
ジリっとした中で生まれた大きな2得点
序盤から試合はとにかくロングボールの応酬。全く試合は落ち着かず、蹴鞠のように両軍の陣内を行ったり来たりという流れだった。
そうした中で違いとなったのは前線の機動力。パトリッキや佐々木といった面々の抜け出すアクションが名古屋のDF陣を苦しめる。プレミアからやってきたロベルト・ジョーンズは開始早々の佐藤のファウルに早速イエローカードを出した。落ち着かない展開の中で抜け出す術を持っていた神戸が序盤はセットプレーからチャンスに近づく立ち上がりとなった。
名古屋はボール保持の時間を少しずつ増やしていく。だが、長いレンジのパスの不安定さやオフサイドを含む前線のオフザボールの引き出しの少なさで前進がなかなか決まらない。
むしろ、ファストブレイクの神戸の方が優勢な流れ。原にも警告が出るなど、名古屋が早い展開に呑まれる状況もしばしば。前半終了間際に右サイドから抜け出すアクションを見せたパトリッキがきっかけとなり神戸はオウンゴールを誘発。前半の終盤に先制ゴールを決める。
さらには立て続けでゴールを仕留めた神戸。セットプレーから前節と同じく宮代がゴールをゲット。畳み掛けの2発で神戸がリードを広げた状況でハーフタイムを迎える。
後半も早々にクロスとセットプレーからチャンスを作っていくのは神戸。リードしているチームが後半も優勢に試合を進める。名古屋はサイドに流れる山岸などロングボールを生かすための工夫を見せてはいたが、前進のフェーズに安定感がなく神戸の体の寄せに屈してボールをロスト。押し込む神戸があわやというシュートを増やしていく展開に。
そうした中でも意地を見せた名古屋。大きなサイドチェンジからの展開で右から左に神戸を揺さぶると、和泉のフリーランで生まれたスペースに入り込んだ原がゴール。名古屋が1点差に詰め寄る。
しかしながら、このゴールで大きな試合の流れは変わらず。押し込む盤面を整え直した神戸は安定した試合運びで名古屋の反撃をやり込める。
神戸は逃げ切りに成功。前半終盤の畳み掛けで得た貯金を元手に勝ち点3を手にした。
ひとこと
ジリっとした展開で手にした2得点はあまりにも大きすぎた。
試合結果
2025.6.15
J1リーグ
第20節
ヴィッセル神戸 2-1 名古屋グランパス
ノエビアスタジアム神戸
【得点者】
神戸:44′ 内田宅哉(OG), 45+2′ 宮代大聖
名古屋:57′ 原輝綺
主審:ロベルト・ジョーンズ