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「中盤と展開のマッチ度」~2025.4.6 J1 第9節 FC町田ゼルビア×川崎フロンターレ プレビュー

目次

Fixture

明治安田 J1リーグ 第8節
2025.4.6
FC町田ゼルビア(2位/5勝1分2敗/勝ち点16/得点10/失点6)
×
川崎フロンターレ(3位/4勝2分1敗/勝ち点14/得点12/失点3)
@町田GIONスタジアム

戦績

近年の対戦成績

過去の対戦で町田の1勝、川崎の1勝。

スカッド情報

FC町田ゼルビア
  • 主だった負傷者はないが、前寛之は前節負傷交代。
川崎フロンターレ
  • イ・クンヒョンは左膝離断性骨軟骨炎及び左膝内側半月板損傷で長期離脱中。
  • 小林悠は左肩鎖関節脱臼で離脱。
  • 車屋紳太郎はフルトレーニング合流。

予想スタメン

Match facts

FC町田ゼルビア
  • リーグ戦5試合負けなし。
  • 今季敗れた2つの試合はいずれもホームゲーム。
  • リーグ戦は8試合中得点をとったのは7試合。
    • 全て先制点を決めている。
  • リーグで勝利した5試合はいずれも現状のテーブルのボトムハーム相手に決めたもの。
    • トップハーフの福岡、広島には勝てていない。
  • ホームで挙げた得点はここまで3試合で2得点。アウェイでは5試合で8得点。
  • オ・セフンは出場したリーグ戦10試合で得点がない。
川崎フロンターレ
  • 公式戦4試合連続クリーンシート。
    • 374分無失点を継続中。
  • 失点3はリーグ最少。
  • 勝てば昨年8月以来のアウェイでのリーグ戦連勝。
  • 今季の公式戦の得点のうち82%が後半に決めたもの。
  • 途中交代の選手が6得点。リーグ最多。
  • リーグにおいて山田新の2得点はいずれも先発した試合において。エリソンの2得点はいずれも途中交代から。

予習

第6節 新潟戦

第7節 福岡戦

第8節 G大阪戦

展望

2つのロングボールを駆使して強度を押し出す

 炎のリーグ7連戦は連勝スタート。順位も3位まで上げた川崎。リーグ上位が視野に入った立場で迎えるのは町田戦。2位につける相手チームとの一戦は注目度抜群の大一番となるだろう。

 今季の町田に関してはあまりつかみどころがないなというのが正直な感想だ。トランジッションを中心とした強度が一番の武器なのは間違いない。なるべく高い位置で相手を捕まえに行くことで波状攻撃を行いつつ、敵陣に多くの人数をかけながらボックスを攻略していくのが得意パターン。相手がショートパスにこだわっていた新潟戦などはこの形の連打で圧力を浴びせ続けて押し切ったイメージである。

 ただ、ハイプレス一辺倒というわけではない。直近のG大阪戦では無理に前に枚数を合わせにいくプレッシングは控えめだった。おそらくこれはトップ下に宇佐美+2トップという4-3-1-2に対応するため後ろを余らせたいという判断だろう。G大阪のロングボールのターゲットになる2トップ相手には余らせて受けたいし、いざという時には宇佐美の撃退にも出ていく必要があるため前からはいくのは抑えるという優先。逆に言えば、そうした心配のない新潟のような相手には思い切り前から当たることができるということだろう。

 前から捕まえにいけない時はきっちりとリトリートするのが町田。最終ラインに多くの人数を並べることで自陣をきっちりプロテクトする。高さがあるのでボックス内にシンプルにボールを上げられる形ではなかなか得点するのは難しいだろう。

 保持においては蹴っ飛ばすボールが多いのは確かなのだけども、自陣でGKを絡めてフリーマンを作る前段階のパスワークは行っている。話題の谷のキックミスもGKを絡めたビルドアップを少なからず行っている裏返しでもある。

 フリーマンができればそこから長いボールを前線に当てる。長いボールは大きく分けて2種類。左のハーフスペース付近に引きながら流れるオ・セフンをターゲットにする場合が1つ。もう1つは裏への走り込む動きと合わせて相手のバックラインの背後にボールをつけにいく。

 裏への走り込みに合わせるロングボールは守備側が処理をしにくいのが特徴。中盤の押し上げからセカンドボールを回収し、波状攻撃に出ていくというのが町田の算段だろう。この点でも強みとなるトランジッションは活用されている。

 押し込んだ際には人数をかけたサイド攻撃から崩すチャンスを伺っていく。3枚の位置交換から抜け出す選手をパスワークで作っていくなど、押し込んだ場合でも敵陣にいい形で迫るためのアクションは模索している格好だ。

 西村、相馬という2人のアタッカーはとてもうざったい。特に西村はどこにでも顔を出すバイタリティがあり、ロングボールのセカンド回収やサイド攻撃のサポートなど、相手の薄いところに自在に顔を出しながら推進力を出しているイメージ。横浜FM時代にも困らされたこの選手をどう抑えるかが重要なポイントになるだろう。

中盤のユニットの強みで隙を突く

 町田にも川崎にも言える話なのだが、水曜日の試合の入れ替えはそこまで多くはなかった。町田は2人、川崎は3人をスターターでは入れ替え。3連戦目の起用は避けるのか?それとも上位対決ということでここまで引っ張るのか?そこの用兵の部分は注目になるだろう。

 町田に関しては前線のキャラクターが特に攻撃の仕組みの軸になっている感があるので、ここを入れ替えれば少し色が変わる可能性がある。セフンを軸にしたロングセカンドの回収は多分このユニットが一番相手に脅威を与えられるように思える。

 川崎の人選で悩ましいのは個人的には中盤。個性が異なる4人のレギュラー候補をどのように並べるかは非常に大事なポイントだ。

 そのためにはまずは町田の出方を考えたい。川崎はG大阪のように2トップがロングボールのターゲットになるわけではないので、おそらく町田は前節よりは高い位置から積極的に潰しに来るのではないかと考える。ただし、川崎は4バックであり町田の3-4-2-1では普通にやると前線からの噛み合わせはよろしくはない。

 ここまでの試合を見る限り、町田がハイプレスをかけるときは中盤を守備基準に構える前線がDFラインに追い出しを始めるところをスイッチとするパターンが多い。このハイプレス移行時にはライン間にスペースが開くことが少なくはない。大島のような狭いスペースでも展開できる中盤がいればこのギャップはつくことができる可能性がある。

 逆にハイプレスに捕まってしまい、パスコースを絞られてしまうと自陣からボールを出せない展開になってもおかしくはない。湘南戦では良かった河原と橘田のユニットだが、悪い流れにおいては強引な縦パスからエラーを引き起こすパターンもあるだろう。その心配は大島や山本の方が少ない。

 長谷部監督は大島-山本ユニットを採用した多摩川クラシコで「このユニットの良さがあまり出せなかった」と述べている。保持面でこの2人を並べることに再トライする意義がこの試合であるとしたら、前プレに来る町田のギャップをつくことが1つだろう。押し込んだら押し込んだでタクトを振う時間が増えて勝負をかけられるのも大島-山本ユニットの魅力でもある。

 ただ、非保持からでも町田相手にはテンポを掴むことができる可能性がある。町田のビルドアップはあまり時間を前に送るのが得意ではなく、前線で人が捕まっているところにボールを預けたり(ex:左に流れるセフンへのロングボール)、あるいは前線のマークを外す動きに頼る部分(ex:動き出しに合わせて背後に蹴るロングボール)が大きい。

 そういうこともあって、福岡戦では中盤につける強引につける流れからあっさりと跳ね返されることも少なくなかった。この試合で同じように誘導するには川崎はまず町田の2つのロングボールがあまり効果的ではないという風に持っていく必要がある。いわゆる強度ゲーで負けないこと。その上で中盤への繋ぎの必要性を浮き彫りにしたところでパスカットで回収をするという少し長めの時間軸で見たプランが求められるだろう。ジリジリとした流れに我慢できず、西村や相馬がギャップができる前に自分で降りて受けようとしたらボールの奪いどころになりえる。

 そこを踏まえると河原-橘田が湘南戦で見せた可動範囲の広さも魅力的。どこを優先してどちらのユニットを使うのか、あるいはミックスするのかも気にはなる。誰が出ても実力は十分なだけに、重要なのは選択したユニットに沿った意義ある戦い方を見せられるかどうか。

 先にも述べたように大島-山本のクラシコはこのユニットを使う意義を前面に押し出すことができなかった。個々人のパフォーマンスが悪くなかったわけではないため、もう一度このユニットをテストはしてもいいとは思うが、町田はFC東京よりもロングボールを絡めた戦い方でこのユニットの弱みをついて主導権を握ることができるチーム。同じ顛末になればダメージはより大きくなる相手だと思う。

 もちろん、保持のところで主導権を相手のギャップをつくことができればそのデメリットは帳消しになる。長谷部監督がどのような選択をするのか、そしてそのユニットに見合った戦い方に持ち込めるかが非常に楽しみな部分。中盤の人選と展開のミスマッチが少なければ川崎の勝利は近づくだろう。

 

【参考】
transfermarkt(
https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(
https://soccer-db.net/)
Football LAB(
http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(
https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(
https://www.nikkansports.com/soccer/)

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