サイド攻略に光明もPKで一転守勢に
共に国内での順位は低調。来季のCL出場に向けて唯一のルートと言えるELの優勝の道を進めるのはどちらか１チームである。
どちらも低い位置からショートパスで繋ぎたい意志を見せるスタート。ユナイテッドは3バックもしくはGKのオナナを含めて3枚の形でデ・リフトを1枚上げる形で中盤に組み込む。だが、前からプレスにくるソシエダに対して、なかなかここから前進のルートを見つけることができず。かといって長いボールを蹴ってもホイルンドには収まらない。
終盤に降りるザークツィーから裏に抜けるドルグで加速できる形が貴重な成功パターン。ユナイテッドは攻めあぐねる形で前半の大半を過ごすこととなった。
一方のソシエダはアンカーのトゥリエンテスが降りるアクションをすることでユナイテッドの前線に対して後方の枚数を確保。左右に振りながらサイドから切り崩しにかかる。ユナイテッドはプレスにはより慎重。前線は瞬発力があるわけでもないし、交代選手はいないのでハイプレスに行く時もやや制御がかかったように重く出ていくことが多かった。
ソシエダはサイドにボールを供給することはできていたが、そこから先に進むことができず。右の大外の久保は明らかな攻め筋であったが、相棒不在に苦しんでいる様子。外循環のボール保持の中でインサイドに突っかけるようにドリブルをするトゥリエンテスの工夫は光っていた。
だが、どちらも得点には至らず。試合はスコアレスでハーフタイムを迎える。
後半、ソシエダは久保の縦への突破からチャンスメイクするスタート。ユナイテッドも左サイドのドルグの抜け出しからサイドをえぐってクロスを上げる。
サイドからのチャンスメイクはユナイテッドに軍配。右サイドの仕掛けに成功したガルナチョからのクロスをザークツィーが仕留めて先制する。ソシエダは複数人でガルナチョに対応したにも関わらず、あまり選択肢を制限できなかったのが気になった。このシーン以降も同じ現象はソシエダの守備にそれなりにみられ、スカスカになりがちな中央を使われるシーンは目立った。
このままユナイテッドペースで進むかと思われた展開はブルーノのハンドによるPK献上でまた異なる局面に突入。オヤルサバルが決めたPKにより、ソシエダは一転攻勢に。サイドの封鎖が遅れやすいユナイテッドに対して、久保の代わりに入ったベッカーが決定機を作るが、これはオスカルソンが仕留めきれない。以降もオナナに救われるシーンが多いユナイテッドだった。
得点シーン以外にもチャンスが多い後半となったが、これ以上のスコアは生まれず。サン・セバスティアンでの一戦は痛み分け。タイスコアで勝負の舞台をマンチェスターに移すこととなった。
ひとこと
交代でなかなかギアを入れられないユナイテッド。FA杯も含めて連戦が続いており、マネジメントは相当困難を極めていると思う。
試合結果
2025.3.6
UEFAヨーロッパリーグ
Round 16 1st leg
レアル・ソシエダ 1-1 マンチェスター・ユナイテッド
エスタディオ・アノエタ
【得点者】
RSO:70′(PK) オヤルサバル
Man Utd:58′ ザークツィー
主審:イヴァン・クルチニャク
