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またしても空振りの勝ちパターン
プレーオフ屈指の好カード。CLでは4年連続の激突となり、勝者はそのままチャンピオンに輝いている。例年よりは両軍ともに苦しんでいる感があるものの近年のCLを牽引してきた両軍による激突であることは間違いない。
プレスに出ていくのはマドリー。シティは自陣で繋ぎつつ背後のハーランドをちらつかせることでボールを動かしていく。この日のシティは両SBがともに絞ることで2-3型の保持。逆に浮きやすい大外レーンではグリーリッシュが縦に動き回りながらレシーバーとなる。
大外で縦に揺さぶるシティに対して、マドリーは裏抜け一発勝負。エンバペとヴィニシウスのスピードを生かした一撃を狙い、背後を取りにいく。序盤はシティにもたれる展開となったが、中盤での早いボール奪取から縦に速い攻撃で徐々にマドリーが主導権を取り戻す。縦に速い展開ではなかったが、ロドリゴのチャンスメイクからメンディが迎えた決定機は両軍通して初めてのクリーンなチャンスだった。
しかし、先制点を決めたのはシティ。この試合でポイントになっていた左サイドの列移動が先制点の呼び水に。大外から降りて受けたグリーリッシュがインサイドのグバルディオルと連携しながら前に出ていくと、最後はハーランドがゴールをゲットする。
以降も両サイドから攻撃を構築するシティ。右はサヴィーニョを追い越すように飛び出すデ・ブライネからのクロスがチャンスメイクのきっかけになっていた。
シティが押し込む時間が増える前半の終盤。マドリーは一発を狙うことはできていた一方で守備での狙いどころが定まらず、苦しい展開。シティは左右のサイドからのライブブレイクとセットプレーで優勢に試合を進める。
後半もシティはハイプレスからチャンスメイク。グリーリッシュがいなくなってしまった分、ベルナルドの裁量を増やしボールを繋ぎながらゴールに向かう。
マドリーは左右のサイドの裏からのスピード勝負。50分過ぎから押し込んで主導権を握ると、FKのこぼれをセバージョすが抜け出したエンバペに届けて同点に。
ここから展開はマドリーが優位。まったりとしたポゼッションをしたいシティに対して、中盤でのボール奪取からカウンターで優位に。バルベルデが大外で攻撃に参加するなど前半以上に存在感を見せるように。
やや劣勢のシティだったが、フォーデンの突撃がPKを奪取。このPKをハーランドが仕留めてリードを奪う。
本来のシティならこの時間のリードは勝ちパターン。後方のビルドアップで時間を潰しつつリードを守るのが必勝の流れである。だが、今季のシティはここで粘りきれず。エデルソンのパスミスからマドリーにチャンスを与えると、交代で入ったブラヒム・ディアスが同点ゴールを決める。
さらに勢いに乗ったマドリーはさらに追加点。左サイドからの入れ替わりでファストブレイクに成功すると、最後に押し込んだのはベリンガム。同点ゴールの流れに乗ったマドリーが一気に逆転となった。
必勝パターンがまたしても通用しなかったシティ。宿敵との一戦はホームで痛恨の敗戦を喫することとなった。
ひとこと
勝ちパターンに入っても勝てないのが今のシティの辛いところ。
試合結果
2025.2.11
UEFAチャンピオンズリーグ
プレーオフ 1st leg
マンチェスター・シティ 2-3 レアル・マドリー
シティ・オブ・マンチェスター・スタジアム
【得点者】
Man City:19‘ 80‘(PK) ハーランド
RMA:60’ エンバペ, 86’ ディアス, 90+2‘ ベリンガム
主審:クレマン・トゥルパン