
段違いのゆるさの基準
グループステージの開幕節の最後。登場するのはユベントス。アル・アインとの一戦でグループステージ1周目のトリを飾る。
序盤からボールを持つのはユベントス。アル・アインは高い位置からボールを捕まえることができず、ユベントスに簡単に前進を許す。相手の1stプレスラインに簡単に主導権を渡さず、左右に逃すことで陣地回復のルートをきっちりと提示。枚数をかけたサイド攻撃はオフザボールに合わせてボックス内に突撃を図る。テュラムの動きだしがもう一歩早ければ早々に先制点を決めていたかもしれない。
だが、このチャンスを逃してもユベントスはあっさりとこじ開けに成功。右サイドの枚数をかけたパスワークでホルダーをオープンにすると、綺麗なクロスをコロ・ムアニが叩き込んで先制。あっさりと試合を動かす。
ユベントスも前からのプレスに積極的だったわけではないので、アル・アインには十分後方からのパスワークでゆったりと前進をすることができた。しかしながら、ユベントスに対してのアル・アインのゆるさはそれ以上。ホルダーとの間合いが遠く、特にドリブルを選択する相手に対しての間合いが大きい。一回押し下げられると前線へのロングボールの収める打率が高くなかったアル・アインとしては苦しい展開だ。
テンポが下がった中で、相手をずるずる咎められなかったアル・アインは立て続けに失点。ボックス内までゆるさが持続してしまい、コンセイソンに気持ちよくシュートを許してしまった。
ユベントスも守備で強度をぐっと出していく感じではなかったため、アル・アインも呼吸ができない感じではなかった。だが、ユベントスが要所を締めることでアル・アインに加速を許さなかったことや、ユベントスが攻めに出た時のアル・アインのプレッシャーのゆるさとは比にならなかったことを踏まえると、大きな問題ではなかった。ユルディズの豪快なミドルによる3点目は実質前半で試合決着したアナウンスと言ってもいいくらいだ。
さらに4点目を確保し、後半を迎えたユベントス。45分で巻き返すのには難しい差がついてしまったアル・アインだったが、後半頭の入りは良好。4バックにシフトし、前からのプレッシングを行い、ユベントス陣内でのプレータイムを増やしていく。
惜しくも得点に迫るシーンもあったが、ユベントスは徐々にポゼッションを回復。右サイドからのファストブレイクでコンセイソンが逆足の突破を見せて5点目を仕留める。
反撃も完全鎮圧したユベントス。試合は大量得点差でイタリアの盟主の力を見せつけたスコアとなった。
ひとこと
入りでうまく距離感が掴めなかったアル・アインだった。
試合結果
2025.6.18
FIFA Club World Cup
グループG 第1節
アル・アイン 0-5 ユベントス
アウディ・フィールド
【得点者】
JUV:11′ 45+4′ コロ・ムアニ, 21′ 58′ コンセイソン, 31′ ユルディズ,
主審:トリ・ペンソ