
似たスタイルとの対戦を実力差で押し切る
立ち上がりが悪いイメージだったアル・サッドだが、この日はスロースターターという特性を排除して試合に入ることに成功。3バックに時折GKを絡めることでポゼッションを進めていき、4-4-2でミドルブロックを組むアル・ワクラを押し下げていく。
サイドから浮いた選手から横断しながら攻め筋を探るアル・サッド。片側サイドにこだわるのではなく、横断しながら攻め筋を模索。アル・ワクラの守備ブロックを広げながら相手の背後を取っていく。
非保持においてもアル・サッドはシャープな配置。高い位置からのプレスで敵陣に圧力をかけていき、相手を自陣に釘付けに。メンデスはボールを奪った後に自陣でやたらチャラいキープをしていたが、試合の展開を考えれば、きっちりとクリアして欲しかったところだろう。
左右のサイドからボックスの深さをとるアクションに時折横のドリブルを絡めながら抜け出しのチャンスを狙うアル・サッド。クラウジーニョ、アル=ハイドゥースの両方のIHを軸にサイドの深い位置に進撃していく。
非保持における差となったのはサイドを咎める速さだろう。ハーフスペースの裏抜けに対して、完全に後手を踏んでいるアル・ワクラに対して、アル・サッドは初手で縦パスのレシーバーを咎めて、押し上げる時間確保を阻害する。
一方的に押し下げながら攻略の糸口を探っていく。だが、なんとか前半はスコアレスをキープしたアル・ワクラ。タイスコアでハーフタイムを迎える。
後半もボールを動かしていくのはアル・サッド。押し込んでいくことで主導権を握るホームチームはヤタルの仕掛けからPKを獲得。だが、これは手前のプレーでファウル判定。相手ボールのFKで再開となる。
なかなかこじ開けられないアル・サッドだが、70分過ぎに獲得したPKをアフィーフが仕留めて先制。ついに試合を動かすことに成功。
以降はライドゥニ中心に攻撃を組み立てていくアル・ワクラに対して、オープンな展開からカウンターをベースにアル・サッドが反撃していく展開。オープンなカウンターからアフィーフがまたしてもPKを獲得し、リードをさらに広げる。
後半ATにはアタルが追加点で終わってみれば3-0。後半に畳み掛けたアル・サッドが勝ち点を積み上げた。
ひとこと
同じスタイルのチーム同士の一戦は順当な決着。実力差を反映した結果となった。
試合結果
2025.3.29
カタール・スターズリーグ
第19節
アル・サッド 3-0 アル・ワクラ
ジャシム・ビン・ハマド・スタジアム
【得点者】
ALS:73′(PK) 86′(PK) アフィーフ, 90+10′ アタル
主審:アブドゥルハディ・アル・ロワイリー