
事実上決着した残留争い
18位のイプスウィッチにとっては文字通り与えられた最後のチャンス。17位のウルブスをもう一度沼に引き込むためのシックスポインターという立ち位置の試合だ。
序盤からボールを持つのはイプスウィッチ。中央を横断し、ウルブスの守備が薄い逆サイドまで展開することで攻撃を仕掛けていく。ウルブスは守備の開始位置を完全に中盤に設定していたので、イプスウィッチにボールを持たれることは許容する格好だ。
ただし、ウルブスもボール持つ側に回ればイプスウィッチを脅かしていく。トランジッションの局面においてはイプスウィッチの攻撃から守備への4-2-3-1→5-4-1の可変の隙にできたギャップに入り込むことで前進のきっかけを作る。
より静的な局面においては動き回る2人のCHからチャンスメイク。ジョアン・ゴメスとアンドレの2人がややサイドに流れてエアポケットに入ることで縦パスを引き出していく。
どちらも保持に回ると持ち味が出せている展開の中で先制したのはイプスウィッチ。セットプレーの流れからファーサイドの折り返しをデラップ。非常に重要な試合を動かしたのはエース。大きな先制点でイプスウィッチが前に出る。
このゴールによって激しいデュエルがさらにヒートアップした熱い展開に。局面でのぶつかり合いが加速する。そうした中でよりチャンスを明確に作っていたのはウルブス。先制点直後にセットプレーからゴールを脅かすと、前半の終盤にはバックパスの処理をミスったことでやむなしと判断したパーマーのキャッチで間接FKで逃げるという形だった。
だが、このピンチを凌いだイプスウィッチ。なんとかリードでハーフタイムを迎える。
追いかけるウルブスは後半もポゼッションをベースにイプスウィッチをおい回していく。しかしながら、ボックス内を強襲する流れまで持っていくことができずにチャンスメイクに苦戦。一方のイプスウィッチもカウンターからはチャンスを作れずにいた。
試合を動かすためにウルブスは4バックにシフト。すると、ラーセンが左のハーフスペースの奥をとると、マイナスのパスを受けたサラビアがなんとか押し込んで追いつく。
あとのないイプスウィッチは4枚交代を敢行し、流れを引き寄せにかかる。だが、一度ウルブスに傾いた流れは引き戻せず。左右に揺さぶったところのクロスから最後はラーセンが仕留めてジエンド。
逆転勝ちは実質的な残留争いの決着を意味するもの。ウルブスがイプスウィッチの最後の足掻きを蹴落として、24-25シーズンの残留争いに事実上蹴りをつけた。
ひとこと
先制した時はあるか!?と思ったのだけども。
試合結果
2025.4.5
プレミアリーグ 第31節
イプスウィッチ 1-2 ウォルバーハンプトン
ポートマン・ロード
【得点者】
IPS:16′ デラップ
WOL:72′ サラビア, 84′ ラーセン
主審:ピーター・バンクス