
シャープさで見せつける格の違い
多少シーズンの入りが悪かろうとシーズン終盤にはリカバリーが成功しているウルブス。今季の序盤戦は昇格組とともに残留争いに巻き込まれるのでは?というフォームであったが、降格チームはすでに決定。ウルブスは15位まで浮上し、終わってみれば危なげないシーズンを示したと言えるだろう。今節の相手はその差を見せつけたレスターだ。
序盤から互いにゆったりとボールを持つ展開。ウルブスは3バックで相手のSHを釣りつつ、CHをサイドに浮かせることでその背後を狙っていく。流れるサイドは基本的には左。CHが抜けたところにクーニャが降りてくるなど、サイドに流れる選手を使う以外にも豊富なパターンから前進を狙う。
レスターは前節と同じく3-2-5ベースの組み方。右サイドの可変が大きめなのだが、効果がイマイチ見えてこないというのも前節と同じ。ジリっとウルブスがプレスを強めてくると抵抗が難しい展開となる。
ともに丁寧にズレを作っていきながらブロックを崩す作業に終始した前半。結果を出したのはやはり地力に勝るウルブス。左の大外に立ったアイト=ヌーリからのピンポイントのクロスをクーニャが沈めてネットを揺らす。
この時間帯以降、主導権はウルブスに。レスターは高い位置でボールを奪おうとプレスを強めるが、この動きはややウルブスの思いのツボ感。動いたところを逆に利用しながらスマートに前進する。
前半終了間際からHTまでで怪我人も含めて合計4人を入れ替えたレスター。ただし、仕組みとしては何かを変えたというわけではなく、あくまで3-2-5をベースとしたブロック崩しが中心ということになる。
後半の立ち上がりはエル・カンヌスなどライン間で前を向ければなんとかしてくれそうなアタッカーが前を向くことができるようになった。ジリジリと攻め筋を作っていくが、最後の1/3のところで味方同士の息が合わないことによるパスズレが見られたのが残念だった。
ウルブスはミドルブロックで我慢しつつカウンターに移行できれば理想。1回目のチャンスはラーセンが仕留めきれなかったが、数分後のカウンターでリベンジに成功。今度は見事に流し込んでリードを広げる。
レスターはヴァーディの巧みな裏抜けからPKのチャンスを得られるが、このPKを失敗。ジョゼ・サはヴァーディに釣られたミスを自ら取り返す格好だ。
迫られるピンチを凌いだウルブスはカウンターから追加点。猛ダッシュで前線のクーニャのタメにキャッチアップしたリカルド・ゴメスがダメ押しゴールを決める。
シーズンだけでなくこの試合でも格の違いを見せたウルブス。堂々3得点で勝ち点3を積み重ねた。
ひとこと
特にファストブレイクのシャープさが両チームの分かれ目になったように思う。
試合結果
2025.4.26
プレミアリーグ 第34節
ウォルバーハンプトン 3-0 レスター
モリニュー・スタジアム
【得点者】
WOL:33′ クーニャ, 56′ ラーセン, 85′ リカルド・ゴメス
主審:サム・バロット