
劇的シャットアウトで望みを繋ぐ
グループDのアウトサイダー対決となったこのカード。序盤から互いにミドルブロックを組むことを優先。互いにゆったりとしたポゼッションでのスタートとなる。
序盤にハイプレスからエスペランスが決定機を作ったシーンこそあったものの、前半のテーマはとにかくリスクヘッジ。後方には枚数をかけながらテンポを下げつつ、前線であてるところを探っていく。そのため、トランジッションの機会が非常に少なく、様子見の状況が続く立ち上がりとなった。
互いに様子見の様相が強い分、睨み合いとなった中でより攻撃性を見せたのはホームのロサンゼルス。ブアンカの飛び出しなどアクセントになるアクションを入れることで、足元で受けてばかりにリズムに少しずつ変化をもたらしていく。
一方のエスペランスは左サイドのコナテとベン・ハミダのオーバーラップからの縦関係から反撃に。20分台からはロサンゼルスの保持局面が続いていたが、前半の30分からはエスペランスが保持の時間を伸ばすことで対抗する展開に。
しかし、試合が動く気配はあまり見られないのが正直なところ。前半のスコアレスという顛末は両チームとも納得という感じだろう。
これではまずいと思われた後半、両チームは一気にハイプレスに出ていくように。序盤とは異なりオープンな展開となった試合は背後のランを増やしたエスペランスが少しずつペースを掴んだように思えた。左サイドからの侵入でベライリはPKを獲得したかと思われたが、これはOFRでシミュレーション判定。先制のチャンスを逃す。
しかし、その数分後にベライリはリベンジを達成。左サイドからの攻め上がりに後から絡んでいくと、見事なミドルで直前にファインセーブを見せていたロリスの牙城を崩すことに成功する。
以降はペースはエスペランスが握る。両サイドのアタッカーと連携しながら攻撃を加速していくベライリは得点の場面以外にも存在感は抜群。抜け出しから迎えた場面から、試合を決める追加点を生み出しかねないチャンスを作る。突き放すことはできなかったが、得点の機会が多かったのはエスペランスの方だった。
後半ATで迎えた微妙なPK判定もサイードの素晴らしいセーブでシャットアウト。劇的なゴールで勝利を守り切り、最終節のチェルシー戦との直接対決に望みを繋いだ。
ひとこと
PKストップ、めっちゃ盛り上がった。サポーターにとっては最高の勝利だろうな。
試合結果
2025.6.20
FIFA Club World Cup
グループD 第2節
ロサンゼルスFC 0-1 エスペランス
ジェオディス・パーク
【得点者】
EST:70′ ベライリ
主審:エスペン・エスコース