
両SBの素晴らしい連携で勝負は最終節へ
ELのファイナリストとなっているユナイテッドとトッテナムは早めの第37節。そのスケジューリングに巻き込まれたのはCL出場権を争っている只中の2チーム。チェルシーとアストンビラは全く異なるルートでCL出場権を狙うチームと対峙することとなる。
序盤からボールを持つ相手に対して前からプレスに出ていく両チーム。チェルシーはカイセドのキャリーからの脱出などハイプレスに真っ向勝負での回避を狙っていくが、ジャクソンというターゲットがいない分、ロングボールで逃げるプランが不安定。早めに捕まえにいく形が成功するとペースはユナイテッドに流れることとなる。
ユナイテッドは外を回してじっくりと押し下げる形から進んでいく。アタッキングサードでの迫力不足はやや感じたが、それを補ったのはセットプレーの攻め残りとなったマグワイア。左サイドからのクロスを叩き込んでネットを揺らすが、これは惜しくもオフサイドとなった。このゴールで勢いに乗ったユナイテッドは左サイドから奥を取る形を少しずつ増やしながらチャンスメイクをしていく。
マグワイアのシュート前後の時間を凌いだチェルシーは反撃開始。サイドで深い位置をとるとマイナスのクロスからのミドルでチャンスを作っていく。ユナイテッドの跳ね返しもハイラインで迎撃し、少しずつ一方的な時間を増やしていく。
終盤はチェルシーペースとなったこの試合。マドゥエケからのパスを受けたパーマーのやや間合いを外すシュートをオナナが止めてハーフタイムを迎える。
後半に存在感を増したのはホイルンド。左右に流れて縦パスを差し込むことで前半とは異なる起点の作り方にトライしていく。ただ、ボックスが近づくとホイルンドは無駄なタッチの多さからチャンスを潰してしまう場面もあり、働きとしては一長一短という感じであった。
リトリートする場面を増やすユナイテッドに対して、カイセドのラストパスからジョージがPKを獲得するが、これはOFRで取り消し。まぁ、取り消しは妥当だとは思うが、もう少しCBがカバー範囲を広く持って欲しいなという気持ちもあった。
そんな危ういボックス内での対応は70分に決壊。右サイドからジェームズが華麗な身のこなしでクロスを上げると、ボックス内に入り込んだククレジャが先制ゴールをゲット。この時間でリードを奪い取る。
チェルシーはやや試合運びが定まらなかった感があるが、カイセドが強引に単独プレスを仕掛けて全体を引き上げてプレスを起動させることでなんとか方向性は収束。後ろの選手を増やす用兵とは逆に前がかりな姿勢で試合をクローズしていく。
逃げ切りに成功したチェルシー。CL出場権に向かってラストゲームにきっちりのぞみを繋いだ。
ひとこと
両SB、素晴らしい仕事だった。
試合結果
2025.5.16
プレミアリーグ 第37節
チェルシー 1-0 マンチェスター・ユナイテッド
スタンフォード・ブリッジ
【得点者】
CHE:71′ ククレジャ
主審:クリス・カヴァナー