
10人に追い込まれつつもCL出場に望みをつなぐ
CL出場権争い名物となっている譲り合いによって徐々にボーダーが下がりつつある5位以内の勝ち点。すでに蚊帳の外に放り出されたと思われていたビラにもここにきてチャンスが巡ってくることとなった。
支配的に勝負に出ていこうという風にしそうな両チームだが、この試合は非常に慎重な入り。ロングボールを起点としてボールを収められる状況を探っていく立ち上がりとなった。
少々、気がかりだったのはボールを奪った後のボーンマスに推進力がなかったこと。前に矢印を向けることができるボーンマスらしいカウンターに出ていくことができるボールの奪い方はできていたのに、ボールを奪ったところから縦への鋭さを出すことができない。
逆にアストンビラはオナナが長いリーチを生かしたボール奪取から一気に縦に進んでいくが、ボーンマスはなんとかカウンターに対応する。縦へのシャープさという意味では立ち上がりはビラの方が手応えは良かったかもしれない。
だが、この試合の前半はそうした競技面よりもとにかく負傷や小競り合いによってプレーが止まることが多かった。結果的に6分の追加タイムとなった前半だが、時計の針が止まっていた時間はもっと長かったように思う。
やや試合の流れを掴みにくい展開でチャンスを生かしたのはアストンビラ。直前の決定機は逃してしまったが、前半終了間際にカウンターでゴールをゲット。安直な縦への進撃に失敗したセメンヨのところからひっくり返すと、ワトキンスがクロスの軌道を変える技ありのゴール。ギリギリで先制点を生み出してハーフタイムを迎える。
後半、左サイドから先にチャンスに辿り着いたのはアストンビラだが、コンスタントにチャンスを作ったのはボーンマス。左サイドのセメンヨのクロスからクライファートがチャンスを迎えるが、相手を交わしきれず。
以降もこの左サイドからボーンマスは攻めていく。先制点における失態を取り返したいセメンヨと交代で入ったクライファートからアストンビラを殴っていく。
やや制裁を欠くWGは左右の入れ替えを敢行。ボーンマスは膠着した展開を動かしにいくが、なかなか決め手となるチャンスを掴むことができない。
しかし、ラムジーが不用意な警告で退場。アストンビラは10人に。これを見たボーンマスは可能な限りのアタッカーを前線に投入して勝負をかけず。
だが、この形は前線多く船山に登ってしまった印象。数的不利でも頼りになるGKとしては世界でもトップクラスのマルティネスの落ち着きある振る舞いも助けとなった。
ひとこと
アストンビラにとっては大きな大きな一勝。CL出場権争いの望みを繋いだ。
試合結果
2025.5.10
プレミアリーグ 第36節
ボーンマス 0-1 アストンビラ
ヴァイタリティ・スタジアム
【得点者】
AVL:45+6′ ワトキンス
主審:スチュアート・アットウェル