
大きく出た賭けでグループ初勝利を手にする
2試合ともドロー発進となり、混戦模様となっているグループA。群雄割拠を抜け出すためにもまずは3ポイントが欲しい一戦だ。
ボール保持をベースとするのはアル・アハリ。CBが大きく開き、アンカーのアチアが上下動する。相手を動かしつつ、対角のフィードで左の大外に立つトレセゲを目指すパターンが多かった。また、アンカーのアチアもフリーになればドリブルで運ぶこともできる。
しかしながら、そうした動かし方ができないことも多々。バックラインが何も運ばないまま中盤にパスを刺してしまうと、そこからカウンターを許すこともしばしば。
パルメイラスのカウンターの主力となっていたのは右のエステバン。チェルシー加入が内定している若武者は切れ味抜群のドリブルでスペースがあると一気にフィニッシュまで。ファストブレイクだけでなく、定点攻撃でも右のSBのギアイがさがり、大外のエステバンを目指したパスからチャンスを作りにいく。
カウンターフォーカスのパルメイラスのチャンスが多かった展開だったが、ヴェイガの一発退場を受けて数的不利に。この退場の直後にアル・アハリはカウンターベースで主導権。序盤ほどインサイドの堅さを感じることがなくなったアル・アハリがややペースを引き戻してハーフタイムを迎える。
数的不利に追い込まれたパルメイラスが取った手段はハイプレス。3-4-2のような形にしつつ、バックラインに同数プレス。後方同数受け入れというか後方数的不利を受け入れるという格好になっていたが、この試合においてはこの方向性が大当たり。
前からのプレスに屈してしまったアル・アハリは自陣から出ることができない状態となると、セットプレーからオウンゴールを簡単に献上してしまう。
その後もなかなかパルメイラスからペースを取り戻せなかったアル・アハリ。セットプレーからのカウンターからあっさりと追加点を許すと、4枚替えを敢行した天候回復待ちブレイクでも流れを変えられなかった。
最後はローブロックで組む形で逃げ切りに成功したパルメイラス。後半頭に出た賭けに成功し、Aグループ初の白星を手にした。
ひとこと
10人のチームの振る舞いとしてはめちゃめちゃ斬新な捨て身の切り方だった。
試合結果
2025..
FIFA Club World Cup
グループステージ 第節
パルメイラス 2-0 アル・アハリ・カイロ
メットライフ・スタジアム
【得点者】
SEP:49′ アブ・アリー(OG), 59′ ロペスx
主審:アンソニー・テイラー