
ポゼッションの税金を返済しきれず
普段であれば3-4-3が多いドルトムント。だが、この試合では非保持においては3-4-1-2を採用。おそらくはCBとアンカーにそれぞれプレッシャーをかけようということで、マンツーを仕掛けやすい仕組みにしたのかもしれない。ちなみにローブロックを組むときは5-4-1にシフトしていた。
マメロディはすぐにロングボールを蹴るのではなく、横断から様子見。ハイプレスをショートパスで回避していくスタンスだった。非保持でもドルトムントのバックラインにプレスをかける形で追い込んでいく。CFのレイナーズがワンサイドカットする誘導を行うことで敵陣でのボール奪取を的確に狙うことができていた。
ドルトムントとしては押し込んでいきたいところだが、中盤でのパスワークが安定せずロストをすることもしばしば。その隙を見逃さなかったマメロディがロングカウンターから先制ゴールを決める。
しかし、ドルトムントもすぐに同点。プレスに屈さずにショートパスでの繋ぎを選択しつづけていたマメロディにポゼッションの税金が発生。GKのパスミスをヌメチャが仕留めてドルトムントが一瞬で試合を引き戻す。
失点以降も保持のトライを続けていたマメロディだが、ドルトムントは徐々に勢いを増していく。ポストと3人目の動き出しがようやく噛み合い、中盤をスピーディに抜けていくシーンが増えていくようになった。
そして順当にドルトムントは勝ち越し。1人で前を向こうとしたマメロディの中盤を咎めて逆転ゴールを決める。
畳み掛けられたマメロディは押し込まれる時間が増えていくと、前半終了間際にドルトムントは追加点。ベリンガムのゴールでさらに突き放す。
後半、後がないマメロディは前からのプレスに出て行ったり、ポジトラでの進撃が目立ったりなど反撃機運。ドルトムントは中盤の守備のゆるさが目立つ苦しい展開だった。
しかし、その流れでもドルトムントは追加点。左サイドのスヴェンソンのクロスよりのボールが相手に当たり、幸運なオウンゴールを生み出す。
セットプレーで1点を返し、終盤にはさらに得点を加えて1点差まで詰め寄ったマメロディ。しかし、あと一歩届かず。撃ち合いをドルトムントが制した。
ひとこと
初めの2失点はいかにもポゼッションの税金。ハイプレスを食らっているときに1人で強引なターンはしちゃいけない。
試合結果
2025.6.21
FIFA Club World Cup
グループF 第2節
マメロディ・サンダウンズ 3-4 ドルトムント
TQLスタジアム
【得点者】
MSU:11‘ リベイロ, 62′ レイナーズ, 90′ モティバ
BVB:16’ ヌメチャ, 34′ ギラシ, 45′ ベリンガム, 59′ ムダウ(OG)
主審:フアン・ガブリエル・ベニテス