Fixture
プレミアリーグ 第37節
2025.5.18
アーセナル(2位/18勝14分3敗/勝ち点68/得点66 失点33)
×
ニューカッスル(3位/20勝6分10敗/勝ち点66/得点68 失点45)
@エミレーツ・スタジアム
戦績
過去の対戦成績

過去の対戦でアーセナルの5勝、ニューカッスルの5勝、引き分けが1つ。
アーセナルホームでの戦績

直近10試合でアーセナルの8勝、ニューカッスルの1勝、引き分けが1つ。
Head-to-head from BBC sport
- ニューカッスルは今季アーセナルに3勝。プレミアで1勝、EFLカップで2勝。アーセナル相手に1シーズンで4回勝利したチームは過去存在しない。
- しかし、アーセナルはホームのプレミアのニューカッスル戦において直近20試合で1敗しかしていない(W17,D2)。
- ニューカッスルは1994-95以来のアーセナル相手のシーズンダブル達成の可能性。
スカッド情報
- 長期離脱をしていたカイ・ハヴァーツの起用は不透明。
- デクラン・ライス、レアンドロ・トロサール、ユリエン・ティンバー、ガブリエル・マルティネッリは全員練習参加しており当日判断。
- チェルシー戦で筋肉系のトラブルに見舞われたジョー・ウィロックはエディ・ハウによると出場の「わずかなチャンスがある」とのこと。
- 膝を怪我したスヴェン・ボットマンは状況を注視するが、鼠蹊部の怪我をしたキーラン・トリッピアーは欠場見込みで、膝を負傷しているジョエリントンも不在。
Match facts from BBC sport
- 直近5試合の公式戦で勝ちがない(D2,L3)
- ホームでの公式戦は直近4試合未勝利(D2,L2)
- しかし、その年のホームでの最終戦は過去27シーズンで1敗のみ(W22,D4)
- 先週末のミケル・メリーノのレッドカードで今季6人目の退場者。リーグ最多。
- ウィリアム・サリバは出場すればプレミア100試合目の出場。
- サリバは勝てばクラブ加入最初の100試合で68勝を挙げることになり、クラブ記録に並ぶ。
- 直近10試合の公式戦で8勝(D1,L1)
- しかし、直近2試合のアウェイでのプレミアでは勝てていない。アストンビラに敗れ、ブライトンにドロー。
- 先週末の勝利でリーグ戦20勝目。単一シーズンでの20勝以上達成はサー・ボビー・ロブソン就任時の21勝以来、ここ22年で初めてのこと。
- 2017-18のトッテナム戦以来、その年最後のアウェイゲームでは負けていない(W4,D2)
- ジェイコブ・マーフィーは今季プレミアで12アシストを記録。ニューカッスルの選手の単一シーズンにおけるアシスト数としては99-00のノルベルト・ソラーノ以来最多。
予習
第34節 イプスウィッチ戦

第35節 ブライトン戦

第36節 チェルシー戦

今季ここまでの道のり

予想スタメン

展望
モチベーション十分の天敵
アンフィールドでの首位へのチャレンジは「頂上決戦」というよりは「乱戦」と評した方が正しいだろう。後半に垂れたリバプールに対して、アーセナルは2点のビハインドのリカバリーに成功。CL出場権に向けて大きな1ポイントの上積みを果たした。
その一方で未勝利が続くアンフィールドでの悪循環を止めることが出来なかった。そんなアーセナルにとって24-25の積み残しをもう一つ回収するチャンスが与えられているのがこの37節。今シーズンは煮え湯を飲まされ続けたニューカッスルとの一戦。今季ここまでは公式戦で3戦3敗。相性の悪い天敵とのホーム最終節は勝てば事実上の2位が確定する一戦だ。
逆にニューカッスルが勝利をすれば2位の座は彼らの手に渡ることになる。まだ確定とは言えないCL出場権も含めてリベンジに燃えるアーセナルを返り討ちにするモチベーションは高いだろう。
32節のマンチェスター・ユナイテッド戦と29節のクリスタル・パレス戦で一気に順位を上げてCL出場権ではリードをする立場となったニューカッスル。ほかのチームが足止めを食らう中では比較的順調に勝ち点を重ねてきた方だ。
その一方で、内容を紐解くと不安定な部分も顔をのぞかせる。特に速い展開における怪しさが目立つ。アストンビラ戦では完全に相手に飲み込まれてしまった感がある。スコアが動いたのは後半だが、内容面ではハイプレスに出て行ったは外された前半の方が気になる。
ブライトン戦でも速い展開からのギアアップは出来ず、前半で相手に退場者が出たチェルシー戦では数的優位が単なる大雑把な展開に繋がってしまう。5-4-1できっちりとローブロックを組むことが出来た11人同士の方が内容としては全然いいのだから不思議なものである。
とはいえ、きっちりと力を出せば(最近のアーセナル戦では例外なくできている)ニューカッスルが怖いチームであることは明らか。押し込むフェーズにおいて24-25仕様のトナーリのアンカーは中盤の流動性アップに貢献。アタッキングサードに入り込む選手を流動的かつパス精度の高い選手にすることでボックスに迫るボールのクオリティを高めている。
中盤がサポートするワイドアタッカーも素晴らしいクオリティ。中盤戦から頭角を現したマーフィーは終盤まで垂れることなく走り切った。自陣まで下がる守備をしつつ、前に出て行ける推進力を持ったWGの素晴らしさはアーセナルファンであれば容易く理解ができるだろう。
バーンズはようやく故障から本格化した印象。速い展開での鋭さは別格で力強いフィニッシュは凄みを感じる。この2枚に加えてゴードンが加わった3人のWGはプレミアでも相当上位の陣容といえるだろう。
CFではアーセナルの想い人であることが公然の秘密であるイサクが君臨。いくら思いを寄せていても、彼がスコアリングをやめてくれるわけではなく、アーセナルファンをただただやきもきさせるシーズンとなっている。例年に比べればすべてを決める感はやや落ち着いているように見えるが、速攻に置いてのプレー選択においてはやはりプレミアの第一人者といっていいレベルだろう。
揃ってクオリティを出せれば間違いなく強い陣容のニューカッスル。ここ数試合では不安定だが、いいイメージを持っているであろうアーセナル戦ではどのような出力となるだろうか。
絶対に先に焦れない
リバプール戦の前半におけるアーセナルの守備の反省点はそのままニューカッスル戦の課題と言い換えても問題はない。2点目のきっかけとなったショボスライの動きはイサクの速攻の最も得意な形。ニア側のCBにつっかけながら背後を取ることでファー側のCBを釣りだしつつ、寄られる前にラストパスやフィニッシュを狙う。

ジョーンズやロバートソンでホワイトの背後をひたすら狙い撃った左サイドの速攻もバーンズやウィロックでイメージしやすいところ。先に挙げた課題を含めてどちらもサリバがカバーを強いられている部分。リーダーシップ云々以前にプレー範囲の広さによってかなり負荷がかかっているように思う。
キヴィオルにとっては大きなチャレンジになるだろう。正直、このイサクのフリーランは彼にとってはいわゆる「やられパターン」。しかしながら、このガブリエウが翻弄されたフリーランを仮に封じることが出来れば、明らかに上向いた状況でシーズンを終えることが出来るはず。レアル・マドリー戦に続く、2つ目の大きなマイルストーンを手にする24-25シーズンになるはずだ。
攻撃の局面としてはまずは相手がどう出るかが重要なポイント。チェルシー戦のように5-4-1で陣形のコンパクトさを優先するパターンも充分に考えられるはず。この状況を許容されてしまうのが最悪なパターン。つまり、先制点は詰みとなる可能性が高いということでもある。
抑えておきたいのは実質マジック1のCL出場権はもちろんのこと、2位を確保するという観点でも引き分けは悪くない結果であるということ。最終節のセント・メリーズに勝利すれば自力で2位が決まる状況はアーセナルにとっては十分に許容できるもの。アグレッシブな姿勢を崩す必要はないが、無理をしてこじ開けに行く必要もない。
リバプール戦の前半のようなオフザボールが枯れているからインサイドの強引なワンタッチパス交換が失敗に終わり、カウンターから相手に先制点を献上するというのが最悪なシナリオであることに疑いの余地はない。ボールの捨て方の意識はしっかり持っておきたいし、スコアが動かない状況に焦れたくない。スコアレスで嫌なのはこちらではなく向こう側だ。
攻略のポイントとしてはIHをどこまでどかすことが出来るかだろう。4-3-3であればサイドのフォローに飛んでくるIHは邪魔な存在。前節欠場のジョエリントンが起用できないのであれば、従来よりは無理が効かないはず。ダブルチームが来る前に攻め切る姿勢を見せておきたいし、オフザボールでの揺さぶり合いでは負けたくはない。
5-4-1であれば2CHの守り方に慣れていないのか、背後を空けることも少なくはない。この場合は1トップ脇でCHを食いつけせて、楔でライン間を狙う形から一気に背後を狙ってもいいだろう。
泣いても笑っても今季のロンドンのラストゲームはこの試合。天敵相手の勝利、2位確定と現段階で迎えられるシーズン最良の着地を決めたいところだ。