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タレントの力を存分に発揮したパリ
新フォーマット特有の現象の1つは同国対決が比較的早い段階で組まれる可能性があること。解禁となるプレーオフで唯一の同国対決となったのはブレストとパリ・サンジェルマンのカードだ。
ボールを持つのはパリ。まずはロングボールでのスタートとなったが、試合が落ち着いていくとゆったりとポゼッションをしていく。
ブレストは4-3-1-2のフォーメーション。中央を固める形で埋めつつ、ゾーンの合間に入ってくる人を捕まえることで 防衛する。3センターの背後は意地でもとらせないというのがこの日の彼らのプランのようだ。必ずしも後ろに重心というわけではなく、機を見ればドンナルンマにもハイプレスに出ていく姿勢も見えていた。
流れとしてはパリが一方的に押し込む形。ブレストは左右に流れる2トップから陣地回復を図りたいところではあるが、なかなか起点を作ることができない。
すると、押し込む故の利でパリは先制点をゲット。デンベレのシュートがレース・メルのハンドを誘発しPKを獲得。リードを奪う。
以降もパリは押し込むブロックに対して有効打を打てていた感がある。オフザボールで抜け出すデンベレ、サイドのバルコラもミドルを放つなど、外からぶっ壊すためのスキルをそれなりに備えていた。
ブレストは30分までは流れをつかめないままではあったが、33分のシマの抜け出しからチャンスを掴むと一気に押し込む時間帯を作っていく。プレスで流れを取り戻したいパリだが、逆にブレストが食いついてくる相手を利用して背後を取るなど完全にこの時間帯はペースを引き寄せる。
しかし、オープンな展開を終わらせたのはデンベレ。まさしく一振りでスコアを動かしたエースの貫禄でパリに追加点をもたらす。
ビハインドととなったブレストは後半ハイプレスから流れを取り戻しにいく。保持でも大外から裏を取り、またしてもシマは決定機を迎えるが試合を動かすことはできず。
逆にひっくり返して勝負をかけるパリ。カウンターでの速攻が光る。1回目のドゥエがネットを揺らしたシーンはオフサイドとなったが、66分にデンベレが速攻を完結させてリードをさらに広げる。
このゴールで試合はほぼ決着。一方的にボールを持つことで試合を落ち着かせたパリが試合を先導。2ndレグに大きなアドバンテージを持ち帰ることに成功した。
ひとこと
ブレストも悪くはなかったけど、試合を決めるタレントの力の有無で決着がつくのがCLでもある。
試合結果
2025.2.11
UEFAチャンピオンズリーグ
プレーオフ 1st leg
ブレスト 0-3 パリ・サンジェルマン
スタッド・ムニシパル・ドゥ・ルドゥル
【得点者】
PSG:21‘(PK) ヴィチーニャ, 45‘ 66’ デンベレ
主審:イルファン・ペリト