Fixture
明治安田 J1リーグ 第20節
2025.6.14
横浜FC(17位/5勝4分10敗/勝ち点19/得点13/失点20)
×
川崎フロンターレ(7位/7勝8分3敗/勝ち点29/得点30/失点19)
@ニッパツ三ツ沢球技場
戦績
近年の対戦成績

直近10回の対戦で横浜FCの1勝、川崎の9勝。
横浜FCホームでの戦績

直近10回の対戦で横浜FCの1勝、川崎の9勝。
Head-to-head
- 直近20試合における横浜FC戦で川崎は1敗のみ。
- 過去のリーグ戦25回の対戦において川崎が横浜FC相手に得点を獲れなかったことはない。
- しかし、直近の横浜FCとのアウェイゲームでは横浜FCが勝利。井上潮音と山下諒也のゴールの2-1で川崎を下している。
- 横浜FCが川崎にリーグ戦で勝利した過去2試合はいずれも2-1での勝利。
スカッド情報
- ジョアン・パウロは負傷のため一時帰国中。
- イ・クンヒョンは長期離脱中。
- エリソンは右膝内側側副靱帯損傷で離脱。
- ジェジエウは部分合流。
予想スタメン

Match facts
- 直近5試合で勝利は1試合だけ。
- しかし、ホームの公式戦においては4試合負けがない。
- 先制された試合における逆転勝利がない。
- リーグで挙げた5つの勝利はいずれもクリーンシート。
- 鈴木武蔵は直近2試合のホームでの公式戦でいずれも得点を決めている。
- 福森晃斗はルヴァンカップのC大阪戦の2nd legにおいて1試合で3アシストを記録。
- リーグ戦5試合連続負けなし。全試合で複数得点を記録。
- 勝てば2024年8月以来のリーグ戦のアウェイゲーム連勝。
- 30得点は京都とC大阪と並びリーグ最多。
- ビハインドから得た勝ち点は11。柏と並んでリーグ最多。
- セットプレーからの得点が10でこちらもリーグ最多。
- 広島戦での勝利でマルシーニョが得点したリーグ戦は4試合目にして2025年はじめての勝利となった。
予習
第17節 湘南戦

第18節 柏戦
準備中
第19節 浦和戦
準備中
展望
リスクヘッジしつつ狙う勝ち筋
J1リーグは今節から後半戦のスタート。川崎は新潟との対戦は未消化となるが、全体としてはここから二回り目のカードの突入ということになる。後半最初のアウェイゲームはニッパツから。まずは近場の遠征から幕が上がることとなる。
横浜FCは現在の順位は17位。勝ち点のペースはちょうど1試合に1ずつを積み上げている格好で残留という目標を達成する上ではボーダーといったところだろうか。スタッツ的には失点数の20こそ神戸や川崎と同じ水準だが、13得点はリーグ最下位。上のMatch factsでも取り上げたが勝利の試合はクリーンシートしかなく、勝ちスコアの方向性は非常にはっきりしている。
前回対戦と同じく横浜FCの守備は5-4-1。トップは不用意に前からプレスに行かず、コンパクトな守備で相手の中盤のキーマンを閉じ込めることを意識する。ルキアンが「出ていくな!」というハンドサインを送っていたのがとても印象に残っている。
サイドにボールがある時は圧力の掛け方が一変。ホルダーに寄せつつ周囲の選手も連動。マンツー気味に相手を捕まえにいく形を取る。おそらくはここのサイドの守備が相手に対しての狩りどころとチームとして捉えているのだろう。高い位置でボールを奪い、前向きのベクトルで出ていくことが理想ということになる。ワイドのCBの迎撃は印象的で伊藤槙人の突撃はショートカウンターの得点につながったりもしている。
基本的にはコンパクトネスを維持し、その上で前への出力を出せるようなハイプレスを行っていくチームだ。ボールを相手に持たれる時間が多い中で規律を持った守備とその守備を攻撃に繋げる方法を探っている。
保持においては前回以上にロングボールが多くなっている傾向。前に戦った時はつなぐ意識が高かった中で市川のキックスキルが少しリスキーな感があったので、その点を前線の空中戦の強さに任せる形でリスクヘッジを試みているのかもしれない。ターゲットマンとなるのは櫻川、ルキアンといったCFだけでなくSHの鈴木武蔵も。時折、WBもターゲットになるなど狙いは多彩である。
前回の川崎との対戦を振り返ると、前半は色々とロングボールの的を試した結果、後半に櫻川とアイダルのマッチアップに狙いを定めた感があった。様子を見ながら勝負できるポイントを絞っていたのかもしれない。
前線にボールが収まればそこからWB、CHの攻撃参加は非常に迫力がある。大外からの精度が高いクロスやララの突撃、駒井のカウンターでのスピードアップなど加速できる状況に置いて生きる武器はある。この形を作れるかどうかがポイントだろう。
ポゼッションからの左右の揺さぶりの頻度は減った一方で、山田のCH起用など中盤より前の選手の組み替えで展開力を探っていく試みも続いている。この辺りは勝負の後半戦に向けた再構築を行っている最中という形だろう。
フォーメーション的に噛み合わない相手との対戦なので、広島戦のようにサイドのズレに対して先手を打った対応ができるかどうかはまずは問われることとなる。大外で高い位置をとるWBへのケアで後手に回らないか。ビルドアップ時のスライドや、サイドのパスワークにおけるローテーションでは注意が必要だろう。
前線のルキアン、鈴木は中央だけでなく相手のサイドプレイヤーにつっかけながらロングボールを上げていく。横浜FCはロングボールの頻度が上がった分、自陣でのビルドアップミスからのピンチは減った印象で、その分前線のデュエルに全てがかかっている。川崎は代表帰りと高井と丸山がスターターとして復帰するだろうが、福島戦では支配的と言えなかったハイボール迎撃で主導権を握れるか、そして中盤がセカンドボール争いで勝てるかが問われることになるだろう。
保持においてはビルドアップで相手の陣形を引き伸ばすことができるかがまずはポイントとなる。時折、横浜FCは中盤が味方を追い越すような過度に前がかりな単騎プレスを仕掛けてくることがある。これは狙い目。長い距離を走ってくるプレスは交わしやすいので、こうした場面があれば迷わず穴が空いているであろうインサイドにつける準備を怠らないようにしたい。
アタッキングサードにおいては圧縮されたサイドの裏をどのように覗くか。サイドに相手を引き寄せて横浜FCのプレスを誘発した後に、その裏を狙う経路を作りたい。裏を狙いやすいのはマルシーニョと三浦が位置する左サイドだろう。マルシーニョか三浦が幅をとりつつ、取らなかった方が裏を狙う形を目指したい。

中盤は山本がフリーになって出し手としての役割を果たせるのが理想。そのために上の図のように丸山がシャドーを惹きつけたり、脇坂がCHのマークを請け負ったりできればいい形が期待できる。
右サイドは家長がきっちりと高い位置に張る役割をこなせるか。保持が多い試合では出張が目立つ家長だが、この試合では立ち位置を守った方が展開的にはいい気がする。高い位置に彼が陣取ることができれば、そもそも横浜FCはコンパクトに陣形を維持するのが難しくなる。右の外でロングボールのターゲットになるのもありなので、張って攻撃の役割を果たしたい。
前からの守備を誘導できない、押し込まれると横浜FCには強力なセットプレーのキッカーもいる。整理ができないまま入って押し込まれることは福島戦でも前回の横浜FC戦における反省点でもある。天皇杯での物足りないパフォーマンスを払拭するためにもまずは横浜FCに押し込まれる機会を与えない立ち上がりにしたい。
【参考】
transfermarkt(https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(https://soccer-db.net/)
Football LAB(http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(https://www.nikkansports.com/soccer/)