
貫禄の欧州王者がノックラウンドラウンドへ
激戦のグループB。第2節でボタフォゴに敗れながらも、第1節で得失点差の貯金があるパリ。最終節の勝ち上がり条件は目の前のシアトルを倒せばOKという状況だ。
当然支配的に試合を進めるのはパリ。3バックを機転にボール動かしながら、敵陣ではロスト後にハイプレスを敢行。保持型チームが主導権を握るための王道パターンから敵陣でプレーを進めていく。
しかしながら、やや敵陣での攻撃では物足りなさがあったパリ。ハーフスペース裏を取るアクションがややワンパターンな傾向。シアトルに簡単に対応を許してしまいチャンスを作ることができない。
低い位置からもポストからの陣地回復で反撃が出ていたシアトルだったが、徐々にハイプレスにでも出ていくことでチャンスを作れるか探るように。ハキミを低い位置まで下げてパリは枚数調整をかけていくが、ロスロックのハイプレスから決定機を作るなど、シアトル側にも手応えがある展開だった。
しかしながら、時間経過とともに押し込んだところからの停滞感を少しずつ打開していくパリ。ハーフスペースの裏抜けを囮としてカットインを見せるドゥエなど少しずつ異なるリズムを作っていく。
最終的にこの流れを仕留めたのはヴィチーニャのミドル。スペースが開けば容赦なく狙っていけるスナイパー的な一撃からパリは均衡を打開することに成功する。
後半も優勢なのはリードをしているパリ。ピッチを広く使っていくポゼッションからシアトルを押し込んでいく。その後の即時奪回も含めて、シアトルはなかなか自陣から脱出することができなかった。
そして、66分にはとどめとなるゴールをゲット。交代で入ったバルコラのタメからファーサイドに構えていたハキミが2点目を決める。これで事実上、突破を確実にしたといっていいだろう。
以降は完全に試合を押し込んでいく形を続けていくパリ。試合を支配下に置いて時計の針を進めていく。シアトルも単発での陣地回復はできているが、スピードアップをしきれずに攻め切れる場面を作れない。
結局、試合はそのまま終了。ミッションコンプリートしたパリがノックアウトラウンド進出を見事に決めた。
ひとこと
ややギアが入るのには時間がかかったが、圧巻なポゼッションからの崩し。流石の欧州王者だった。
試合結果
2025..
FIFA Club World Cup
グループB 第3節
シアトル・サウンダーズ 0-2 パリ・サンジェルマン
ルーメン・フィールド
【得点者】
PSG:35′ ヴィチーニャ, 66′ ハキミ
主審:クリスティアン・ガライ