
大雨明けの戦術変更合戦
序盤から圧力を見せたのはザルツブルク。敵陣で高い位置から追いかけ回すことでパチューカのポゼッションを阻害していく。
保持においてはライナーが3バックに入ることでSBが左右非対称なポジションどりに。左サイドのラスムッセン→クレツィヒのパスで一気に前進する。右サイドではドルジュレスのドリブルがアクセントに。左右に大きく振りながら、インサイドではビストルップが体の強さを見せるドリブルで進撃する。
パチューカの対抗策はロンドンのポスト。長いボールを当てることでボールを収める。中央できっちりと踏ん張るだけでなく、サイドに流れて自らシュートで完結するというスタイルも見せる。
ただし、縦に速い展開においてはザルツブルクも臨むところ。2トップのらしい加速からファストブレイクを行っていく。
やや展開が変わったのはロンドンの収める形をパチューカが活かせるようになってから。中央の起点からサイドの選手が上がる時間を作ることができると、ボックス内の空中戦の優位込みで徐々にパチューカが得点の可能性を感じさせる。
しかし、実際にゴールを仕留めたのはザルツブルク。右サイドで深さを取るドルジュレスの仕掛けで相手を揺さぶりながら積極的に狙っていたミドルをコントロールショットで沈めたのはグルーク。前半の終盤にザルツブルクが試合を動かす。
後半はファストブレイクの応酬。前半の終盤のようにパチューカはザルツブルグと互角に組み合うことができている手応えがあった。そうした中で試合は悪天候により大幅な中断が発生することに。
インターバル明けは両チームとも選手交代でスタート。追いかけるパチューカは積極的に押し込んでいくと、ゴンサレスがスーパーなFKで試合を振り出しに戻す。
以降も押し込むパチューカが優勢に試合を進めるが、ロンドンのポストを仕上げきれずにゴールを決めることができない。相手が手をこまねいているうちにゴールを決めたのはザルツブルク。クロスを豪快に叩き込んだオニシウォによって決勝ゴールをゲット。中断時間によって長丁場となった試合を制したのはザルツブルクだった。
ひとこと
悪天候による中断明けに大胆な戦術変更。この大会のトレンドになるのだろうか。
試合結果
2025.6.18
FIFA Club World Cup
グループH 第1節
パチューカ 1-2 ザルツブルク
TQLスタジアム
【得点者】
PAC:56′ ゴンサレス
SAL:42′ グルーグ, 76′ オニシウォ
主審:ムスタファ・ゴルバル