ファーで構えた高木の2発で清水が逃げ切り
立ち上がりから圧力をかけていたのは神戸。左右からクロスの雨を浴びせる形で清水のボックスの中に迫っていく。
ボックスを狙うために押し下げるきっかけになっていたのは右サイド。オーバーラップする酒井についていく形をとっているカピシャーバによって、清水の布陣は５バック気味に。カピシャーバが下がったスペースから神戸は砲台としてサイドの裏を狙っていきつつ押し下げられる展開を作っていく。
ただ、クロスを入れられまくる展開自体はある程度清水も織り込み済みなのだろう。LSBに対空性能に優れる高木を入れることでクロスに対応するための布陣を組んでいる。
しばらく耐えたところで今度は清水にポゼッションの番が移行した感がある。神戸は扇原が壁となって中盤の門番を務めていた。扇原はボールにアプローチできている状況ではそのあとに出てくるパスの精度が高いことも込みで神戸にとってはいいのだが、影響力を与える範囲の広さで勝負するタイプではないので、清水は縦パスを差し込むスペースがないわけではなかった。
10分を過ぎたところから押し下げるきっかけを取り戻した清水はサイド攻略から先制点をゲット。二次攻撃で左サイド裏にブエノがパスを通すと乾の角度のないところからの突破で北川がゴールを仕留めて試合を先に動かす。
以降も押し下げたところからの回収が機能した清水はセットプレーから追加点。ファーにフリーで余っている高木に合わせてリードを広げる。
神戸は扇原起点でトランジッションが成立する場合は有効打を放つことが出来ていた一方で、そうでない場合には攻撃が抜けてしまうという問題点もあった。清水も清水で速いテンポにおいては中盤のタックルがワンテンポ遅れたり、カピシャーバがスピードを落としてしまうサイドチェンジをしてしまったりなど、こちらも決め手に欠ける部分もあった。
後半もオープンな展開は継続。大迫に早めに当てる神戸とカピシャーバからの縦に速い攻撃を仕掛ける清水のアプローチで試合はスピードアップする。ネットを先に揺らしたのは清水。神戸はオフサイドの仕掛けがなんとか間に合ったが、タイミングとしては紙一重でやや綱渡り感は否めない。
しかし、セットプレーでスコアを動かしたのは神戸。走りこむ宮代をカピシャーバが話してしまったことで神戸は追撃弾をゲットする。
この失点で目が覚めたのか、清水は左右に揺さぶって押し下げていく展開に持っていく。大迫を下げてしまった神戸は終盤にやや陣地回復に苦しんでいる様子だった。
すると、再び清水はセットプレーの高木のゴールで追加点。試合を決めるゴールを手にする。神戸は終盤に再び宮代がゴールを決めるも反撃はそこまで。試合はセットプレーでの高木の2得点で清水が逃げ切り勝利を決めた。
ひとこと
神戸、ファー側のセットプレー対応が微妙だった。
試合結果
2025.5.25
J1リーグ
第18節
清水エスパルス 3-2 ヴィッセル神戸
IAIスタジアム日本平
【得点者】
清水:15′ 北川航也, 24′ 72′ 高木践
神戸:57′ 90+1′ 宮代大聖
主審:清水勇人
