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「マジック3」~2025.5.3 プレミアリーグ 第35節 アーセナル×ボーンマス プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第35節
2025.5.3
アーセナル(2位/18勝13分3敗/勝ち点67/得点63 失点29)
×
ボーンマス(10位/13勝11分10敗/勝ち点50/得点53 失点41)
@エミレーツ・スタジアム

戦績

過去の対戦成績

 過去の対戦でアーセナルの8勝、ボーンマスの1勝、引き分けが1つ。

アーセナルホームでの戦績

 アーセナルの8戦全勝。

Head-to-head from BBC sport

Head-to-head
  • ボーンマスは10月のアーセナル戦で同カード初めてのクリーンシートを達成。初のシーズンダブルを狙う。
  • アーセナルは8試合のホームでの公式戦でのボーンマス戦で全勝。23得点、4失点。

スカッド情報

Arsenal
  • ミッドウィークに出場停止だったトーマス・パーティはスカッドに復帰。
  • ネトはレンタル元との対戦のため起用不可。
  • ジョルジーニョ、リカルド・カラフィオーリ、ガブリエル・ジェズス、ガブリエウ・マガリャンイス、カイ・ハヴァーツ、冨安健洋は欠場。
Bournemouth
  • エヴァニウソンは異議が認められ、マンチェスター・ユナイテッド戦での退場による出場停止が取り消された。
  • ライアン・クリスティ、ルイス・シニステラ、エネス・ウナルは負傷欠場。

Match facts from BBC sport

Arsenal
  • パリ戦での敗戦は直近13試合で初めての負け(W6,D6)
  • 敗れれば16ヶ月ぶりのホームでの公式戦連敗。
  • 直近35試合の欧州カップ戦直後の試合で1敗しか喫していない(W24,D10)
  • リードを経験した試合のうち9試合で勝ち点を落としており(全てドロー)、直近2シーズンを足した数よりも多い。
  • ミケル・アルテタはアーセナルの監督として、285戦で167勝。初の勝利が2019年12月のボーンマス戦。
  • デクラン・ライスは出場すればアーセナルでの公式戦100試合目となる。
Bournemouth
  • 引き分ければクラブ史上初の3試合連続トップリーグでの引き分けとなる。
  • 直近9試合のリーグ戦で1勝のみ(D4,L4)であり、この期間に順位を5位から10位まで落としている。
  • 直近11試合のロンドン開催のゲームで勝てておらず、直近5試合は全てドロー(D6,L5)
  • ジャスティン・クライファートはアウェイで出場したリーグ戦9試合で13得点に関与(10G,3A)
  • エヴァニウソンは直近9試合のプレミアでの先発で6得点に関与(5G,1A)

予習

第32節 フラム戦

第33節 クリスタル・パレス戦

第34節 マンチェスター・ユナイテッド戦

準備中

今季ここまでの道のり

予想スタメン

展望

三人称型の攻撃復活が復調のバロメーター

 エミレーツでのパリとの1st legは0-1での敗戦。後手を踏んで敵地に乗り込むこととなったアーセナル。間に挟まるリーグ戦はボーンマス。前回対戦ではサリバが退場しての敗戦を喫した相手だ。

 CLの間に戦う相手としてはボーンマスは非常に厄介。高い位置からのチェイシングをベースにテンポが早いゲームを展開する。各チーム、終盤戦はスカッドの疲労がピークになっているはずだが、ボーンマスにとってはお構いなし。フラム戦ではほぼ90分間アップテンポな落ち着かない試合をやってのけた。

 高い位置からのチェイシングはオールコートマンツーとまではいかないものの、低い位置でのパス交換を前線から咎めにいく姿勢を見せている。2列目もこのスタイルに呼応。さらに後方にはスキルの高いDF陣も待機。注目株のハイセンはリバプール、アーセナルといったCBに個人の高いストッパースキルを求めるスタイルのチームから視線を向けられている。前輪駆動のハイプレス型のチームにはもってこいのクラッシャーだ。

 ボールを奪うことができればそこから縦への鋭い攻撃を備えている。今季この点でもっとも存在感を見せたのはセメンヨ。前にスペースがある状態ではスルスルと前に進み、独力でフィニッシュを仕留めることができる凄みを有している。ロングボールのターゲットとして活用できる体幹の強さも魅力的。

 他にもワッタラやタヴァニア、ブルックスといったサイドを縦にかけることができるアタッカーが勢揃い。縦への鋭さは90分持続することができる。中央に陣取るエヴァニウソンはポストでこのアタッカーたちにチャンスを供給しつつ、ボックス内に飛び込むことができる9番。直近のユナイテッド戦では退場処分を受けたが、取り消しのアピールが認められたため、アーセナル戦の出場は可能となる。

 不思議なのは戦績とスカッド事情が比例していないこと。中盤戦にアタッカーが壊滅的で前線にワッタラが入り、控え選手がユース組で埋め尽くされていた時には負けずに踏ん張っていたのに、春先にメンバーが充実した瞬間にどんどん勝てなくなっていった。

 勝てない時期のボーンマスで少し気になっていたのはサイドの攻撃がやや縦に傾倒しすぎていたこと。SHとSBの二人称(主にこの時期左でコンビを組んでいたケルケズとセメンヨ)で解決しようとする意識が高すぎた。

 いい時期のボーンマスは中央と外を行き来するクライファートを絡めた三人称の攻撃で強みを発揮していた。彼のコンディション低下、そして負傷欠場によりサイド攻撃のバリエーションにブレーキがかかっていた感がある。復帰して3試合目となるアーセナル戦で暴れることができるだろうか?

多角的にパリ戦を意識した90分に

 まず国内コンペティションの状況を整理しておこう。優勝のリバプールは順位が確定。アーセナル、シティ、ニューカッスル、チェルシー、フォレスト、アストンビラの6チームがCL出場権を争っている。

 各チームの最大勝ち点は以下の通りになる。

シティ:73
ニューカッスル:74
チェルシー:72
フォレスト:72
アストンビラ:69

 ただし、チェルシーはニューカッスルとフォレストと直接対決を控えているので、最終的な勝ち点として5チームが上の表で終えることはあり得ない。6位の勝ち点が最大化される結果を考慮(チェルシーがニューカッスルに勝利&フォレストと引き分け)すると以下がアーセナルの6位転落を考慮した場合のワーストケースの最終勝ち点となる。

シティ:73
ニューカッスル:71
チェルシー:70
フォレスト:70
アストンビラ:69

 フォレストは現状で得失点差+12。アーセナルの得失点差+34。得失点差で考えると4節でこの数字がひっくり返ることはまずないだろう。ということでアーセナルの5位以内確定勝ち点は「70」ということになる。あと1勝すればこの勝ち点に乗ることになる。マジックは3だ。

 断っておきたいのはチェルシーとフォレストが揃って勝ち点70に辿り着いて5位と6位を争う上記のケースは当該チームが関与する13試合が全て単一の結果に収束した時しかあり得ない。仮にアーセナルが67から勝ち点を動かすことができず、4連敗を喫したとしても5位以内の確率は十分に考えられるということ。ちなみにOptaの予測によれば、アーセナルがリーグ順位でCL出場権を獲得する確率はシティとウルブスの試合が終了した現時点で99.95%とされている。

 さらにはアーセナルの最終節はサウサンプトン。セント・メリーズとの相性が悪いのは承知だが、今期に関してはさすがにチーム力には差がある。1週間の準備期間がある状況で勝てないというケースはかなり考えにくいと言っていいだろう。

 以上のことから、アーセナルはCL出場権確保という観点では無理にボーンマスに勝利して勝ち点70に乗せる必要は薄いと考えられる。ということでCL準決勝を照準とした計画的なプレータイムマネジメントとコンディション調整を優先にすべきだ。

 そのことを念頭に置いた上でボーンマスに勝つ話をしたい。イラオラの視点から見れば、間違いなくこの試合の勝機は消耗戦にあると思う。縦に速い展開を90分繰り返せば、コンディション的に優位なボーンマスの方が持続時間も長く、シャープさでも長けていることは想像に難くない。

 アーセナルからすれば撃ち合いに勝ったとしても、体力消耗の観点からは好ましくはない。まずはハイテンポに持ち込ませないことが重要。ハイプレスを外すことで試合を落ち着かせて過度にアップテンポに持ち込まれるところを避けたい。中盤のスペースは空いてくるはずなので、サイドに追い込まれたように見せかけて、空いた中央の穴から進撃する形は効くと思う。ちょうどアーセナルがパリ戦の先制点としてやられた形だ。

 守備においては同サイドに閉じ込めながらも中盤を経由して横断を許し、左サイドのケルケズの攻撃参加を呼び込む事態が一番めんどくさい。中央のエヴァニウソンのポストに警戒しつつ、同サイドに圧縮するプレスは重要。ちょうどこちらはパリ戦の反省を活かすフェーズだ。

 おそらくは主力にもある程度の出番はあると思う。カラフィオーリ、ジョルジーニョに復帰の目処が立たない現状では全員休ませられるほどスカッドに余裕はないはず。ボーンマスはポゼッションのスキルを除けば(ボーンマスが低いのではなく、パリが高すぎる)、ファストブレイクの攻撃の方向性や強力なサイドアタッカーと攻め気が強いSBなど部分的に似通っている部分がある。それであれば、パリ相手にやらせたくない形はきっちりと復習しつつ、相手のハイプレスを回避するイメージを持っておきたい。

 あくまで照準はパリ戦に向けて。ミュンヘンへの切符を掴むために、パリにいいイメージで臨む90分を過ごしたい。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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