
保険ありのマンツーをまんまと破壊
序盤からボールを持つのはユベントス。コロ・ムアニをターゲットとするロングボールもありつつ、自陣からのゆったりとしたポゼッションもキープ。左サイドを片上げしつつ、2CBとGKを絡めた陣形でビルドアップ。GKが絡まない場面では3バックで普通にボールを回していたので、とりあえず後方は3枚確保というのが原則なのだろう。
ウィダード・カサブランカは高い位置からのプレスでアンサー。人基準でのプレスを基準としつつ、バックラインは人を余らせる形。降りる選手には厳しく咎めにいくけども、後方に保険は置いておきたいという算段だろう。
このマンツー気味の布陣に対して、ユベントスは早々に回答を提示。低い位置まで下がっていった選手に対して厳しく咎めるというのが方向性に迷いが出てしまったウィダード・カサブランカは数珠繋ぎのようにマンツーが崩壊。ユベントスの細かいパスワークが常に先手を立つと、スペースに入り込んだユルディズが先制点のオウンゴールを生み出す。
ゆったりとボールを持ちたいウィダード・カサブランカに対してもユベントスはハイプレスで蹴らせるようなムーブを敢行。相手のバックラインに余裕を持たせない。
保持においてもウィダード・カサブランカが保持を許したDFからのキャリーで前進。徐々にウィダード・カサブランカのプレスラインを下げていく。
押し込むユベントスは左サイドからのドリブルでスペースメイクを行うと、豪快なミドルで追加点。あっさりと追加点を生み出す。
苦戦するウィダード・カサブランカだったが、ユベントスのマンツー外しに成功したところから追撃弾。一手外れてしまうと数珠繋ぎ的に追い込まれてしまうという構図はこちらも同じで、驚くくらいあっさりと失点を喫してしまった印象だ。
しかし、その勢いは持続せず。後半も安定感があるのはユベントスの方。前半のようなゆったりとしたポゼッションは後半も継続。ウィダード・カサブランカを敵陣からチェイスさせない押し込み方に成功する。
流れの中で光ったのは左サイドで突破力の優れるカンビアーゾだったが、試合を仕留めたのはユルディズ。緩急ある攻撃を仕上げて試合を決める3点目をチームにもたらす。
終盤は押し返そうとハイプレスに出てくるウィダード・カサブランカだが、ヴラホヴィッチの裏抜けや、GKを絡めたポゼッションから相手のプレスを撃退。試合を落ち着かせる。
後半追加タイムにはダメ押しのゴールをPKで決めたユベントス。速い時間に得たリードをきっちりと繋いで大勝を飾った。
ひとこと
マンツーの原則を手玉にとっての先制点は見事だった。
試合結果
2025.6.22
FIFA Club World Cup
グループG 第2節
ユベントス 4-1 ウィダード・カサブランカ
リンカーン・フィナンシャル・フィールド
【得点者】
JUV:6′ ブトゥイル(OG), 16′ 69′ ユルディズ, 90+4′(PK) ヴラホヴィッチ
WAC:25′ ローチ
主審:セッド・マルティネス