
寝技に持ち込み痛み分け
ともに中位で問題なく過ごしている両チーム。ゆったりとした流れで入る序盤戦で押し込むことになったのはボーンマス。セカンド回収に加えて、後方からのSBの攻め上がりで前に枚数をかけていく。パレスの守備は無理にバックスを追い回すようなものではなかったため、ボーンマスの保持の時間が長くなることはすんなり受け入れられた印象。
しかしながら、ボックスに迫るもう一工夫までは序盤にたどり着くことができなかった。クライファートの復帰による左サイドの活性化、CHに起用されたスコットが1つ前に入り込む動きを見せるなど努力の跡は見えたが、それでもゴールチャンスには至らず。
一方のパレスはファストブレイクからの陣地回復がベース。エゼを主体としたカウンターは10分過ぎからちらほら見られるようになり、ボーンマスに押し込まれる展開が主ながらも反撃の武器をきっちりと備えて縦への鋭さを出していく流れとなった。
前半は基本的には一進一退。ボーンマスが押し込む機会の中でエヴァニウソンへのファークロスといった紙一重のものもあったりしつつ、カウンター対応から2人のCHにカードを出させたパレスも悪くはないなという感じだろう。
だが、HT直前にカードトラブルが起きたのはパレスの方。クライファートのカウンターを慌てて止めてしまったリチャーズが2枚目の警告で退場に。パレスは残りの45分を10人で戦うこととなった。
10人となったパレスは選手交代も含めて5-3-1へのシフトチェンジ。ただし、後半の序盤はどちらのチームもファウルが嵩む展開となり、あまり支配感がない流れとなった。
ボーンマスがボールを持つ展開になってもあまり相手が10人であることを生かすようなボールの動かし方ができていない。ミドルを打つ心意気があるのはわかるけども、じゃぁ今度はそれをフリに使うことができるか?というとそうでもない。
前進のフェーズでもアバウトなボールが先行し、相手のズレをつくようなショートパスでの組み立てもない。パレスは無理なく時計の針を進めることができているという状態だ。
終盤はさすがに押し込むフェーズが目立っていたボーンマスだが、パレスの受けはすでに慣れてしまった感があり、なかなか有効打を打つことができない。退場者を出したパレスの寝技に抵抗できなかったボーンマスは数的優位を活かせず、勝ち点は1止まりとなった。
ひとこと
後半のボーンマスの引き出しの少なさは気になるところ。
試合結果
2025.4.19
プレミアリーグ 第33節
クリスタル・パレス 0-0 ボーンマス
セルハースト・パーク
主審:サム・バロット