
低迷の名門対決は決め手を欠いたドロー
長年プレミアに君臨するロンドンの名門同士の一戦だが、今季は両チームとも苦戦。この一戦は16位と17位を争うというもの悲しい一戦になってしまった感がある。
ともに悪い流れを断ち切るべく、高い位置からのプレスでスタートする両チーム。ハイプレスで手応えを得たのはウェストハムだろう。押し込むフェーズから、トッテナムの不安定なバックスのパスワークを狙い撃ち。自陣への釘付けに成功する。
トッテナムのプレスも高い位置から捕まえにいく意識が強かったが、捕まえきれずに縦への進撃を許してしまうことに。攻守両方の局面で優位に試合を運んだのはホームのウェストハムだった。
しかし、先制点を手にしたのはトッテナム。左サイドへの苦し紛れな背後へのボールに対して、キルマンが処理ミス。ここを見逃さなかったテルからオドベールへの折り返しが決まりトッテナムが先制点を奪い取る。トッテナムは以降もこの左サイドを軸に攻め筋を展開。ここまでボールを届けることができるかが生命線となっていた。
反撃に出たいウェストハムだが、この日はファウルの基準に苦しんでいる感。コンタクトが簡単にファウルになる様子にフラストレーションを溜め続けた。
それでもウェストハムは前半のうちに同点にすることに成功。左サイドからの横断で逆サイドへの展開に成功するとワン=ビサカ→ボーウェンへのパスから同点ゴールをゲット。見事な抜け出しから試合を振り出しに戻す。
同点にしてからも右サイドを起点としたウェストハムが優勢となった前半。押し込まれるトッテナムは再び自陣から出ることができない苦しい時間帯を迎えることに。
終盤には先制点の場面で対応にミスが出たキルマンが名誉挽回のパスカットを見せるシーンも。タイスコアながらいい流れでハーフタイムを迎えたのはウェストハムの方だった。
後半頭に勢いを持って入ったのはトッテナム。大外に振りながらサイドの奥を取る形から進軍。前半の頼みの綱だった左サイドのテルも後半も存在感を発揮。低い位置では右サイドのグレイがドリブルでインサイドにカットインするなどアクセントとなるアクションを披露。ウェストハムの守備網の間に入り込んでいく。
序盤はペースを握られたウェストハムだが、時間の経過とともにリカバリーに成功。フュルクルクのロングボールなど手早い手段から主導権を奪い返しにいく。トッテナムにとってはカウンターのチャンスも生まれる展開となったが、トランジッションからの縦パスでリシャルリソンがあっさりとオフサイドにかかるなど、もったいない形でチャンスを失うケースも。
押し込むウェストハムはセットプレーから得点のチャンスを迎えるが、ニアのボーウェンに合わせたこのボールはヴィカーリオのファインセーブに遭ってしまいノーゴール。トッテナムは最後の最後で踏ん張る。
結局試合はそのまま終了。優勢に進めていたのはウェストハムだったが、トッテナムもなんとか粘り勝ち点1を分け合う形で幕を閉じた。
ひとこと
トッテナム、トランジッション局面で流れを掴めそうな時は簡単に手放したくないのだけども。
試合結果
2025.5.4
プレミアリーグ 第35節
ウェストハム 1-1 トッテナム
ロンドン・スタジアム
【得点者】
WHU:28′ ボーウェン
TOT:15′ オドベール
主審:マイケル・オリバー