Fixture
明治安田 J1リーグ 第15節
2025.6.25
川崎フロンターレ(8位/8勝8分4敗/勝ち点32/得点32/失点21)
×
アルビレックス新潟(18位/4勝7分9敗/勝ち点19/得点22/失点30)
@Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu
戦績
近年の対戦成績

直近10回の対戦で川崎は4勝、新潟は4勝、引き分けが2つ。
川崎ホームでの戦績

過去10戦で川崎の7勝、新潟の3勝。
Head-to-head
- 直近7試合の新潟との公式戦で川崎はPK戦の勝利をのぞいて1勝のみ(D2,L4)
- 川崎は直近5試合の公式戦の新潟戦のうち、4試合で複数失点を喫している。
- 水曜のリーグ戦の対戦では2016年と2017年で川崎が2連勝中。
- 川崎はホームの直近17試合の公式戦の新潟戦で14勝。
- しかし、直近3試合では2敗を喫している。
スカッド情報
- イ・クンヒョンは長期離脱中。
- エリソンは部分合流。
- 前節欠場した三浦颯太とファン・ウェルメスケルケン・際はフルトレーニングを消化。
- 高井幸大には海外移籍の報道あり。
- 稲村隼翔には海外移籍の報道あり。
予想スタメン

Match facts
- 公式戦の無敗は7でストップ。
- リーグ戦の連敗となれば長谷部監督就任以降初めてのこと。
- ホームでのリーグ戦は直近3試合勝ちがなく、いずれも複数失点。
- リードから落とした勝ち点は16でリーグで2番目に多い。
- 山田新は直近14試合のリーグ戦でゴールがない。
- マルシーニョは直近5試合のリーグ戦で3得点。
- 直近5試合の公式戦はホームでは勝利、アウェイでは敗戦。
- ただし、トップハーフ相手に挙げた勝利はいずれもアウェイゲーム。
- 直近3人の新指揮官の初陣は負けなし(W1,D2)
- リードから落とした勝ち点は18でリーグ最多。
- 30失点はFC東京と並びシーズン最多。
- 太田修介は川崎戦通算4得点。53分に1回ゴールを決めている。
予習
第19節 名古屋戦

第20節 横浜FM戦

第21節 福岡戦
準備中
展望
とりあえず予習したことを書いていきますね
ただでさえ、ミッドウィークの延期分消化というイレギュラーな要素がある上に、新潟の監督交代や主力選手の移籍報道で非常に展望が読みにくくなってしまった。特に監督交代の影響は非常に大きく、こういう大きな方針転換があると正直プレビューの意味は薄い。一応内部昇格なのでここ3試合で感じたことは全く無駄でないことを信じ、プレビューを書いていきたい。
新潟はここまで順位は18位。横浜ツインズの上に位置しており、上を見ればFC東京、湘南、東京Vと関東勢がズラリ。非常に苦しいシーズンとなっている。
樹森監督の実績面を考えればもっと我慢をすべきとか、新潟の監督選びの一貫性の観点で言えばこの解任が妥当かどうか?という議論はあるのかもしれないが、少なくとも内容面ではしんどさがあるのは確か。直近3試合の予習は新潟の今季の苦しさを感じる試合だった。
ボール保持はCBとCHが軸となる2-2型が基本。ここからCHのサリーで3-1に変形することが多い。左右に広がるCBが相手の1stプレスラインを超えやすい位置をとると、ドリブルから縦パスを刺し込んでいく形で前進。もちろん主役は稲村。彼がオープンでボールを運ぶことが新潟のビルドアップの最善手である。
しかしながら、相手にプレスをかけられてしまうと後方からの繋ぐ意識が仇になるケースも。広がるCBのところでリリースができないような圧力がかかると、一気に袋小路に閉じ込められることも少なくない。特に稲村がいる左サイドは自陣のコーナーフラッグ付近に追い込まれてしまい、ボールを奪われてしまう頻度は高い。CHが降りるアクションで助けにくることもあるが、CHもろとも潰されて共倒れのケースもある。
失点は自陣でのプレスを引っ掛けられるところがトリガーになってしまう形が多い。唯一勝利した横浜FM戦では相手の前線にそうした馬力がなかったことが大きかった。
もちろん、ショートパスから逃げられるケースもあるが、プレスをひっくり返しての加速も物足りない。縦につけたパスからのレイオフの連動性はアルベルや松橋監督自体に比べると落ちていて、浮いたスペースを素早く攻略する頻度は減っている。
中央の密集を攻略するよりはサイドの起点を作りながらのクロスの方が得点のパターンを感じる。LSHの奥村は縦横無尽に動きながらライン間や裏にパスを引き出しており、少ない手数で前進するためのキーマンとなっている。奥村が降りるアクションをすれば、トップの谷口が左に流れて背後を取るなど奥行きを使った連動も見られる。
逆に右サイドはSHがきっちりと大外を取るアクションで幅を取る。そのため、SBの藤原は左に比べれば低い位置でのビルドアップの寄与は大きい。川崎としてはトラウマ枠となるのは太田だろうが、プレータイムが長いのはダニーロ・ゴメス。右サイドでタメを作り、1on1ができるドリブラーは一度加速すると息をつかないケースが多い新潟の速攻においてリズムを整えることができる選手。長いレンジでのシュートも持っており、警戒を高めたい選手だ。
守備は4-4-2で構える形がメイン。前線は前からのプレスの意識は低くはないが、連動は甘く間延びしてしまうことも多々。かといって前からのプレスをかけることができないと、プレスの雲行きが見えず、ライン間にパスを通されては受け手が自分で前を向くというケースが頻発するなどあちらが立てばこちらが立たずという感じ。
ここに関してはおそらく保持で機会を減らす形で防衛するというのが理想系なのだろうが、従来よりも連携の甘い縦パスからの中央攻略と精度の低い裏へのボールでそうもいっていないというのが新潟の現在地である。監督交代でこのジレンマをどのように解消するかが今後の課題になるだろう。
まずはこの3試合をどう凌ぐか
自陣からのビルドアップは安定してきたし、新潟のように間延びしていたり、あるいは1か所はパスの出しどころがある前からの守備をしてくるチームにはここ最近の川崎のクオリティであればスムーズな前進が期待できる。しかしながら、それはあくまでCBに丸山と高井が揃っている試合という前提が成り立ってこそ。この部分が揺らいだ福島戦はかなり危うい綱渡りとなっている。
ひとまずは夏の移籍市場に突入できれば高井がいなくなったリカバリーを外から埋めることはできるかもしれないが、そこまでに試合は新潟戦を含めて3つある。鹿島が含まれていることを考えれば、この3試合で勝ち点を積みあげられなければ今季の優勝争いはその部分でゲームオーバーということになりかねない。
高井がいつまで試合に出るかはわからないが、移籍が基本合意していることを考えれば早期離脱となる可能性は否定できない。少なくとも鹿島戦までいる可能性は個人的には相当低いのではないかと考えている。もちろん、いてくれればラッキーではあるが。
というわけでまずは川崎はこの3試合を凌がなければいけない。相手のプレスの陣形を間延びさせて、中盤を浮かせて前進するとか、相手がCBまでプレスに来なくてフリーでボールを持てるケースは長短を織り交ぜながらのパスで相手の4-4-2を動かすとか、新潟をビルドアップで壊すための手段は高井がピッチにいれば非常に想像しやすいものばかりである。
神戸戦のように大きな展開で逆サイドのSHを外したり、あるいは自サイドのSHを引き付けてリリースしたりなど、4-4-2の陣形を維持できない状態のきっかけを作れれば川崎の前進はスムーズにいくはず。少なくとも週末までの新潟であれば、SHが剥がされた後の後方の連携は甘いので、初めのきっかけさえあれば中盤は前を向いて自在に進めるはずだ。
前線の裏狙い一発からもチャンスは期待できそう。マルシーニョ、山田といった相手と体をぶつけながら抜け出せるようなロングボールを出せればそのまま決定機につながる可能性もある。週末までの川崎であれば、ショートパスでも長いレンジのパスでも新潟を崩すきっかけは作れるはず。
保持においてはどこまで前方にスライドしてのプレスを仕掛ける余裕があるか。前線のプレスのスイッチに中盤が連動して前から潰す形は今の新潟には有効。そういう相手を前にローテで言えばスターターになってもおかしくない大島を使うのかは気になるところだ。
前からのプレスに関しても高井がいなければ抜けられた時のダメージは大きい。もっとも引いて受けても大きいのでどちらも一緒と取れるが。いずれにしても前からの守備の精度は鹿島戦までに上げていく必要があり、新潟相手にどこまで圧力を上げていけるかはバロメーターにもなりうる。
相手にも自分達にも週末とは事情が違う状況に立ち向かう必要がある試合。予測が難しい水曜日の決戦を制し、少しでも上位に近づきたいところだ。
【参考】
transfermarkt(https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(https://soccer-db.net/)
Football LAB(http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(https://www.nikkansports.com/soccer/)