
困難なミッションを阻みボタフォゴが16強へ
突破のためには3点差をつけての勝利が必須となっているアトレティコ。得失点差勝負となったグループBで厳しい状況に追い込まれている。
ボールを持つのはアトレティコ。CHをやや右に偏らせる形でのビルドアップを敢行。デ・パウルが右サイドにサリーし、バリオスが中央に留まる形に。CBはそのCHとバランスをとるように左側に偏らせるように陣形を修正する。
3バックから外回りを機転にボールを動かす立ち上がりのアトレティコ。ややインサイドによりがちなボタフォゴの動き方に対して、外循環で打開策を下がっていく。まずはハーフスペース突撃という保持側の王道型から様子を見ていく。
一方のボタフォゴはカウンターベースでの反撃を狙う形。サバリーノ、イゴール・ジェズスといった選手たちが必ず一旦縦パスを引き出すために中央の低い位置に下がって降りるというのが特徴の1つ。前線のポジションバランスは非常に自由で、右サイドのアルトゥールが長いボールを引き出すためのアクションをしていく。結構、この前線の絶妙なバランスは欧州でタイプが近いチームがあまり思いつかない。
縦パスが収まってしまうとアトレティコからすれば撤退を余儀なくされる。高い位置であればバルボサを咎めたところからチャンスを作るなど、もっと高い位置からチャンスを作っていければという感じである。
ボタフォゴのチャンスも多かったが、押し込むところからチャンスを作るのはアトレティコ。中と外を伸縮させながらの進撃でボールを動かしながら攻めるポイントをうごかしていく。CHがリズムを変えるワンタッチを意識していたのが流石である。ボックス内でのアルバレスが浮くなどかなりゴールには迫っていたが、得点には辿り着かなかった。
さらに後半は攻勢を強めるアトレティコ。セルロートへの斜めのパスなどからボックスに侵入していく。ボタフォゴは前半と同じくアルトゥールとジェズスの陣地回復から反撃に出ていく。先に決定的なチャンスを作ったのはボタフォゴ。ジェズスは左サイドから豪快なフィニッシュを見せるが、オブラクがファインセーブを見せてチームを救う。
終盤、負けても2点までならOKという状況のボタフォゴは徐々に撤退色を強めていく展開。アトレティコは人垣に引っかかりながら攻撃を続けざるを得ない展開。86分にグリーズマンが先制点を決めるがこのゴールがいっぱい。負けながらも踏ん張ったボタフォゴがノックアウトラウンド進出を決めた。
ひとこと
ボタフォゴの陣地回復、めっちゃ献身的で面白い。
試合結果
2025.6.23
FIFA Club World Cup
グループB 第3節
アトレティコ・マドリー 1-0 ボタフォゴ
ローズボウルスタジアム
【得点者】
ATM:87′ グリーズマン
主審:セサル・ラモス