
両GKの美技の競演で開幕
ついに新形式のクラブW杯がスタート。リニューアルしての第1回大会の開催地はアメリカ。オープニングマッチはアメリカにやってきたメッシを擁するインテル・マイアミというのはエンタメ的にもよくできている取り回しのように思えた。
しかしながら、序盤に存在感を見せたのはそのインテル・マイアミの対戦相手としてアメリカに招かれたアル・アハリ・カイロの方。4-4-2ベースでじっと構えるインテル・マイアミに対して、左サイドを起点とした攻撃からチャンスメイク。
2トップの一角であるトレゼゲが左に大きく流れ、ライン間にはトップ下のアシュールが入り込む。左サイドから陣形を引き伸ばし、大外かライン間のどちらに起点を作ると、アブ・アリーのラインブレイクから一気にゴールに向かう。
この形から序盤はチャンスを作っていく。ウスタリのファインセーブがなければ試合は早々に動いていた可能性が高かった。トップ下のマシャールが負傷交代しても流れは変わらず。交代で入ったサイードはむしろ即時奪回からPKを獲得するなど、前任者以上にドリブルでチャンスメイクに貢献。ここでも活躍したのはウスタリでPKストップから試合のスコアを動かすことを許さない。
インテル・マイアミはビルドアップからリカバリー。2列目の降りるアクションから少しずつ自陣に相手を引き寄せる。試合は次第に両チームが交互にポゼッションから打開を挑む形で膠着。そうした中で迎えたチャンスが先にあげたPK獲得であった。
後半、インテル・マイアミは立ち上がりからハイプレスを敢行。前半も時折見られたハイプレスからリズムを奪いにいく。アル・アハリは自陣を左右に揺さぶりながらプレスを回避し敵陣に侵入。前に出ていくプレスが頻発する分、中盤と前線が間延びし、アル・アハリに侵入を許すシーンも。
それでも前半よりは保持で敵陣に進撃する機会が増えたインテル・マイアミ。メッシを軸にナローなスペースでの攻略を狙っていく。終盤は完全にインテル・マイアミのペース。この局面で活躍したのはエル・シェナウィ。前半のウスタリに負けず劣らずスーパーなセーブでチームを救う。
開幕戦は両GKの美技によってスタート。スコアレスながらも見応えのある90分となった。
ひとこと
ウスタリもエル・シェナウィも非常に見事だった。
試合結果
2025.6.14
FIFA Club World Cup
グループA 第1節
アル・アハリ・カイロ 0-0 インテル・マイアミ
ハードロック・スタジアム
主審:アリレザ・ファガニ