
もしものシナリオへの引き込み失敗
15位とアモリムになってからもなかなか反撃の機運が高まらないユナイテッド。それでも残留争いに首を突っ込んでいる感がないのは18位以下となる追っ手の状況が芳しくないからだろう。というわけでイプスウィッチにとってはユナイテッドを「もしや」のシナリオに引き込むために必要な勝利を奪い取るための一戦となる。
そんなイプスウィッチにプレゼントをしてしまったのがドルグ。バックパスの連携ミスから一気にフィロジーンがゴールを奪い取る。
追いかけるユナイテッドは左サイドからのバックドアで狙い撃ち。前節、トッテナムがソンで行ったようなことをガルナチョで行うということである。
サイドから押し込むルートを構築することに成功したユナイテッドはセットプレーで攻勢をかけていく。モーシーのオウンゴールで追いつくと、その4分後にはデ・リフトが上から叩き込んでリードを奪う。流れの中ではなかなか崩せない展開だったが、セットプレーが命綱となった。
だが、順調に流れそうな展開でまたしても苦しい状況を作り出してしまったのがドルク。一発退場から数的不利にチームを陥れてしまう。イプスウィッチはこの流れに乗じる形で前半終了間際にフィロジーンが同点ゴール。スコアはタイに、チームの数的には優位になる形で前半を締めくくる。
迎えたイプスウィッチは前線からプレスに。ユナイテッドに対して、数的優位を押し出す形で試合を作っていく。
しかし、苦しむユナイテッドを救ったのはまたしてもセットプレー。今度はマグワイアが叩き込み、この日3点目のセットプレーからのゴールを生み出す。
以降の試合はまったりとした展開に。イプスウィッチは押し込む状況を作るが、大きな展開からなかなかチャンスを迎えることができず。ユナイテッドがボールを持つ際にはまったりと前進を許してしまい、なかなか押し込むことを常態化させることができない。
状況を好転させられない理由はよく指摘しているジョーカー不足もあるだろう。10人が相手の状況でかつそれなりに攻めに来てくれる状況を生かすのであれば、後半途中にブーストをかけてくれるような控え選手の存在は欲しい。まさしくイプスウィッチに足りない部分である。
もうひと押しが足りないという懸念が数的優位で噴出したイプスウィッチ。10人相手のユナイテッドに決め手にかける敗戦を喫することとなった。
ひとこと
まぁ、数的優位で得点できないのもよくないが、セットプレーで3失点してしまうとなかなか勝てる試合はないと思う。
試合結果
2025.2.26
プレミアリーグ 第27節
マンチェスター・ユナイテッド 3-2 イプスウィッチ
オールド・トラフォード
【得点者】
Man Utd:22′ モーシー(OG), 26′ デ・リフト, 47′ マグワイア
IPS:4′ 45+2′ フィロジーン
主審:ダレン・イングランド