
最後の望みを首位が断ち切る
わずかに残された残留の可能性を次節に繋ぐためにはレスターはもう一つも勝ちを逃すことが許されない。そんなレスターに立ちはだかるのはよりにもよって優勝に向けてひた走るリバプール。リーグの一番上にいるチームを相手に可能性をつなぐためのチャレンジに挑む一戦だ。
レスターの立ち上がりのフィーリングは悪くなかった。サラーの背後をとることによって一気に前進するトーマスなど、ガッツリハイプレスにくるリバプールの逆を取ることはできていた。エル・カンヌスとトーマスの連携で左サイドから起点を作ると、そのまま縦に進む形と逆サイドに展開する形を併用しながら敵陣に迫る。大外のマヴィディディもブラッドリー相手に止まった状態からおいていく形を作ることもできていた。
しかしながら、リバプールはそのホットなサイドから反撃。右の大外のサラーを起点に中央へのパスを差し込みつつ、抜け出す形を作ってチャンスを迎える。レスターは保持時にRSBのリカルド・ペレイラがインサイドに入り込むことで3-2-5となっていたのだけども、非保持時のポジションがチグハグ。リカルド・ペレイラがRSBの正位置に戻っているのに、右に押し出される格好になっているンディディが右の大外を埋めたままなのでバイタルが不審なくらいスカスカになっている。
やや怪しいところがあるレスターの非保持に対して、リバプールは保持の時間を増やしながら対抗していく。だが、右サイドの攻めの精度が少し雑。サラー、グラフェンベルフの年間を通じて稼働してきた選手たちのトーンダウンが激しく、パスが繋がらない部分がだいぶ出てくる。こちらも決め手に欠いたままハーフタイムを迎えることとなった。
後半、先制攻撃を仕掛けるのはリバプール。左サイドのタメからファーへのクロスを使うことで先にチャンスを作りにいく。前半はやや精度不足が目立った右サイドも裏抜けの選手の利用がスムーズ、奥行きを使いながら前半以上にゴールに迫ることができていた。
レスターは陣地回復に苦しむ展開ではあったが、セットプレーの流れからネットを揺らすことに成功。だが、これはアリソンへのダカのコンタクトがファウルを取られてしまいノーゴール。コンタクト自体はソフトだっただけにレスターとしてはゴールを認めて欲しいところだったはずだ。
セットプレーの流れからのチャンスを活かしたのはリバプールの方。幾度かゴールを捉えるシュートをものにできなかったが、チャンスが終わったかと思われたタイミングで左サイドに立っていたアレクサンダー=アーノルドの左足がネットを揺らして先制。試合をついに動かす。
このリードを守ったリバプールが最小得点差で勝利。レスターは降格が正式に決まることとなった。
ひとこと
渋い試合だったがきっちり勝ったリバプール。アーセナルはこういう試合を増やしたいシーズンだったなぁ。
試合結果
2025.4.20
プレミアリーグ 第33節
レスター 0-1 リバプール
キング・パワー・スタジアム
【得点者】
LIV:76′ アレクサンダー=アーノルド
主審:スチュアート・アットウェル