
らしくないドつきあいをパレスが制する
3バックでスタートしたアストンビラだが、前からプレスをかけてこないパレスに対して、GKを絡めて4バックに変形することでボールを動かしていくスタート。パレスはいつも通りやや構える形から試合を始める。
珍しかったのはアストンビラの振る舞いだ。高い位置から捕まえにいくアクションはこのチームの普段のスタンスにはあまりないもの。噛み合わせがいいわけでもないパレスのバックラインに対して前から枚数をあせて捕まえにいく。
いつもと異なるアストンビラの振る舞いに、試合のテンションは少しずつ上昇。激しい中盤のデュエルの応酬というあまりこのカードらしくない展開に転がっていく。
そうした中で先にネットを揺らしたのはアストンビラ。カウンターを加速させるティーレマンスの縦パスをスイッチに裏抜けをしたラムジーが最後にシュートを決めたがこれはオフサイド。ピンチを凌いだパレスはセットプレーから正真正銘の先制点を奪い取る。ウォートンのクロスをファーで折り返したリチャーズ、最後はサールが仕留めてリードを奪う。
得点によりオープンな展開が誘発されることとなったこの試合。特にその恩恵を享受したのはパレス。エゼが加速装置となり、シュートチャンスは増加。得点前よりもさらにホルダーは自由な状態でシュートを打つことができていた。
劣勢のビラは40分過ぎにロジャーズがネットを揺らすが、こちらもラムジーの時と同じく崩しのキーになった抜け出しでオフサイドで取り消し。わずかなギャップでパレスは同点になることを回避する。
後半も先に攻め込んだのはホームのパレス。押し込んでシュート機会を作り、さらにはFKからもチャンスを迎える。しかし、ビラはGKのフィードからワトキンス→ロジャーズで抜け出す形から同点。ラインブレイクからの三度目の正直に成功し、試合は振り出しに戻る。
スコアが動いたのは同点ゴールから7分後。高い位置からチェックに行ったリチャーズからのボール奪取で最後はマテタがゴールを決める。
アストンビラは前節チームを作ったアセンシオとラッシュフォードの傭兵コンビを投入。だが、それでも流れは変わらず。違いを作り続けたのはパレス。WBの背後をとるアクションを続けることで押し下げると、最後はサールのボレーでリードをさらに引き離す。
最後のゴールを飾ったのはエンケティア。ついに生まれた移籍後初のリーグ戦のゴールは試合の結果を大きく左右するものではなかったが、多くのファンとチームメイトから祝われる素晴らしいゴールとなった。
思わぬゴールショーとなったセルハーストパーク。悪い時の守備の淡白さが大きなしっぺ返しとなってしまったビラだった。
ひとこと
ビラによくある悪い流れを延々と取り返せないパターンの試合だった。
試合結果
2025.2.25
プレミアリーグ 第27節
クリスタル・パレス 4-1 アストンビラ
セルハースト・パーク
【得点者】
CRY:29′ サール, 59′ マテタ, 71′ サール, 90+1′ エンケティア
AVL:52′ ロジャーズ
主審:サム・バロット