
二の矢がない浦和を追い詰めたインテルの貫禄
ついに浦和が迎えるインテル戦。CL準優勝チームとの公式戦は世界との距離を測るまたとないチャンスとなるだろう。
まずはボールを持つのはインテル。3バックからポゼッションをゆったりと行う。浦和は序盤こそSHが前にスライドしてインテルのCBにプレスをかける意思を見せていたが、時間経過とともにプレスの意欲は減退傾向。
そうなった要因としては前線と中盤のハーフスペース裏の飛び出しだろう。この飛び出しには浦和はCHが下がって埋め、その分2列目が中盤に下がる格好となる。こういう対応になると、プレスの重心が下がるのは当然と言えるだろう。
前進のきっかけも見つけることができずに苦しい浦和だったが、ワンチャンスから先制点をゲット。右サイドからの独走で勝負を仕掛け、クロスに飛び込んだ渡邉がゴール。大御所相手に先制点を生み出して見せる。
先制点が試合の構図に影響を及ぼすことはなし。先に述べたハーフスペースの飛び出しで押し込む静的なフェーズを攻略にかかり、浦和が前にプレスに来ればラウタロが背後を取るアクションでロングボールに飛び出すなどアクセントを見せる。
早い時間帯はかなり浦和をあと一歩まで追い詰めるようなシーンもあったが、インテルのオフザボールは時間経過とともに停滞。試合は浦和のリードでハーフタイムを迎える。
後半の頭は前半と似た形。インテルのポゼッションを軸に、浦和は少しでも前からのプレスに出ていくことができるかどうかを探っていく。
その綱引きに押し勝った感があるのはインテル。浦和を自陣にきっちりと押し込み、ワイドのCBとアスラニを軸に攻撃を組み立てていく。膠着を動かしたのはセットプレー。ラウタロのアクロバティックなゴールで試合は振り出しに戻る。
松尾、金子の速攻頼みのカウンターは流石に息切れ気味だった後半。サンタナの投入で前線に新しい起点を作ることを探っていく。
それでもインテルの勢いはなかなか食い止めることができず。前半から繰り返されてきたファー狙いのクロスは終盤になっても依然として浦和を苦しめていた。
最後は追い込んだ状態できっちり浦和を決壊に持って行ったインテル。ギリギリの決着ながら浦和を下したインテルが貫禄を見せた。
ひとこと
松尾、金子の速攻アタックに続く二の矢が欲しかった浦和だった。
試合結果
2025.6.21
FIFA Club World Cup
グループE 第2節
インテル 2-1 浦和レッズ
ルーメン・フィールド
【得点者】
INT:78′ ラウタロ・マルティネス, 90+2′ カルボーニ
浦和:11′ 渡邊凌磨
主審:ダハン・ベイダ