
許容の1点差を越えたPSGが大きなアドバンテージ
R-16ではリバプールとの激闘を制したパリ・サンジェルマン。続くQFでも英国勢との対戦となる。エメリにとっては古巣との大舞台でのリマッチだ。
ボール保持は一方的にPSG。前からボールを奪いに来ないアストンビラに対して自陣でゆったりとボールを動かす。3-2-5への変形も前線の降りるアクションに対して、中盤が前線に上がるといったオートマティックなポジションチェンジなどは非常にパリらしい。
アストンビラはカマラがバックスに入る5バック気味の変形でパリの攻撃を受ける。パリは大外を噛ませつつ、マイナスのパスからバイタルに立つ選手がミドルを狙うというケースが多かった。
パリは即時奪回を狙っており、ポゼッションはほぼ完璧に支配。だが、奪った後に一回スローダウンを挟むことが多く、すぐにゴールには迫らないので攻撃を受け続ける圧力は感じにくかったかもしれない。
ボールの奪いどころがなく苦しんだビラだったが、右サイドでマッギンがメンデスを咎めると、カウンターからロジャーズが先制点をゲット。ワンチャンスしかなかった局面で正確にファーに走り込んだロジャーズにボールを届けた集中力はさすがだった。
しかし、パリはすぐに同点。今までは大外で味方にスペースを供給していたWGが自らカットインで仕事。ドゥエの素晴らしいシュートがネットを揺らしあっという間に追いつく。
後半も試合のテンションは同じ。アストンビラは警告を受けたキャッシュに代えて、ディザシを右のSBに投入。しかし、そこをクワラツヘリアが破壊。縦にカットインすることでディザシを置いていき、ニア天井を抜く形でゴールを決める。
アストンビラはそれでも後ろに重い布陣を崩さず。むしろ、ラムジーがハキミに合わせて低い位置を取り続ける分、後半の方が後ろ重心だったと言ってもいいだろう。前からボールを奪いにいく姿勢は限定的。ロジャーズには前半のようなシュートシーンが1回だけ訪れたが、シュートは正面だった。
以降は1点差を維持することが目標となったアストンビラだったが、パリは最後の最後で左のハーフスペースの抜け出しから3点目をゲット。180分スケールでも大きい3点目を決めたパリがホームで大きなアドバンテージを得ることとなった。
ひとこと
ビラも前から追っていくオプションをきっちり備えているチームではないので、追いかける展開はなかなかに厳しいものがある。パリの突破は相当色濃くなった。
試合結果
2025.4.9
UEFAチャンピオンズリーグ
Quarter-final 1st leg
パリ・サンジェルマン 3-1 アストンビラ
パルク・デ・フランス
【得点者】
PSG:39′ ドゥエ, 49′ クワラツヘリア, 90+2′ メンデス
AVL:35′ ロジャーズ
主審:マウリシオ・マリアーニ