丸山や車屋のパスカットも狙いやすいかもしれない。

 いずれにしても横浜FMのロングボールが機能するかは試合を左右する部分になるだろう。イルギュのフィードも含めて一発で局面を変えるパスが通れば、横浜FMはシャープさを出せる。プレスをかけにいけばもちろんチャンスに転じることができると思うが、過密日程が続く中で体力が厳しいのであれば、川崎は前からプレスに行かず、ライン間を閉めて4-4-2でブロックを組み、横浜FMに保持で解決策を押し付ける考え方もある。アンデルソン・ロペスがいる分、東京V戦よりは怖さもあるが、その辺りはコンディションと相談だろう。

 保持においては先にも述べたように前後を分断する形を作れるかどうか。これまで横浜FMが対戦した相手は3バックであるが、川崎は4バック。前からプレスに行くとなった時に横浜FMは出て行きやすい部分はあるかもしれない。

 ここは中盤の舵取りが重要になるだろう。基本的には相手の守備は人基準なので、前から捕まえに行くアクションに迷いが出れば横浜FMのプレスにギャップが出る可能性もある。逆にCFへのロングボールを安易に選択してしまうと、キニョーネスはフィジカル十分なため、跳ね返されることも。安易に長いボールで逃げることは得策にはならないかもしれない。

 もう1つ狙い目なのはセットプレー。基本的にはマンツーでの守備なのだが、移動距離が長いと簡単にマークを外してしまう傾向がある選手が何人かいる。ここは狙い目。セットプレーから試合を動かせるチームは過密日程でも勝ち続けるチームのうちの要件だと思う。

 基本的にはこれまでの流れを考えれば横浜FMは川崎にとっては相性はいい相手だと思う。しかしながら、シーズンこれまでの流れを覆せるのがダービーマッチ。何があってもおかしくはない。そんなダービーをこれまでのシーズンの流れの通り、なんの変哲もない一戦に変えるのが川崎の求められるタスク。ライバルが流れを変えるための好機を潰し、テーブルのトップを狙って行きたい。

 

【参考】
transfermarkt(
https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(
https://soccer-db.net/)
Football LAB(
http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(
https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(
https://www.nikkansports.com/soccer/)

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